私たちの暮らしのすぐそばで、美しい黒い衣装をまとったアヤツはカラス。
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カラスは、庭に来る野鳥というべきか、柿の実が熟れると誰より先に見つけて食べてしまう、困った隣人です。そのカラス、よく見ると、色々な鳴き声を発して会話をしているように見えます。

賢くて獰猛なハンターのイメージを持つカラスが、庭の木をしきりに気にしています。やがて木に飛び移り青虫を捕獲、美味しそうに食べていました。とても満足そうなカラスを見て、カラスって私がイメージしている「悪」とは違うと思いました。それで、庭にも来るカラスを観察してみました。
木の上のカラスcyber-shot p100
公園の木の上で、割れたクルミをくわえていたカラス。「写真を撮らせて」と言うと、しばらくじっとして写真を撮らせてくれました。

カラス
くちばしが細く額がシュッと後ろの方に平たく細いのがハシボソガラス。主に林、農耕地河原などに生息しているそうです。随分前に、田んぼの広がる農村地帯で見かけた記憶がありますが、最近は見かけていません。
私の周りにいるのはハシブトガラスです。くちばしが太く、額が出っ張っています。海岸から山地や市街地にも現れ、ゴミなども漁ります。
電柱ののカラスCyber-shot WX70
ハシブトガラスの写真です。おでこが出っ張っていて、くちばしが太いのが分かります。

食事…雑食性。木の実、昆虫、小鳥、鳩などを襲い食べます。人間の出すゴミの中から、肉や魚、マヨネーズのような油の付いているものなどを食べます。学校の外水道にぶら下げた石鹸なども取ると言われています。
ガーデーナーにとってありがたいことは、コガネムシやカミキリムシなども食べてくれるということ。しかし、何時でもそうしてくれるわけではありませんが・・・
住処・・・公園、森林など
全長・・・57cm
留鳥・・・私の住む住宅街では、ハシブトガラスは繁殖時期には町中に出てごみをあさっていますが、子育てが終わるころは、ゴミを荒らすことも無く、自然の中で群れで生活しています。
体の特徴・・・黒い羽におおわれています。頭の羽毛は、ウサギや猫の毛のように細かくふさふさしていて、翼は、薄い金属の板でできているような精巧な作りで、光を当てると虹色に光る黒い羽をしています。くちばしも足も黒いです。たまに風切り羽にごくわずか白が混ざるのも見かけます。雌雄同色です。
繁殖・・・春から夏にかけて。高い木の上に木の枝を組んで巣をつくります。都会では電柱などに針金ハンガーを巧みに組み合わせ巣をつくる様子をテレビで見ますが、こちらでは森が多く、その様な巣は見ません。
観察場所・・・茨城県北部
4月広場をウォーキングcyber-shot p100 Yasunosukey
カラスはウォークングとホッピングの両方で地面を移動します。尾羽をフリフリしながら歩く後ろ姿がセクシー!
溝の落ちたものを見ているカラスcyber-shot p100 Yasunosukey
溝に落ちているものに興味津々のカラス。

カラスは嫌いな人を覚えている
子育て中の、特に4月~6月の頃、ゴミ収集日になると、ゴミの収集場所にカラスが群がります。毎回同じ場所でごみを漁るわけではなく、近隣の収集所を、何回かに一回でまわるようにローテーションを組んでいるような感じです。その時は10羽から20羽くらいになります。
ごみ収集の時に群がるカラスを写真を撮ろうとカメラを向けると一斉に飛び立ってしまいます。あれほど近所中で大変な思いしてカラスを追っ払っていたのに、カメラを向けただけでいなくなってしまいます。
6月カラスsony a6000  Yasunosukey
一目散に逃げるカラス。
それからカラスが来るたび写真を撮ろうと試みますが、残念ながら逃げられまてしまいます。たとえ1羽でも10羽でも逃げてしまいます。そのうちカメラが無くても私を見ると逃げてしまいます。それは服の色を変えていても逃げるので、カラスは、カメラを猛禽類の目と勘違いして逃げているのではなく、私という人間が嫌な人間だという認識を持ったということがわかります。
ゴミ収集時を狙うカラスCyber-shot WX70
電線に止まりこちらの様子をうかがうカラスたち。

カラスは怪力の持ち主

私の住む団地では、カラスにゴミを散らかされないようネットを掛け、そのネットの端をゴミ袋で抑え、レンガやゴムの重たい板などで抑えます。厳重に掛けたネットを、たった一羽のカラスがネットを外し、ごみ袋に穴をあけ、中のごみを出して食べます。驚きのパワーです。カラスがごみを出すのを電線の上から見ているのはスズメです。スズメにとってカラスは天敵ですが、カラスのおこぼれを虎視眈々と狙うスズメも面白いです。

カラスはなぜ鳴くの?カラスは色々な鳴き方で仲間と意思伝達をしている(あくまでも個人的見解)
カァーカァー。カァカァカァ。アッァーアッァー。アーアー。ポエポエポエ。ガァーガァー。グルル・・グルル・・
カラスはいろんな声色で会話をしているように見えます。この声の表現は、個人的にそう聞こえるというものを文字にしました。実際はもっと複雑な鳴き方をしています。

