バラの2番目花が花盛りと言いたいところですが、咲いたそばから散ります。
昨日は、今年初の30℃越えです。今日も30℃越え、恐ろしく蒸します。

5月までに大繁殖していたヨトウムシはいったん羽化し、ゼラニウムやムシトリナデシコなどの花がまともに咲いています。代わって食害をし始めたのがナメクジ、カナブン、ハムシ類です。ナメクジはもう、ものすごいです。家の裏に置いたランまで食べに来ちゃうので、夜の見回りは欠かせません。
地面のナメクジに気を取られている間に、頭上ではあの恐ろしい怪獣が密かに私のバラを狙っています。

バラの天敵、ゴマダラカミキリムシ
20180627カミキリムシ (2)
6月27日に捕獲したゴマダラカミキリ。体は小ぶりで約3cm。
20180628カミキリ捕獲 (2)

6月28日に捕獲したカミキリ。立派な体格で約4cm。

カミキリムシは日本に約170種くらいいると言われています。朽ち木を食べて成長したり、生木を食べたりして木を枯らしてしまう原因を作ったりします。

中でもゴマダラカミキリムシは大型で、私が庭に来てほしくない最も厄介な虫です。私の庭のほとんどのバラはこの虫に食べられてしまいました。毎年挿し木をして、バラを庭から無くさないようにしていますが、挿し木が育ち、ある程度大きくなると被害に遭うという感じです。
最初にこの虫を見た時はきれいだなぁ・・・と手に載せて眺めて、虫籠に入れてバラの茎をごちそうしていましたが・・・・

この厄介で美しい虫の正体を探ります。

彼らがよくあらわれる場所
成虫は、新しい枝の皮が大好きです。現れるのは5月末から8月頃までで、ちょうどバラの時期に重なります。来年のための新しい柔らかい枝を食べます。我が家では特に、アシナガバチの巣のそばにいるような気がします。アシナガバチがいると天敵(人間)は近づかないとでも思っているのか、厄介です。

今朝、開いたばかりの花を摘むために庭に出ると、メアリーローズの2番花の蕾を持った新しい枝をかじられているのに気づきました。かじられたばかりの枝はみずみずしい部分があります。時間がたつと茶色になり、枯れたり、太い枝はそのまま生きることもあります。この枝は、残念ですが枯れてしまいます。良い芽の上で切り捨てます。
20180628メアリーローズかじり跡
周りにいる・・・そう感じて辺りを見渡すとーーーいました、立派な体躯をしたゴマダラカミキリ。
20180628ゴマダラカミキリ虫
ゴマダラカミキリはこんな感じでバラの枝に張り付いています。
20180628カミキリ隠れ身の術
隠れ身の術!意外と見つけにくいものです。下から撮りました。

カミキリムシの捕まえ方
カミキリムシは体が重いのですぐに飛ぶことが出来ません。いったん下に落ち、歩いて安全な場所まで逃げます。派手な模様のように見えますが、植物が密集していたり枝が入り組んでいると見つけにくいです。

簡単に捕まえる方法として、透明のビニール袋をカミキリムシのすぐ下に広げ、上から枝をポンと叩くと袋の中に落ちて捕まえることができます。袋に入れてしまえば逃げられる心配がなくつぶすのも簡単です。

ビニール袋を用意していない時は、軍手かバラ用の皮の手袋をしていると安全です。しかし、いつでもフル装備でいるとは限りません。素手で捕まえることの方が多いと思います。その時は、噛まれないように気を付けます。

素手で捕まえる時
は、背中側から羽根の部分を強く持ちます。軽く持つと反転して攻撃されます。

ビンや鉢の受け皿などがある時は、その中に追い込みます。ふたがある時はふたをして逃げないように運びます。
カミキリムシの捕まえ方図
ビンや鉢の皿などに入れたカミキリムシは、縁まで上がってくると飛んで逃げてしまいます。ふたがあるものは蓋をして、鉢皿は揺すって縁に這い上がらないようにし、潰すまでは気を抜かないようにします。
捕まえたカミキリムシは低い位置からコンクリートなどの硬い所に置き足で踏みます。高い位置から下に落とすと飛んで逃げます。
捕まえたカミキリムシは、ケースに入れて飼育しない限りは全て潰します。仏心で放すと、ちゃっかり庭のバラを食い散らかし、根元に卵を産み付けられてしまいます。

いろいろな状況で遭遇するカミキリムシ、すぐに対応できるといいですね。

カミキリムシのいる時間帯
一日中います。私は9時ごろに庭に出ますが、そのころにはすでに羽化して枝を食べています。捕まえるのはそのころです。夜中、羽音を響かせて飛んでいるのを何回か見ましたが、残念ながら夜は見つけることが出来ません。暗闇に紛れると見つかりません。

カミキリムシの好物
カミキリムシは、バラの枝、特に柔らかい立派なシュートなどをかじって枯らしてしまいます。
20180627カミキリムシに食べられた枝
6月27日撮影。食べられて直ぐの状態。風で折れてしまいました。
20180628パットオースチン食べられた枝
6月28日、パットオースチンの蕾の下を食害。
20180627食べられたツルバラの枝
6月27日撮影。ツルバラの枝を食害。強風で折れて枯れました。

