2月から3月の上旬は鳥たちにとって最も過酷な時期です。木の実が無く春の芽吹きにはまだ早いこの時期は、餌がなくなり飢えてしまうものも少なくありません。
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20190209ツグミsony a6000
2月9日雪の日のツグミ、秋は果実が豊富ですが、今は、落ち葉の下の虫やミミズ、庭に落ちた柿の皮などを食べています。

鳴き声で季節がわかる
秋は冬鳥たちの特徴的な鳴き声が聞こえます。
例えばジョービタキは、秋「ヒィーヒィーカッカッ」という鳴き方をします。縄張りがはっきりすると、「カッカッ」という鳴き方はせず、「ヒィ、ヒィ、」というわずかな音量で鳴きます。
ジョービタキ
1月、庭の柿の木に来たジョービタキが「ヒィヒィ」と鳴いていました。試しに「ヒィヒィカッカッ」と鳴きまねすると、ジョービタキはとたんに落ち着きを無くし、「ヒィヒィカッカッカッ」と鳴き出しました。尻尾は上下に激しく動かし、後ろを向いたり前を向いたり、何度も鳴きながらとても警戒した様子でした。(鳴き方は雌も雄も同じですが、個体差はあり、庭に来るたび「カッカッ」鳴くものもいます)

秋に渡って来る鳥や、市街地に現れる鳥たちが、独特の鳴き声であたりに自分をアピールするのは、縄張り宣言をしていることがわかります。
ジョービタキの他に、モズも雄雌関係なく縄張りを主張します。縄張りがはっきりするとあの「百舌の高鳴き」と呼ばれる「キーーーッ、キッキッキッ」とカン高い声で鳴いていたモズとは思えないくらい静かです。
20171103百舌雌
高い所であたりを警戒しながら鳴くモズのメス。

静かな時期こそ食料が乏しく、鳥たちは難儀していると言えます。

庭で食料調達する野鳥たち
12月ごろまでは、木の実なども残っていますが、年が明けて更に寒さが厳しくなってくると木の実も食べつくされて、冬眠中の虫を見つけにくくなり、雪の中からわずかばかりの食料を探し出さなければなりません。
ヒヨドリキンカンを食べる
キンカンを食べに来たヒヨドリ
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地面に落ちたムカゴを食べているキジバト
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柿の皮も大切な食糧です。スズメやヒヨドリ、ツグミなども地面に降りてきて食べます。
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柿のヘタに残った僅かな実を食べに来た雀
万両の実sony a6000
千両は特にジョービタキが、万両は鵯が食べます。
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千両の実を食べに来たジョービタキの雌。頭に雪がのっかっています。可愛いですね。
190209ジョウビタキsony a6000
地面に降りて、土の中の虫も食べます。このようにして見るとジョービタキは周りに溶け込んだ羽色をしています。寒いので体が真ん丸です。
また、生い茂った枝の間に隠れて越冬している虫も、ウグイスやメジロなどの餌になります。
ウグイスsony a6000
ウグイス。いつもやぶの中を餌を探して飛び回っているので、こんな風に姿を見せるのも珍しいです。しばらく写真を撮らせてくれました。秋にはよく「ジッ、ジッ、ジッ」と鳴いているので分かりやすいですが、1月あたりからは鳴いているところを見ません。出会ったらラッキーです。
メジロ背伸びsony a6000
バラの枝に止まり背伸びをしてこちらを見ているメジロ。目白は時期関係なくよく鳴いています。つがいはいつも2羽で行動しているように見えます。独身らしきものは数羽で雀の群れなどと一緒にいるところを見ます。

食糧難解消のためのチョー簡単バードフィーダー
リンゴの皮・・・リンゴの皮を細かく刻んだものもいいです。
ヒヨドリの番とツグミCyber-shot WX70
ヒヨドリのつがいとツグミとがンゴの皮を食べにきます。時にはスズメも一緒になる事がありますが、体の大きな鳥がいると、体の小さい鳥たちは遠慮することが多いです。
針金に差したミカン
ミカンsony a6000
立派なバードフィーダーが無くても、人間には食べられないくらい酸っぱいミカンでも、鳥たちには大切な食糧になります。ヒヨドリやメジロが食べます。
つるしたミカンは、窓のすぐそばで、最初は警戒していましたが、一週間もすると、こちらが見ていてもかまわず食べに来ます。
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針金に差したキンカンはヒヨドリがあっという間に食べました。
千両の実を啄むヒヨドリsony a6000 photo Yasunosukey
お正月に飾った千両の実は、2月、庭に出します。するとあっと言う間にヒヨドリが食べてしまいます。

その他、庭の作業を始めるとジョービタキが待っていましたというように庭に降りてきて、掘り返した土の辺りで何かを啄んでいます。人が庭から去ると、スズメもすぐにやってきます。土の中に隠れた虫を食べに来ます。2月になるとスズメノカタビラが芽を出し、早いものは種が出来ます。それも雀の食料になります。

春の予感
2月、鳥たちは食糧難を、経験と知恵でしのいでいます。しかし、季節は春へと向かいつつあることも鳥たちは知っています。
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冬、雀たちは一か所に集まってさえずる姿を見ます。私はこれを「スズメの集会」と呼んで、この集会が始まると冬はもうすぐ終わりだと感じます。大体30~50羽、あるいはそれ以上。よくさえずりにぎやかです。
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電線の上でもまとまっています。丁度、自転車が通り過ぎ、びっくりして飛び立ちました。
2月になると、雀たちは巣の場所を探して活動を始める者もいます。

ヒヨドリがピーヨという切り裂くような鳴き方から、バルバルバルという鳴き方に変わります。
20170303ヒヨドリの番sony a6000
ヒヨドリのつがい。ヒヨドリは隠れたおしどり夫婦、いつも一緒にいてお互いを羽繕いしている姿をよく見ます。
野鳥の行動や鳴き声で、暖かな春の風が、もうすぐそこまでやって来ているのがわかります。

鳥の名前や特徴を調べるのにお勧めの本

▲鳴き声を収録したCDが付いていて、鳥の声しか聞こえない時でも調べることが出来ます。図鑑の写真も綺麗で、亜種も紹介され、野鳥好きにはとても見ごたえあります。

▲身近な鳥をシルエットだけで判別したり、トンビかカラスか分からないという時、この本はとても役に立ちます。個体で見ると模様や形で間違えるはずがないと思っていても、自然の中で一瞬前をよぎった野鳥を判別するのは意外と難しいものです。そのような時にとても役に立ちます。野外で見つけた鳥を、名前がわかれば更に野鳥好きになります。

私の使っているカメラ




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