台所の生ごみを埋めてフカフカにした庭で、大好きなバラをたくさん植えて楽しみましたが、知識が浅く、中には弱ってしまうものも出てきました。それにはどんな訳があるんでしよう。植物が元気よく育つにはフカフカの土だけではないことに気付きました。
庭のバラ
2012年の庭

植物が好きな土の酸性度を知る
さて、土づくりと共に知るべきことは、土の酸度です。大体でも良いから、これを知らないと、せっかく堆肥も肥料もしっかり入れているのに、植物はうまく育ちません。植物は中和された土から、弱酸性、酸性の中で育ちます。さて、その植物を、私の庭にある植物で大まかに区分してみます。
中性・・・野菜類、パンジー、ヤグルマギク、百日草、ベゴニア、チューリップ、フリージア、ユリ、クレマチス、ゼラニウムなど
弱酸性・・・バラ、ツツジ
酸性・・・ミカン、ブルーベリー
160618紫陽花sony a6000 photo by Yasunosukey
紫陽花はあまり地質を選ばないそうですが、赤系の紫陽花は、石灰を入れると綺麗に発色するそうです。

知らなくて失敗していた
悲しいバラ・・・冬になるとミカンの皮を刻んで、バラの根元に埋めるということを繰り返していました。台所ゴミは良い肥料になるという信念に基づき。ミカンの皮を埋めていたバラは年々元気が無くなり、シュートどころか、小枝もひょろひょろとしていて短く出ては黒点病で葉を落としてしまい、7年目の夏、幹を押すと抵抗なく倒れました。倒れたバラの根は黒くなって、ほとんどありませんでした。厳しい酸性のミカンの皮を埋め続けたためにバラが弱ってしまったのではないかと思いました。
腹の根元にミカンの皮
バラの根元に置いたミカンの皮、時々一緒にリンゴの皮も、それらは冬のヒヨドリの餌にもなりました。

一人前になりたいキンカン・・・逆に、野菜を植えている近くに植えたキンカンは毎年葉が青々と茂り実が付きません。周りには真っ白に石灰を撒いて中和したから、木には良くなかったのだと思いました。

悲惨なブルーべリー
・・・20年くらい前の事です、当時の私は、赤玉と腐葉土に石灰混ぜて油粕と牛糞小々混ぜると何でもよく育つと思い込んでいました。そして、そのような土に植えたブルーベリーは、直射日光はだめで水が好き、土は湿り気のある土で育てると思い、日陰に置き、朝晩水遣りをして根を腐らせてしまいました。

植物によって肥料が違う
何を目的として植物を植えるかによって施す肥料を変えなければなりません。それは百も承知ですが、私には全てを使いこなすだけの知力体力がありません。それで、すべてに使える肥料と補助的に使う肥料を4種類くらい用意しています。
2012年の庭
2012年の庭 バラは有機質に富んだ弱酸性の土が好き。

いつも庭の倉庫にある肥料
バラ用肥料(骨粉入り油粕)・・・植物の根や葉、成長に役に立ちます。バラ、蘭、ユリ、ホスタなどに与えています。

草花用緩効性化成肥料(窒素10リン酸10カリ10マグネシウム1)・・・花を沢山楽しみたい植物に与えています。ゼラニウム、ベゴニア、オリズルラン、ホスタなどに与えています。

マグアンプK・・・鉢花全般の土に混ぜて使っています。根が触れても傷まず、ゆっくり効く肥料です。

化成肥料(窒素8リン酸8カリ8)・・・野菜用肥料として買います。庭植えの花に、植えつけ時、土に混ぜています。大きいプランターに花を植える時、少し使う時もあります。パンジー、百日草、ヤグルマギクなど。
こちらの商品は窒素6リン6カリ6の他に、苦土石灰、油粕などの有機成分が配合されています。
また、最近は、トマトなどの尻ぐされに効くカルシウム入りの化成肥料もあります。作る野菜によって、袋の裏などに書かれている成分表を見て買うと良いです。

液体肥料・・・鉢物の植物に元気をつけたい夏場の水遣り代わりに使います。蘭、バラ。もったいないので他の植物にはあまりやりません。
液体肥料は、肥料成分表を見て買います。与える植物によっても薄める濃度に気を付けます。特にランなどは、成分表に従って与えます。

その他有機質の堆肥

腐葉土・鶏糞・牛糞など・・・野菜を作る時に地面に直接まきます。バラの寒肥としても使います。使う時、使う分だけ買ってきます。
灰、籾燻炭・・・灰は、トマトを植えた時、株元に撒きます。尻ぐされ病の予防になります。籾燻炭は、バラの鉢底に5cmくらい入れて植えると、根の張りがとてもよくなり、病害虫に負けにくいいい株になるような気がします。地植えのバラの寒肥の時も少し混ぜ込みます。
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月に一度、一つかみ灰を株元に撒くだけで尻ぐされ病の予防になり、おいしいトマトが食べられます。

