庭には色んな生き物が暮らしています。その中に小さい体で、何を食べて生きているのか分からないものがいます。その小さな虫の生態に近づいてみます。

寄生する虫たち

我が家で見かける虫の中に寄生することによって命を繋いでする者がいます。

アオムシサムライコマユバチ
寄生する虫
体調は約3mm、小さくてはっきりしませんが、サイバーショットでギリギリ姿をとらえました。

名前の通り青虫に寄生します。青虫の体内に卵を産み幼虫は青虫を食べて成長し、やがて体から這い出し、集団で這い出した青虫の周りに固まって繭を作り成虫へと羽化します。
寄生された青虫は、コマユバチがさなぎになる前に動きを止め一生を終わります。

庭にはアブラナ科の(はつか大根、小松菜、チンゲン菜など)を植えています。4月になるとモンシロチョウがやって来て卵を産みます。やがて卵はかえり、青虫が葉を食べ大きく成長します。
普通なら食草のあるところでさなぎになる場所を探しますが、寄生された青虫は山茶花の葉や柿の葉にやって来て動きを止めます。2mくらいでも登ってきます。

モンシロチョウの羽化を楽しみにしている時は、悲しい出来事となります。

庭で何度も見て、気持ち悪いので写真を撮ることが出来ませんでした。これ、悪夢でうなされる時によく見る虫絵巻の図、ひえぇぇぇーーーーーーー!!!!

アオムシコバチ
アゲハやモンシロチョウに寄生します。寄生されたさなぎは羽化することはありません。
キアゲハさなぎにに
キアゲハがさなぎになろうとしているまさにその時、背中に黒い影が・・・
背中にはアオムシコバチがいました。小さくて気付きませんでした。
羽化できず
寄生されたさなぎは羽化できず、そのままからだけが残りました。

家を建てた最初のころ、パセリを作ってもキアゲハの幼虫に食害されることはありませんでした。月日が経つと、どこにパセリを植えようと食害されました。そして庭にはいつもたくさんのキアゲハが我が庭と言わんばかりに舞いました。外見では「楽園」のようですが、パセリを食べたい私としては、あまり歓迎できませんでした。
しばらくしてキアゲハが庭で羽化しなくなりました。そして、全くキアゲハのいない時期がありました。
数年前から再びパセリを食べつくされるほどキアゲハが来るようになりました。すると昨年はまたキアゲハの羽化が減りました。
原因は、このコバチではなかろうかと密かに考えています。それだけではないとは思いますが、かなりそうだと思っています。

クロハラヒラタヒメバチ
クロハラヒメヒラタバチ1
体調17mmの虫です。チョウやガの幼虫に卵を産みます。
クロハラヒラタヒメバチ2
お尻に卵管らしきものがあります。

コマユバチの仲間かもしれない
こちらも寄生するコマユバチの仲間らしいですが、名前がわかりません。ずっと前に何かで読んでうろ覚えです。
2181008寄生する虫1
そのうろ覚えの中身を書きます。
ヨトウムシやチョウの幼虫がだらりと溶けたように垂れさがっているのは、コバチが卵を産み付けたからだと言います。幼虫を食べて成長したコバチの幼虫たちは、集団で草などにマユを作ります。
寄生する虫のさなぎ
庭には丁度サツマイモのツルが伸びて、足の踏み場もない状態でした。そして、この白い綿の様なものがたくさんありました。

白い綿の様なものが繭です。この繭の中にはたくさんのコバチのさなぎがいて、羽化を迎えると、綿から黒いコバチがぷりぷり量産されます。

以上、この綿の様なものの正体について書きました。分かり次第加筆いたします。

まとめ
ここに書いたものはほんの一部です。緑色に光った体をしたものや、長い卵管を持つものなども見かけます。小さすぎて写真を撮りにくいものばかりですが、今年の夏は何とか写真に撮って生態を調べたいと思っています。

寄生虫、一見すると恐ろしいですが、天敵と言う名で農業の害虫対策にも使われるほど私たちの「食」とも結びついています。

クモが増えるとクモを幼虫の餌とするキンケハラナガツチバチが増え、やがてクモは数えるくらいに減少します。
キンケハラナガツチバチ2
キンケハラナガツチバチ
21081002クモを捕らえる
クモを捕らえて巣に運ぶ、キンケハラナガツチバチ。

キアゲハも同様、増えると寄生する虫が現れるのではないかと思います。
同じ植物だけを植えると同じ虫が増えるのも、生態系の歪みではないかと思います。コンパニオンプランツ、助っ人の存在、上手く働くいい庭にしたいですね。

生き物の世界って面白いですね。

参考図書:学研版学習科学図鑑「昆虫2」

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