今回は植え替えの手順と、私のオンシジウムの花咲かせ法を書きます。20161231オンシジュームsony a6000
12月31日の花
品種名:オンシジウムシャリーベビー
草丈:葉先までの高さ約30cm。花が咲いた時の高さ約1m。
特徴:花茎約3cm、花色チョコレート色。バルブを成長させ充実したバルブの両脇から一本ずつ花茎をのばし、1本の花茎に150個以上の花を咲かせます。冬の花は赤味が強く、夏の花は、薄くなります。花が咲くと、お菓子のようなあまーーい香りがします。
栽培場所:茨城県北部

オンシジウムシャリーベビー
については以前書きました。
今回は、実際に植え替え作業を行います。

植え替え
暖房されていない室温が12℃以上になったら植え替えします。
20170421植え替え前sony a6000
今回植え替えを行う株です。8年以上植え替えしていない株です。ふた株入っていますが、古いバルブは枯れてスカスカになっています。

用意する物

ミズゴケ、鉢皿など(ミズゴケを湿らせるのに使います。)、ハサミ(刃先を火で炙って消毒した物)、

素焼き鉢4号3個、鉢底に敷く網(台所の排水溝ネットでも可)

オンシジウムはバルブ3個でひと塊とし、バルブが6個以上に増えたものは株分け、それ以下のもので、バルブが鉢からはみ出したものは、一回り大きな鉢に植え替えをします。新しいバルブが成長を始めていても、そのバルブは数には入れません。鉢を大きくしたくない時は、バルブを3個か4個に調節して同じ大きさの鉢に植えます。

植え替えの手順
1、鉢から抜きます。
20170421株を抜くphoto by Yasunosukey(sony a6000)
根が張り過ぎて抜けません。鉢のヘリに沿ってカッターなどを入れ根を剥がします。
20170421株が抜けるphoto by Yasunosukey(sony a6000)
やっと抜けました。どうしても鉢から抜けない時は、鉢を新聞などでくるんで金槌で叩いて割って取り出します。

2、根鉢を三分の一ほど切り離し、古いミズゴケを取り除き、根を整理します。ある程度整理出来たら株分けです。
20170421株分けphoto by Yasunosukey(sony a6000)
バルブの付き方を観察し、バルブの数を3個ひとセットにして切り離します。新芽の数は数に入れません。
20170421株を分けるphoto by Yasunosukey(sony a6000)
3つに分けることが出来ました。

3、鉢底に網を敷きます。台所の排水用のネットを敷いています。ダンゴムシやナメクジの侵入を防ぎます。時にはゴキブリなどが侵入してミズゴケを食い荒らし住処にしていることがあるので、それを防ぐために網を敷きます。

4、根の下に球状にしたミズゴケをいれてから根をミズゴケで包むようにして鉢に入れます。
20170421植えつけ1photo by Yasunosukey(sony a6000)
20170421植えつけ2photo by Yasunosukey(sony a6000)
20170421植えつけ完了photo by Yasunosukey(sony a6000)
植えつける時に注意する点・・・植えつける時、新芽の伸びる部分をあけます。それから、鉢から飛び出したバルブは、斜めに伸びています。植えつけの時は、その新芽が、まっすぐになるように植えつけます。
DSC08768sony a6000
鉢の中ではバルブが斜めに入っていますが、新芽が浮き上がらないようにミズゴケを斜めに入れるなどして調節します。これは、新しいバルブが根を出し、栄養を吸収しやすいようにするためです。 
枯れた葉や黄色くなった葉は斜めに切り取ります。

5、
植え替え完了です。
20170421オンシジュームsony a6000
日中は日の当たる窓辺で管理し、夜間気温が低い時は室内の奥の方に移動します。

年間の手入れ
置き場・・・植え替え後は、レースのカーテン越しの、日のよく当たる窓辺に置きます。夜間はまだ冷えるので、室内の奥の方に移動します。5月、最低気温が12℃以上になったら玄関などに移し、外気となじませ、1週間くらいしたら外に出します。日光をよく当てることで花付きが良くなりますので、希望としては、レースのカーテンくらいの遮光した日光に当てることですが、私は玄関の脇とか、北側の胡蝶蘭などと一緒に置きます。外では、2時間は直射日光が当たります。
冬、室内ではレースのカーテン越しの光の中で育てます。

肥料・・・室内では施肥は致しません。外に出した後、ラン用か無ければバラ用の肥料を新芽の反対側に、2カ月おきに置きます。水肥は2週間に一度水遣り代わりにやります。10月以降は肥料分を切ります。
▲私が使っている肥料です。ペレット状になっていて、与えたい鉢に合わせて分量を決めやすい所が気に入っています。4号鉢では10粒くらいで、3号鉢は5粒くらいを新芽の反対側に置きます。
有機肥料は匂いや虫の発生などがあります。ベランダや室内で育てる時は、虫の出ない蘭用の化成肥料を使うといいです。

▲室内で便利な液体肥料。点滴タイプになっていて、分量を正確に与えることが出来ます。

新しいバルブが充実していると、花芽が出来ていることがあります。花芽が出ると休眠状態になりますので、肥料は施しません。わたしのはよく時期お構いなしに花が出るので、バルブの充実のために花芽を切ることがあります。咲かせるときは、肥料を与えません。