肥料は多く施すと、肥焼けにより根を傷つけ、植物を枯らしてしまう時があります。いつももう少し与えたいけど、という感じで少な目にしています。肥料の与え方で花もそれなりですが、花を咲かせるのも大変だろうし・・・なんて思うわけです。

知らなくて失敗した
ゼラニウムにバラ用の肥料をやり、葉や茎ばかり茂り花が咲かなくなってしまいました。「おかしい、肥料やったのに、おかしい・・」と首をかしげること2カ月余り。その後、草花用肥料を与えてしばらくしたら花を咲かせました。
デンドロビウムにシンビジウムと同じようにバラ用肥料を10月まで与えていたら、高芽ばかり出て花が少なくなりました。デンドロビウムは8月からはカリ分の多い肥料に切り替えなければ花芽も高芽に変わってしまうそうです。

隣り合わせの植物に気を付けよう
肥料や酸度、日当り、風通しも植物にとって重要なポイントになります。それから普段目にしない土の中の事も考えなくてはなりません。根の張りが凄すぎて近くの植物が育たない、なんてことになってしまいます。

23年前、庭づくりを始めたころ、コニファーブームで、それはそれは、コニファーに関する本はたくさんありました。コニファーと一緒に植えられたバラの庭を紹介する本がたくさんありました。私も、コニファーのシュッとした姿に惚れてたくさん植えました。一番は、場所取りする木はバラが植えられなくなるから嫌だった、からでもあります。
2004年家の西側
2004年、家の西側の通路。
ゴールドクレスト1本とエレガンテシマ2本を植えて3年目です。ゴールドクレストは風で傾き、2006年に切りました。エレガンテシマは大きく育ちすぎて2008年に切りました。この通路のこの景色が好きだったのですが、残念ながらこの状態を長く保つことが出来ませんでした。
2017年10月西側の通路sony a6000 photo by Yasunosukey
2017年10月現在の西側の通路。17年前に手作りしたパーゴラは白アリに食べられ柱1本が無くなったので取り除きました。

2004年の庭
2004年の庭。一番左側、ゴールドクレストを植えて3年目、成長が早く1年で1mから1.5m伸びます。買った時は1.5mだったの木が、3年目には3メートルを超えていました。根が荒く5年目に台風で倒れたので切りました。

今現在は、残ったコニファーが、庭の肥料を全て吸収せんばかりの勢いになっています。犬走近くのバラの所まで根が来ています。バラの根の張る場所も無くなりガチガチにコニファーの根が張りまくって、バラは、追肥をしても以前のように花を咲かすことが出来なくなりました。
2017年庭
今年、かろうじて咲いたコニファーの近くのバラ。去年の寒肥は土が固くなり過ぎて、肥料は地表に撒くだけになってしまいした。
11月の庭sony a6000
現在の庭。特にここに3年でバラの勢いが無くなっていきました。
コニファー根がびっしりsony a6000
コニファーの根が地表まで出てきています。バラに肥料をやりたくても穴を掘ることも出来ません。
20171031した葉が枯れたコニファーsony a6000
植えてから16年のコニファー、蒸れて葉が茶色くなったり樹形が乱れてしまいました。

コニファーひと口メモ
コニファー類は鉢植えにすると大きさが制限されるそうです。形よくまとめるには、新芽のうちに摘み取るようにすると良いそうです。庭植えに見せたいときは一回り大きな鉢を埋め、その中に鉢ごと入れると、庭植風になるそうです。2~3日に一度回転させ、全体に日光を当てるとさら樹形と葉の色が良くなるそうです。また、回転させることによって、根が地中に伸びるのを防ぐことが出来ます。増やしたいときは、頂点の枝を15cm~20cmくらい切り挿し木をすると、幹がまっすぐの木が出来るそうです。(園芸雑誌、テレビなどからの情報により)

まとめ
フカフカの土でバラを植え始めたころはよく育っていましたが、木については、知識がまるでなかったので、写真の様な変遷をたどるハメになりました。地中の環境にも気を配るべきでした。

自分が作りたい庭をイメージして、木を選ぶと、後で切り倒したり抜いたりしなくてもよくなります。しかし、たくさん本を読み、調べても、実際自分の庭に植えるとまた違うことも多々あります。一番は、ご近所では、どのような木が植えられて、どれくらいに育つのかを考えながらお庭を見ると参考になるのではないかと思いました。お庭の方に、手入れの方法など伺うと、より素晴らしい庭が出来るかもしれないですね。

「木の物は木に返せ」と友達の家の庭を綺麗にしている植木屋さんがおっしゃっていました。また、「木を植えるなら花は植えるな。花を植えるなら木を植えるな」ともおっしゃいました。理に叶った言葉だとつくづく思います。
しかし、花好きは、足の踏み場がたとえなくなろうと、まだ植える場所があると、ついつい思っています。だから、木の根元だろうが、空いていれば何かしら植えたくなってしまいます。植物の酸度など考えもせず、花の色や葉の形で分けるものだから、育ちすぎたり花が咲かなかったりしてから、「まずかった」ことに気付きます。
植物の忍耐強さに感謝しつつ、これからも花作り野菜作り鳥観察など、庭での遊びを楽しみます。

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