正月の床の間に飾ってあった千両の実を庭に蒔いたら、春には芽を出し、冬にたくさんの実をつけるようになりました。
千両20161129
やがて、お花屋さんで買わなくても庭で取れた実で正月飾りを賄えるようになりました。

赤い実はまた、鳥を呼びました。ヒヨドリは千両の実を食べに毎年庭にやってきます。そのヒヨドリのお礼が、黄色い実をつける千両と赤い大きな実をつける万両でした。
黄色の実の千両20161201
黄色い千両

20191212
千両より大きな実をつける万両



千両の育て方
種まき
種まきの基本は、柔らかい実に包まれた種は、外側の実を洗い流してから植えます。千両や万両もそうした方がいいと書いてありますが、私は千両が生えてほしい場所にただ赤い実を蒔いておくだけです。
種蒔き2
こんな感じでパラパラと多めに蒔きます。赤い実を見つけて野鳥が食べてしまうこともあるので、チョットだけ土をかぶせて隠しておくとさらに安全です。すると艶のある双葉が芽を出します。
発芽したての芽
芽が沢山出過ぎたら適量抜いて育てます。

千両発芽20161129
千両発芽して1年目
万両発芽20161129
万両今年発芽した芽、万両はゆっくりと成長します。

万両はだいたいヒヨドリの種まきにお任せします。その時も必要なところだけ残し後はすべて抜いています。

千両を増やすには、種を蒔く以外に枝をの節の部分を地面に伏せておくだけで根が伸びてすぐに実のなる苗を手に入れることができます。枝を伏せる時に石などで固定しておきます。春に伏せておいた枝は9月半ばに根が出ているか石を退けて軽く枝を引いてみます。抵抗があれば根が出ています。

植える場所の注意
日当りの良すぎる場所は葉が傷んだり、葉の色が黄色っぽくなります。半日蔭くらいが良いと思います。

実をたくさんつけるには・・・
梅雨の頃に花が咲きます。雨に当たると花粉が流れ、受粉が出来なくなります。雨にあてないように工夫します。
千両20161202
肥料について

施したことがありません。が、バラの近くの物は十分に栄養を取っていると思います。バラには油粕や骨粉などの混じった肥料を与えています。


20161203施肥の違い
左がバラの近くで肥料分のある所の物、右は肥料分のない所の物。
左側は葉も実も深みのある濃い色になり、草丈も左が120cmくらいになります。また、夏はバラの葉の下になり、冬は前の家の影になります。それに対し右は、太陽がさんさんと降り注ぐ場所にあり、肥料分はありません。そのためか、葉の色が黄色がかり、実が少しだけオレンジ色に見えるところがあります。草丈は80cmくらい、実の大きさも左に比べ若干小さいように思います。

株が弱るのは・・・
枝を切ると、すぐ下の節から枝が発生します。しかし、毎年実付の枝をたくさん切り続けると、株が弱って新芽を出さなくなります。新しく種まきして株づくりをするか、枝を切るのは三分の一くらいにして枝を残すようにすると続けて実をつけます。

万両の育て方
種まきやその後の管理は千両と同じです。
万両が千両と違うところは、千両が葉の頂点に実をつけるのに対し、万両は葉の下に実をつけることです。万両は毎年実をつけながら上に成長し、下葉がなくなり、足元は寂しくなります。そういう時は思い切って切り詰めます。好みの高さにバッサリといっちゃいます。すると、脇から芽をだし、低い位置で実をつけるようになります。
20161202万両剪定あと
何年も前に剪定しました。切った下から芽が出て実をつけました。地際からも新しい枝が出て実をつけました。

木を更新する方法に「取り木」という方法もあります。ずいぶん昔にやったので、思い出しながら書きます。
4月下旬〜5月の頃に、枝の下幅1センチくらいカッターナイフなどで皮を剥き、湿らした水苔を巻いてビニールひもなどでぐるぐる巻きます。その上からさらにビニールで包むようにして水分の蒸発を防ぎます。水苔の量は握り拳ぐらいの大きさです。

2ヶ月くらいして根の出ているのを確認したら、鉢に植えます。実のなる高さを自分で決められるので綺麗な形を保つことができます。
この方法は面倒で最近全くやっていません。

植え替えについて
千両も万両も根が荒いので、根を切るのは危険と思って、庭の千両や万両は植え替えはしたことがありません。ずい分前に駄温鉢に赤玉土と腐葉土を混ぜた土に種まきをし、乾かさないよう鉢皿に水を溜め発芽させました。その後、鉢皿の水を捨て、20cmくらいになったら鉢土を落とさないようそのまま庭に植えました。とても手間がかかり、体調を崩してしまうと、この方法は失敗するので、今は増やしたい場所にひたすら種まきをします。


鳥対策
実が赤く色づき始めると鳥たちがやってきます。正月飾りに使う分は、鳥に食べられないよう早めに網をかけます。

切り花にするのは茎の太いものを選びます。細いのは水あげが悪く、すぐにしおれてしまいます。

万両の実は特にヒヨドリが好んで食べます。種を取りたいときは網をかけておくとよいです。

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お正月の花生け花に飾った千両

飾った後の千両の実は鳥のえさになります
お正月飾りに使った千両や万両は、2月になるとそろそろ傷んできます。そういう時は、枝を束ねて木に縛りつけたり地面に置いておくと冬場の野鳥の餌になります。
つるしておくと翌朝には無くなっています。

しぼんだ種
しぼんだりした種は、株の更新用に種まきに使います。実がたくさんつき出すのは2年後辺りからなので、それを見越して蒔くといいです。

日本の山野草
夏の間、日陰をみずみずしい緑で楽しませてくれた万両

万両のみ食べられる
冬枯れの庭に赤い実が彩を添えますが、やがてヒヨドリの腹を満たすことになります。

日本の植物千両万両の面白いところ

我が家では切り花として飾ると、床の間のが大体2カ月持ちます。洗面所は4カ月ほど実をつけたままです。ある年、水の入れ替えなどまめにしていたら、6カ月も実がついて葉も活き活きしていました。そのうち千両に飽きて他の花を飾りたくて捨てました。恐るべし千両の生命力です。
千両も万両も日本の植物、どこに植えても逞しく育つので、特に手入れを忘れてしまう家の裏側などに植え、少ない手入れで素敵に日陰の庭を作れるのではと、種蒔きに精を出しています。


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