新築したばかりで家のローンを払い始めたころ、この土の、シャベルのひとすくいでいくらだろう・・・土の中の小石や前の家の瓦の欠片やらを拾いながら考えました。お金を掛けずにいい土にし、花いっぱいにする方法はないものだろうか・・・

厄介者の生ごみがヒーローになるまで
毎日出る台所の生ごみ。ゴミ収集日までちょっと同居したく無い臭いです。しかし、そんな生ごみさんがとても必要とされる場所があります。それは、庭の固い土です。私の庭の広さは約4m×11mです。家を建てるため表面の土を1メートルほど削りました。家を建てた当初は、栄養分の無い固い土で覆われていました。そこへ毎日生ごみを埋め続け、ようやく一通り植物の育つ庭となりました。
2007年の庭
2007年の庭、庭の土づくり12年後。
2010年の庭
2010年の庭
20170524メインの庭
2017年の庭。ここ3年は庭の手入れが出来ませんでした。しかし、土づくりのおかげで、とりあえず花は咲いてくれます。

1、コンポストを使う
生ごみを簡単にたい肥にするには、コンポストがあります。コンポストを選ぶポイントは雨水が入らない設計のものを選びます。
庭にコンポストが3分の1ほど埋まるように設置し、そこへ生ごみを投入します。ただ生ごみだけを入れていくとヘドロ化して悪臭もします。ヘドロ化を防ぐには、米ぬかを入れるといいです。また温度が低いと虫が発生します。発酵し、虫や悪い菌を発生させない温度が必要です。野菜の水はよく切って、鶏糞、油粕、米ぬかなどを混ぜるといいと思います。生ごみと言っても、ミカンの皮は酸性が強いので入れていません。それと、肉や魚は油と塩分があるので入れていません。
コンポスト
庭の東側、犬走近くにコンポストを置きました。雨の日もぬれずに生ごみを投入できます。


私のコンポストは、冬に虫が発生します。外気温が低すぎて、コンポストの中が生ぬるい状態になり、虫に居心地のいい温度になるのかもしれません。冬の間は、ジョービタキがその虫を毎日退治しに来てくれます。
ジョー君狩りをす
2、生ごみをただ庭に埋める
毎日出る野菜くずを、庭のあちらこちらにただ埋めるだけでも大変効果があります。時々、食べた後のヨーグルトの容器を洗って、その洗い水をかけて埋めます。また、糠がある時は、糠と混ぜたりします。結構、早く分解されます。よく生ごみを埋めている場所は土もフカフカしていて、分解も早いようです。逆に、初めて埋める所は、土は固いし、1週間経っても埋めたままの生ゴミです。固い土は、まだまだ良い菌も少なく、分解する力が少ないんだと思いました。

3、庭の草をたい肥にする

抜き取った草や、剪定した枝、木の葉も大切なアイテムです。庭の一角に積んでおくだけでも、分解され、一年後にはさらさらした状態になっています。木の根周りに入れたり、地表部が枯れてしまう植物の寒さ除けにするのもいいと思います。しかし抜いた草は木の根元、特にコニファー類の根元には置かない方がいいです。分解された草や葉はコニファーの根にもフカフカで過ごしやすい状態ですので、どんどん根っこが草の堆肥を独占してしまいます。

自家製堆肥の使い方
花壇や畑に埋める
台所の生ごみさんが堆肥に変化しつつあります。庭にはコンポストは2個あります。2個くらいではすぐにいっぱいになり、中途半端な仕上がりでも庭に埋めなければなりません。サイクルは大体6ヶ月です。生堆肥を埋めた場所に植物を植えたいときは、30センチ以上掘って生堆肥を埋めてから、土を戻した上に腐葉土などを混ぜて植物を植えています。次回堆肥を埋める時は、前回の堆肥が植物を植えてもいい状態になっています。天地返しで上の方に上がって来ます。
注意すべき点は、この不完全な生堆肥は鉢土に混ぜないこと。また、庭に入れる時は、植物の根に当たる場所に入れないことが大切です。不完全ですから根を痛めます。必ず植物の根の届かない所に埋めます。
スイカ
スイカ
インゲンマメ
インゲン豆
庭の一角に作った畑(1.5m×2m)には、毎年冬になると筋状に深く穴を掘りコンポストの堆肥を入れています。野菜が良く育ちます。

庭に穴を掘り草や木の枝を埋める
庭に大きな穴を掘って、その中に、剪定した庭木の太い枝でもなんでも入れて、その上から、コンポストの不完全堆肥を全部入れて、上から土をかぶせるという方法があります。一年に一回から二回、穴掘りをしてこんな作業をしていました。穴は、約1m×1m×1mです。固くて掘れない所もありましたが、大体庭は全部掘っています。次に掘った時は太い枝も跡かたなくボロボロになっていました。
20050926庭掘り
季節の変わり目は雑草や剪定した木の枝を掘った穴に埋めていました。

