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植物名:デンドロビウム・ノビル系
品種名:Den エンゼル ベビー グリーン・愛
特徴:花茎5cm、純白に中心が緑色、草丈15cmくらいの小型のデンドロビウム。丈夫で育てやすく、たいていの環境に順応します。
栽培場所;茨城県北部

通常のグリーンアイの管理
は、耐感温度10℃~34℃、花期1月~2月となっています。良い状態で生育できる温度です。我が家は、2014年冬から2016年夏まで、-6℃~35℃を戸外で耐え抜きました。
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8月、葉は落ち、バルブもやせ細った状態。8月、10月にバラ用肥料を小さじ1杯ずつ施しました。
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11月下旬、最低気温5度になりました。室内、レースのカーテン越しの光の中で管理。株の回復を計り、室温が15℃を下回るまでの1ヶ月間、ラン用水肥を2週間おきにやりました。12月、葉の艶が出て、筋張ったバルブが太り、少し回復しました。

植え替えをする
4月3日、暖房の無いところの室温が12℃以上を保つようになりましたので植え替えを実施いたします。
植え替え前4月3日Sony a6000
植え替え前の状態(4月3日)

用意する物・・・ミズゴケ、鉢受け皿(ミズゴケを湿らせておくのに使う)、素焼き鉢、ハサミ(刃をライターなどであぶって消毒した物)、鉢の底に敷く網、支柱など

手順
1、新しいミズゴケを水で湿らせておきます。
2、鉢から株を抜きます。
鉢を割る4月3日photo by Yasunosukey(sony a6000)
根が詰まり過ぎていて、鉢から抜けない時は、鉢を割ります。鉢を割る時、破片で手を切らないように気を付けます。厚めの新聞紙で鉢を巻いて金槌で叩くと安全でいいと思います。この鉢は20年近く使っていて、ひびが入っていたの心置きなく割りました。

3、古いミズゴケ傷んだ根、枯れた根を取り除く。枯れたバルブ、割れてたバルブ、高芽をハサミで切ります。
整理した株photo by Yasunosukey(sony a6000)
根鉢の3分の1くらいを切り、株を綺麗にした状態。かなりボロボロです。

4、新しい鉢の底に網を敷きます。
鉢底発泡スチロールphoto by Yasunosukey(sony a6000)
株が植わっていた元の鉢は4号鉢で、ミズゴケなどを取り除けば4号鉢でいいのではないかと思いましたが、株が思ったより大きく育っていたので、5号鉢に植えることにしました。しかし、5号鉢はミズゴケの分量が多くなり、水分過多になりそうだったので、発泡スチロールを粗く砕き、台所の流しなどに使う網に入れ口を閉じ、植え込み材料を調節しました。

5
、根を広げるようにミズゴケを株の根の下にボール状にして入れ鉢の中へ入れます。高さを決めたら周りにもミズゴケを入れていきます。この時深植えにはしないようにします。バルブの付け根に新しい芽を確認し、その芽が出るように植えます。
DSC08302photo by Yasunosukey(sony a6000)
年間の手入れ
置き場・・・植え替え直後は、窓辺に置き、よく日に当てます。夜間は冷えるので室内の奥に移動します。5月初めの頃、(目安として、八重桜が咲いた後くらいです。)最低気温が10度を下回らなくなったら、まず玄関などの外気に近い温度に1週間ほど馴らした後、日当たりのよい戸外に出します。冬は8度を下回るようになったら室内の日当りのいい窓辺に取り込みます。

肥料・・・植え替え後は室内では施しません。外に出した後に、ラン用か無ければバラ用の固形肥料を、2カ月に一度鉢のヘリに置きます。

水肥があれば2週間に1度、水遣り代わりに行います。7月以降は、肥料は施しません。7月以降も窒素分の多い肥料を与え続けると花芽が高芽に変わるそうです。

水遣り・・・植え替え後二週間はやりません。その後、室内では、乾いたら2~3日たってからたっぷりやります。

外に出した後は、乾いたらたっぷりやります。ちょっとくらいなら水遣りを忘れても結構大丈夫です。8月まではバルブが充実します。9月中旬からは水遣りを減らし乾かし気味にしていきます。

室内に取り込んでも花芽が見えるまでは控えめにします。冬場の水のやり過ぎは根腐れの原因になるので注意します。花芽が出来たら水遣りを増やしていきます。

我が家では2月中旬過ぎに花芽が膨らみます。

花付きを良くするには
日によく当てる
・・・日当りは、レースのカーテンくらいの木漏れ日くらいの光か、それよりやや強い光の中で育てます。

肥料・・・花が終わった後7月まで蘭用の肥料かバラようの肥料に加え水肥を水遣りがわりに2週間に1回程度与えます。8月以降は、肥料は与えません。

低温にあてる・・・気温が低くなり始める10月以降、8度くらいまで外に置き低温に当て、水遣りをミズゴケが乾くまで待ってからやるようにして花芽の形成を促します。

グリーンアイは、シンビジュームと同じ扱いをしています。低温に当たった後、シンビジュウムの花芽が伸び出す12月いっぱいくらい玄関に置いて、あと暖かい部屋で管理すると4月から5月にかけて花が咲きます。大体花芽を見つけてから慌てて部屋に移動する感じです。