嵐の後、カラスは仲間と鳴き交わしています。遠くまで行き渡る澄んだ声で、カア、カア、カアと鳴くと、どこかからか同じように声が聞こえます。何度か声を交すと静かになります。お互いの無事を確かめあっているのではと、勝手に想像しています。
電線のカラスsony a6000
ゴミ収集の時、高い電信柱の上で、カァー、カァーと、高らかに鳴くカラス。すると他のカラスが集まってきます。

カラスが死んで道路に横たわっている上で大勢のカラスが集まって鳴いていることがあります。仲間意識が強いカラスだから仲間の異変を悲しんでいるのかと思いました。

カラスは、個体によって声色が違います。観察するようになると、個性的であることに気づきます。相変わらずカラスには嫌われていますけど。

カラスは目がいい
カラスは紫外線で識別するので、半透明のごみ袋でも中身を見て、やってくると言われます。ゴミを出すときには、新聞紙などに包んだり、においなども漏れないようにして出すと、ゴミは荒らされにくくなるそうです。
黄色い色は判別しにくいとされていましたが、黄色い網で覆っていても剥がして中身を引っ張り出しています。
目で識別するだけでなく、人間の行動も観察しているようです。
屋根のカラス2Cyber-shot WX70
5月初めにカラスのつがいが2軒向こうの家の屋根で互いをグルーミングしていました。(羽繕い)それがとても珍しかったので、写真に収めようとレースのカーテンをそーっとレンズの出る隙間を開けた途端逃げられてしまいました。鳥類は人間の何倍もの視力があると言われます。うらやましい視力です。

天敵撃退は夫婦力を合わせて
子育ての時期には、カラスはよくトビとバトルを繰り広げています。トビもカラスも同じ獲物を狙います。また、カラスの雛も、トビの雛もお互いの獲物でもあります。
3次元でのバトルは迫力があります。大抵カラスは仲間で力を合わせて天敵のトビを追い払っています。それはとても執拗で、相手に戦意が無いのを確かめるまで攻撃を止めません。
カラスとトビのバトルsony a6000 phot by Yasunosukey
大きい方がトビで小さい方がカラスです。この日は、カラスのつがいでトビを追い回していました。
カラスも個体差があって、大きいのから小さいものもいます。トビも同じく個体差がありますが、大体はトビが大きいです。
DSC04238Yasusony a6000 Yasunosukey
トビの写真です。トビとカラスを見分けるのは、下から見たとき、翼角のところに白い模様があるのがトビです。
※翼角・・・風切り羽のカクンと曲がったところ、頭側。

子離れ親離れ

7月から8月にかけて、子別れの時期になります。一羽の若鳥を(ひな鳥も真っ黒で、見分けがつきませんが、大きさが違ったので多分雛だろうと思いました)、二羽のカラスが追い回して縄張りから追い出そうとしていました。カラスの追い方は厳しく、空いっぱい使って激しく追い立てていました。
その儀式が終わると静かになり、ゴミ収集所でカラスを見かけなくなります。その後は、自然の豊かな所で数羽の群れを見かけます。
秋のカラスsony a6000
数羽で群れて過ごすカラス

庭に来るカラス
庭に来たカラスは、春、スズメの雛を、巣立ちの頃を狙って襲い掛かります。ゴミ収集所も見張っていないと四方八方にゴミをまき散らします。秋は、やっと実が熟した甘柿を真っ先に食べてしまいます。本当に困った鳥さんです。

ただ単に見ようと思ってみていない時は、このような感じでしたが、カラスは体が大きい分食べるものもたくさん必要で、夏、庭にいる昆虫なども食べています。冬は、私の手の届かない高い場所にある昆虫のさなぎや、庭中に蔓を伸ばして植物を縛りあげて困っている山芋のムカゴなど食べ、庭の助っ人として大活躍です。
人がいたら警戒して降りてきません。カラスは、人に嫌われていることを良く知っています。
駐車場のカラスcyber-shot p100
駐車場でクルミと格闘していたカラス。
公園などに行くと、カラスはのんびりと芝の上を歩いるのを見かけます。そのカラスにカメラを向けても、家の前のごみ収集所のカラスのように慌てて逃げることはありません。
11月公園のカラスsony a6000 photo by Yasunosukey
広い森の片隅で生活しているカラスは、人に気兼ねする必要のないことを知っているかのようです。

1羽のカラスが、隣の家の二階の雨樋いにたまった雨水を美味しそうに飲んでいます。雨上がりの青い空に、カラスの羽が緑色に光ります。
また鳥たちの子育ての季節がやってきました。今年は、どれくらいの写真が撮れるか、楽しみです。


鳥の名前や特徴を調べるのにお勧めの本

▲鳴き声を収録したCDが付いていて、鳥の声しか聞こえない時でも調べることが出来ます。図鑑の写真も綺麗で、亜種も紹介され、野鳥好きにはとても見ごたえあります。

▲身近な鳥をシルエットだけで判別したり、羽の形で見分ける方法など書いています。個体で見ると模様や形で間違えるはずがないと思っていても、自然の中で一瞬前をよぎった野鳥を判別するのは意外と難しいものです。そのような時にとても役に立ちます。野外で見つけた鳥を、名前がわかれば更に野鳥好きになります。

私の使っているカメラ



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