土づくりの友
良い土にはミミズが住んでいると言われます。私の庭にはたくさんいます。鉢の中にも侵入して根を食い荒らしてしまうことがあります。
落ち葉を分解してくれるダンゴムシとワラジ。彼らは実によく働きます。しかし、仕事が無くなると、鉢の花を分解し始めます。
友の居る庭であることも、良い土の証だとすれば、私の庭は申し分なくいい土です。

土づくりに関しては多くのガーデナーさんが、自分流の素晴らしい方法を持っていらっしゃいます。小竹幸子著の「オーガニックの美しい庭づくり」で、植物の良く育つたい肥の作り方を詳しく紹介しています。この本からいろいろ学びました。

それから、「NHK趣味の園芸」でも良い土の作り方を紹介していますので、ご覧なるといいと思います。

生ごみをたい肥にする時に助けになるもの
前述していますが、改めて私が便利に使っているものをいくつかあげます。
1、米ぬか・・精米所で無償でもらってきます。次に精米にする時までの、使う分だけ袋に入れてきます。生ごみに混ぜるほか、追肥の時に使ったり、余ると庭にばらまきます。

2、食べた後のヨーグルトや納豆・・・容器を洗って生ごみに混ぜます。腹に良い菌は土にもいいはず、なんて思いながら。

3、腐葉土、堆肥、油粕、鶏糞など・・・コンポストに生ごみと一緒に混ぜたり、穴を掘って生ごみを埋める時に混ぜたりします。栄養豊富な土になります。肥料を入れて作った堆肥は、植物を植える時に分量に気を付けます。



完熟腐葉土に完熟堆肥を使うことの大切さ
私は、私が作った自家製の堆肥は、鉢には絶対に使いません。不完全で臭いし、小さい鉢の中でまだまだ発酵してしまうかもしれないからです。限られた鉢の土で生きる植物には、できればお店で腐葉土などを買って使う方がといいと思います。
しかし、お店で売られている腐葉土の中に、葉っぱの形かまだしっかり残っているものがあります。値段も安く、つい買いたくなります。買ってもいいのですが、すぐに使いたいときは、小々高くても完熟腐葉土を買った方がいいと思います。堆肥についても気をつけた方がいいと思います。

完熟かどうかを見分けるポイント・
・・完熟腐葉土は、葉の形が残っていません。さらさらしていて赤玉土などと混ぜたときに、均等に混ざります。完熟堆肥も、匂いがあまりなくさらさらしています。逆に不完全なものはかなり臭いがします。

知らなくて失敗してしまった

安い牛糞堆肥を買ったら、完熟ではありませんでした。でも、大丈夫と思って、大好きなユリを植えました。すると、土の表面に緑色のアオコみたいなものが発生し、ドロッとした感じになりました。ユリはその鉢だけ元気なく小さかったので、すぐに抜いてみてみると、球根を支える根が腐ってなくなって、養分を吸うための根も黒く変色していました。ひどい臭いもしていました。新しい清潔な土に植え替えて無事生き返りました。
今まで、赤玉土、腐葉土、牛ふん堆肥、バラ用の肥料少々元肥としてを混ぜ、植えていて失敗したことが無かったのですが、この時以来、鉢に混ぜるものには気をつけるようにしています。
スカシユリ
庭植えのユリは、近くに野菜を植えていますが、肥料分など気にしなくても元気に育ちますが、用土が限られた鉢には特に、土を吟味して使う必要があると思いました。

生ゴミの減量と堆肥化を促進してくれるアイテム
生ゴミを直接混ぜて堆肥化してくれる商品が次々発売されていますが、どれをどのように使えば良いのか分からず、買ってみたものの効果がよくわかりません。
体調がすぐれず、生ゴミを庭に埋められない時は、生ゴミとして出すしかありませんでした。もし、生ゴミ処理機が有れば・・・



最近気になっている生ゴミ減量乾燥機。庭に埋める時に乾燥していると早く堆肥化することができるし、果物や堆肥に向かないネギ類などを乾燥させて燃えるゴミに出す時も重宝しそう。
ゴミ処理機を買ったら、自治体から補助金が出る場合が多いらしい。なんとか手に入れたいと思っています。
こちらは、屋内設置タイプ。

まとめ
以前は体力とやる気に任せ、穴を掘り土を運び石を拾い頑張りましたが、この頃は、そればかりでは出来なくなりました。知恵を絞り、今までと同じように庭を美しく保ちたいと思いました。しかし、そんなに頑張らなくても、私なりに私の花を咲かせればいいじゃないの??と、考えを変えたら、適当が出来るようになりました。
土づくりも、無理なくできることを探して自分なりにアレンジしてやればいいと思い、自分に出来るように、少しずつやっています。また、土は、時間がたつと固くなるのが自然の摂理のようです。雨が降り、地震で揺すられ、固く締まっていきます。これからも毎日ちょびっとずつ、良い土を作り、好きな花を植え、庭を進化させていきます。

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