カミキリの産卵場所
十分食べた後は、根元に降りて地際の太い幹に産卵します。
卵がかえり幼虫になると、通称テッポウムシと呼ばれ、体の色はカナブンのように白っぽい色をしていて約4cm、太さは5mm位で平べったい感じをしています。頭の部分が大きいです。テッポウムシは成長するにつれ幹の中を食べ、空洞にしていき、カミキリムシに羽化するころにはバラが枯れてしまいます。
20180627カミキリムシに食害を受けたバラ
ピエールドゥロンサールの挿し木。鉢で育てると木バラのように咲かせることが出来、大好きなバラです。その根元に大きな穴が。テッポウムシ2匹を育てたこのバラは枯れてしまいました。

バラの他には、楓、ツキヌキニンドウ、オカメヅタなどが被害に遭いました。樹液をたくさん出すものには産卵しないように見えます。

テッポウムシの防除と挿し木
カミキリムシの幼虫に幹を食べられたバラは、枯れる前には子孫を残そうと、いつもにもましてたくさんシュートを出し花を咲かせ種を作ろうとします。
20170628バラの根元
株の状態を観察してみると、普段よりやたらシュートが出る、しかも細いのばかりと思うと大抵バラの足元にはおがくずの様なテッポウムシの食べたカスがあります。

この食べカスを見つけたらすぐに針金を差し込んで中のテッポウムシを殺します。おがくずが出ているあたりを注意深く見ると、小さい穴が見えますから、そこから針金を差し込みます。針金を差し込んで引きずり出すことが出来れば最高です。その後にその穴の中の方を消毒した方がいいです。

羽化した後に空洞が出来ますが、太い枝だけなら切ってしまいます。根元を食べられたら、冬の植え替えの時に、被害部分を最小限に切って消毒し、他の虫の住処になるのを防ぎます。

私のツルバラ・ピエールドゥロンサールはシュート一本テッポウムシが羽化して、シュートの3分の1だけつながった状態でしたが、10センチほど土をかぶせたら切れた場所から根を出して、新しい株が出来た感じになりました。
これはまれな場合で、たいていカミキリムシが羽化した後は木が枯れます。

もう一つしておきたいことは、良い枝を挿し木しておくことです。丈夫なバラであれば挿し木で付きます。翌年、親株が枯れてしまっても、挿し木を育てると、時間はかかりますが、良い花が咲きます。細い幹には、カミキリムシは産卵しません。幹が立派になるまでは安心して花を楽しむことが出来ます。これは挿し木で作った株の利点です。
挿し木のバラ
挿し木で育てたバラ。手前白・粉粧楼、ピンク・チャールズ・レニー・マッキントッシュ、赤・スカーレットオベーション、奥の白・スノーバード。これ全て親株はカミキリムシの被害に遭い枯れてしまいました。でも、挿し木してあればとても立派な美しい花を再び見ることが出来ます。

カミキリムシに産卵されない方法
カミキリムシに産卵されない方法は、地植えは接ぎ木の部分より10センチくらい深く植え、足元は網で覆っておくと被害が少なくなります。シュートが出る時期は、シュートの出た所は網を切りシュートを伸ばします。
20180628網を掛ける
雑な巻き方ですが、5月に慌てて台所の排水ネットを巻きました。今年のシュートは食べられてしまいました。去年もシュートを2本かじられて、残念な状態です。食害に遭わないようにするのは至難の業です。

鉢のバラも太い幹に産卵します。網でガードします。鉢植えは、カナブンの幼虫に根を食べられて枯れてしまうこともあります。網はカナブンの産卵を防ぐ役目もあります。
実下記の虫が羽化した後
網を巻くのが一足遅れてしまったバラ。挿し木をしました。

カミキリムシやテッポウムシの被害を防ぐには、見つけたらすぐに捕まえて潰すほうが一番だと思いました。

愛しいバラたち
出会いがあれば別れがある・・なんて、そんな、私は出来た人間ではないので、バラが枯れたら悲しすぎます。それで、毎年冬の剪定の時に出た枝を挿し木しておきます。今年の一月は寒すぎて挿し木が霜柱で何度も持ち上がり、根付き始め物まで枯れてしまいました。こういうことは初めてです。今年は、枝がしっかりしてきて挿し木できるようになったら、暖かい間に挿し木をしてみようと思っています。
紫陽花とバラのアレンジ20180523
バラと紫陽花5月23日撮影。バラ・コンスタンススプライ、ピエールドゥロンサール、チャールズレニーマキントッシュ、クイーンオブスエーデン、ワイフオブバース。紫陽花・墨田の花火。アイビー
gardenroses
6月21日撮影。2番花をビンに挿しました。淡いピンクはクイーンオブスエーデン。花びらを数えたら102枚ありました。濃いピンクはメアリーローズ、赤はスカーレットオベーション。

バラの庭を夢見てバラを植えて、友だちとも苗の交換でバラの品種を増やし、理想の庭に近づきつつありました。しかし、このカミキリムシの出現で、バラは年々減るばかり。追い打ちをかけるように、コニファーの立派過ぎる成長。現在は、理想とはかけ離れた状態になってしまいました。
自分にもできることが必ずある・・・とバラに関しては、しつこく、諦め悪く考え続けています。

以前犬を飼っていた時は、愛犬が見張りをしてくれていたのか、虫の被害は少なく、カミキリムシを庭で見ることもありませんでした。人間には真似のできない俊敏な動作で、カナブンやガを一撃で捕らえる愛猫ソラも、庭の平和を守っているのかもしれません。
もっと虫の生態をしり、寄せ付けない方法を考えなければと、思います。

まだまだ続く虫との闘い・・


カミキリムシについてもっと詳しく知りたい時は、鈴木知之著の「新 カミキリムシハンドブック」をお勧めします。日本にいるカミキリムシの写真がバッチリ。虫たちがどこでどのように生活しているかがわかれば、対応も容易です。

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