水遣り・・・植え替え2週間はやりません。その後は鉢の乾き具合を見てやります。ミズゴケが乾いてから2~3日後にたっぷりやります。外に出してからは、乾いたらたっぷりやります。冬場は、温度が保てないので、乾かし気味にしています。

花付きを良くするには・・・日光に当てること。バルブにしわが寄らないよう水の管理を行うことが大切だと思います。
通常の管理を行うと、花は1月2月ころに咲くそうです。わたしのは7月ごろ咲いています。花芽を付けると株は休眠状態になるので、肥料は施しません。水は十分に与えます。足りないと、花茎の伸びが悪く、花数も減り、せっかくできた蕾もしおれてしまいます。

害虫・・・花芽はナメクジが大好きです。アブラムシも付きます。花芽が見えたら即家の中に取り込んで、家の中で管理しています。また、秋に室内に取り込むとき、ナメクジなどの害虫がいないか確かめます。

病気・・・葉に黒い斑点ができる時があります。低温時、葉が水にぬれたままになっているとカビが侵入するそうです。最終的には黄変して落ちます。黒い斑点のある部分を切ります。水遣りの時は葉にかからないように注意します。

オンシジウムの増やし方
オンシジウムを増やすには、株分けで行います。株分けは、バルブが6個以上(新芽は数に入れません。)必要なので、それまでは我慢します。
植え替えしたときに残ったバックバルブ(古いバルブ)3個(葉が無くても大丈夫です。)を、根の下にミズゴケの球を入れから根を包むようにして鉢に入れておけば新芽が出てきます。新芽の出る場所は、新しい方のバルブです。(切り離したところ)そこの場所をあけて植えつけます。わかりにくい場合は、斜めにせりあがっている方がより新しいバルブです。
バルブ3個photo by Yasunosukey(sony a6000)
年間の手入れは、親株と同じです。

よく起きる失敗と対処方
バルブがシワシワ・・・水不足です。夏場は鉢が乾いたらたっぷりと水遣りをします。冬場は、温度が保てない時は、水は控えめにします。多少しわが出ても暖かくなり水遣り再開すれば回復します。

葉が・・・
1、黄色くなった・・・古いバルブの葉が黄色くなってやがて枯れて落ちるのは生理現象ですので問題ありません。が、葉が全体的に黄色っぽいのは肥料が足りないのかもしれません。定期に適量施します。また、あまりにも根根詰まりしていると、水遣りをしても十分に水が行き渡らず、肥料をやっても吸収できないかもしれません。6月中旬までには植え替えします。
2、葉に黒いしみ・・・葉にできた黒いしみは病気の可能性があります。健康なところを残し切り捨てます。
3、葉が垂れてしまう・・・水不足かもしれません。こういう場合はバルブもシワシワなことが多いです。植え込み材料が乾いたらたっぷりと水遣りをします。また、葉先が枯れてくるなどしますので、枯れた先の部分だけ切り取ると見栄えが良くなります。
4、葉が裂けている・・・強い風にあおられると葉が裂けてしまいます。台風などの時は室内か風の影響のない場所に移動します。台風の時、高いところから落下して、バルブが折れることもあります。

株がぐらぐらする・・・根腐れかもしれません。しかし、私は根腐れをさせたことががありません。いつも水不足で干からびています。それで、もしそうなったときの対処方として、私なら、鉢から抜いて根を見てみます。根が腐っていたら整理して新しいミズゴケに植えなおします。オンシジウムは多少寒くても大丈夫ですが、冬場に植え替えしたのなら暖かい場所で管理します。夏場は風通しの良い場所で管理します。

花が咲かない・・・
1、日光不足・・・遮光した光によく当てます。
2、10月以降も肥料分が残っている・・・肥料は10月以降は施しません。
3、水不足・・・水不足はバルブがシワシワになっているので分かると思いますが、花茎が出てから水不足にあうと、花茎は伸びないし、蕾が枯れて咲かなくなることもあります。蕾に霧吹きしたり、適度に水を与えます。

私の手間をかけない手入れ法
20170421オンシジューム (2)sony a6000
通常は、一株一鉢で植えます。これは、蒸れなどを防ぎ、植物が快適に生育できるようにするためです。

私は、手入れの手間を少しでも省くために、2株ずつ植えています。家の中に取り込んだり外へ運んだりと手入れが大変だからです。水遣りと肥料は、たぶん人より少ないです。お陰で蒸れないで育てることが出来ているのだと思います。その反面、バルブがシワシワになったり、時には花がいびつになったり蕾が枯れたり、数々の失敗をし続けています。

今回は、8年以上も4.5号鉢に植えたままになっていたので、なかなか抜けず、引っ張ったりカッターの刃を入れたりしたので、バルブが傷ついているのではないかと思って、一株ずつ植えました。元気に育てば、また2株一緒に植えようと思っています。
もう一鉢は、鉢を割って株を取り出しました。2株寄せ植えする時も、新芽の出る部分をあけて植えています。

バルブが充実したら、バルブの両側から花芽が出て、豪華な花を楽しむことが出来ます。花を楽しみに、手入れに励みます。

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