高芽取り・・・充実したバルブには高芽が良くできます。高芽はバルブの養分をとります。高芽は外して新しい鉢に植えるか処分します。

根が鉢いっぱいになると花が咲く・・・シンビジウムもそうですが、デンドロビウムも根が鉢いっぱいになるころ花がいっぱい咲いているように思います。小さめの鉢で管理します。

害虫・・・ナメクジ、ダンゴムシ、ワラジムシなどが花芽を食べます。家に入れる時は鉢底をよく確認します。今年はヨトウムシも付きました。新芽や咲いた花をぼりぼり食べていました。初めての経験です。ヨトウムシはなんでも食べるんですね。
我が家のリビングはヨトウムシには寒すぎたのか、ある朝、床で伸びていました。稀に花芽にアブラムシが付くそうです。

病気
葉が黄変してボロボロ落ちる……秋、水やりをしながら低温に当てすぎると、葉に黒いっシミができ黄変して落ちます。対策として、温度5℃以下に当てすぎないない事、低温下での水やりは控える事。冬でも光に当たるように気を付けます。
葉が落ちてもバルブは切り取りません。葉がなくても花芽が出ます。

バルブが痩せて大きくならない……植え替えした後元気がなくバルブが痩せてしまったことがあります。植え替えの時根を切り過ぎ、その後水遣りをちゃんとしなくて根が伸びず、痩せたバルブになってしまいました。年が明けて花芽はたくさんできていつもの年より咲きました。その後は大きなよいバルブだけを選んで植えなおしました。

株を増やす
株を増やす方法として、株分けがあります。また、デンドロビュームは高芽が出来るので、高芽取りをして増やすことが出来ます。

高芽を植える
植えるのに適した高芽は、白い成熟した根が何本か出ていること、植えつけの定期は、新芽が動き出したころです。
20170318高芽Sony a6000
3月18日の写真です。根の際の新芽が動き出し、とんがっています。気温が上がればすぐに植えることが出来ます。
植えつけ

根を広げるようにして下にミズゴケを入れた後、それを巻くようにミズゴケで覆い鉢に植えます。この時、根の付け根の辺りに新芽を確認し、芽が出ているよう浅植えにします。
高芽を植えるphoto by Yasunosukey(sony a6000)
根を広げるようにしてミズゴケを入れます。
高芽の植えつけSony a6000
新芽は必ず出るよう浅植えにします。鉢は2.5号鉢です。
その後の管理は親株と同じように行います。
翌年は花が咲きます。
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2輪咲いた。かわいい。

ミズゴケ以外の資材でも生育は可能なのかただいま実験中です。
土の分量photo by Yasunosukey(sony a6000)
赤玉土と腐葉土で植えたデンドロビューム。用意した素焼き鉢は3号鉢。腐葉土と赤玉土小粒の粗いものを半々で。
土に植えた苗の根photo by Yasunosukey(sony a6000)
赤玉土と腐葉土半々で植えたこの株は4年たちました。肥料不足で、今年は花がふたつ。今頃花芽が出てきました。鉢から抜いたらこんな感じ。意外と枯れた根などはありませんでした。
DSC08336photo by Yasunosukey(sony a6000)
鉢底に網を敷き、用土とは別に腐葉土を1センチくらい入れた後に用土を入れ株の高さを見ます。高さを決めたら用土を入れます。新芽の伸びる場所を開けて植えます。
土に植えた苗Sony a6000
この時も、新芽が表面に出るよう浅植えにします。土は割りばしなどでつついてしっかり入れます。
水を吸わせるphoto by Yasunosukey(sony a6000)
鉢底からきれいな水が出るまで水で流した後、鉢皿に水をためしっかりと給水させます。水は室温と同じくらいが良いと思います。耳を近づけるとシュワシュワと水を吸う音が聞こえます。ちょっと面白いです。音がしなくなってから30分くらいしたら鉢皿の水は捨てます。ミズゴケで植えたものと違い株がぐらつきますので、支柱を立てます。
年間の管理は、ミズゴケで植えたものと同じです。
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翌年の花です。管理がイマイチでしたので、花は11個でしたが、私にしては上出来です。

私の成功と失敗
高芽にも花を咲かせようと大事にしていたら、高芽が充実したころ自然落下していました。

雑誌で、大株仕立てにした写真を見て真似しようとして、寄せ集めで大鉢に植えにしたら、冬にはほとんど干からびさせて、バルブが黄色くなってしまったことがありました。慌ててバラしていいバルブだけ植え直しです。

一年のサイクルで見ると、私は季節の変わり目などに特に体調を崩し、蘭の手入れは、夏以降あまりできません。その手入れできなささが、蘭の生育状況と一致していたようで、苦なく花が咲いていたことが、ちょっと体調良くなって、いつもより過保護にして高芽ばかりできて花が咲かなくなってわかりました。意外なことに苦笑いです。

植物は、順応性に優れ、いろんな環境の中でそれぞれ違う方法で育てられていても花を咲かせ、本当に丈夫だと思います。
1年、2年と時間は必要ですが、『育て方自分流』が見付かると苦なく本当に楽しいです。

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