イラガの他にも恐ろしい毛虫はまだいます。その中にチャドクガというのがいて、その棘に刺されるとかぶれ、ひどい時には病院で手当てしなければならないほど。そんな恐ろしい毛虫の早期発見について書きます。

2018年9月16日に書いた記事を加筆修正しました。

観察場所・・・茨城県北部
気温と気候・・・-7℃~35℃(2018年)。冬は雪が少なく乾燥していて、夏は湿度が高く、海からの霧があり更に湿っぽくなります。

チャドクガ
チャドクガの幼虫9222020
チャドクガの終齢虫。約3センチ。

チャドクガ
椿類に発生する毒を持つ毛虫
毛虫の大きさ・終齢虫2.5~3.0センチ。全体的に黄色の体に黒い点が縦に並んでいる。毛が長い。
成虫・羽を広げると約3センチ。羽の色はベージュで、茶色の模様が入る。上羽の先端に小さい黒い点2つずつある。とまっている時の形はハゴロモウンカを大きくしたような形です。
発生時期・6月と9月。卵で越冬

早期発見で被害を減らす
卵は6月と9月に椿類の葉の裏に産卵します。卵はベージュ色の毛でおおわれています。卵をおおう毛にも毒があります。産卵があった場合、枝ごと切り取って焼き捨てるか袋に入れて燃えるゴミに出します。
幼齢虫は葉の上に並んで葉を食べているので。枝ごと切り取って袋に入れ燃えるゴミに出すか焼き捨てます。

食欲旺盛です
食欲旺盛であっと言う間に木は丸坊主になります。夏葉がすべてなくなってしまうと木が枯れてしまうことがあります。木が枯れてしまわないように、早めに駆除をします。

庭で被害に遭う植物

椿、山茶花、サカキ

20130329
椿・・・チャドクガから守るため鉢で育て、花の時はリビングで楽しんでいた椿にも、5月、卵を発見。卵の状態で見つけることが出来たので、良かったですが、少ない枝がさらに減ってしまって残念でした。

20171103山茶花
山茶花・・・大きく育ってほしいと願っていた山茶花に、2018年8月たくさんのチャドクガがふ化しました。これも枝をバッサリ落としました。

さかき20190913
サカキ・・・サカキは枝を使います。茂るようにして育てています。天敵のアシナガバチが巣をつくらなくなったころから虫が発生するようになりました。


卵の見つけ方
チャドクガは年に2回発生します。特にそのころ、6月、9月は、しっかり葉を観察します。葉の裏に黄土色(キャメル色)の毛の付いた直径3mmくらいの綿毛は、チャドクガの卵です。
チャドクガの卵
一見すると、ナシやリンゴなどの赤星病のように、葉の病気かと思うような感じです。

卵を取り除く方法
用意する物・・・使い捨てゴム手袋、ハサミ、卵を入れる袋、マスク

作業の進め方
卵を覆う毛にも毒があります。絶対に素手で触らないようにします。卵のある枝ごと切り取り袋に入れてゴミに出します。卵は動かないので、葉だけ切って袋に入れてもかまいませんが、周りをよく観察して、取りこぼしの無いようにします。


幼虫の見つけ方・取り除き方
初期の段階・幼齢虫
チャドクガの幼虫は、小さいうちは葉の上で並んで食事をします。
20180812チャドクガ幼虫
こちらはだいぶ大きくなっていますが、まだ集団でいました。

取り除く作業の進め方
危険です、絶対に素手では触ってはいけません、必ずゴム手袋に長袖シャツを着用して、安全に作業を進めます。まだ広範囲に広がっていないので、付いている枝をそっと切り離し、袋に入れて口をしっかりしばり、ゴミに出します。

20180812
袋を二重にして日のさんさんと当たる所に、ゴミの日までの2日間置きました。

大きくなった毛虫・終齢虫

チャドクガの毛虫ふ
終齢虫は単独で食事をします。葉の表や裏にいて、見つけるのは容易ではなくなります。また、終齢虫になると脱皮をしていますので、脱皮をした毛にも注意をしなければなりません。

取り除く作業の準備
マスク、手袋、ハサミ、割りばし、毛虫を取り除いた時に入れる大きめのビニール袋。なるべく肌を露出しない服装で作業します。

葉のかじられた所から探します。表にいなくても裏に隠れていることがあります、割りばしなどでそっと裏を見ます。毛虫がいたら枝ごと切り取り袋に入れます。近くに脱皮したカスがあります。これも必ず取り除きます。取った毛虫は袋に入れ、口をしっかりしばり燃えるゴミに出すか、焼却処分します。


葉の食べ跡を目印にして探すと見つけやすい
椿類の木の葉を食害する幼虫の例
チャドクガ・・・葉の縁から食べる
イラガ・・・葉の縁から食べる
ミノムシ・・・葉の中心を裏から食べる
ホタルガ・・・葉の表面を削り食べる

ミノムシは毒はありませんが大発生すると葉が穴だらけになってしまいます。葉の裏にいて食べます。気になるときは取り除きます

ホタルガの幼虫は9月ごろに椿類の葉表にいて葉の表面を食べます。体長約2センチのずんぐりとした虫です。あまり毛はありません。体の色は黄色に黒とグレーのおしゃれな縦じま模様をしています。危険を感じると体から液体を出し、それが皮膚に付くとかぶれます。

幼虫の食べ方などを観察して覚えておくと、葉を見ただけで幼虫の存在がわかり、すぐに対処することが出来ます。見つける時の目印にもなります。


チャドクガの天敵
虫では、コマユバチ類が寄生します。スズメバチ類、アシナガバチ類などが餌とします。

鳥では、ウグイス、メジロ、シジュウカラ、カッコウ、ホトトギスなどが食べるそうです。

しかし、天敵頼みにしていては、つまりスズメバチなどの危険な蜂にまでお願いしなければならなくなり、更に命の危険まで感じることになり、本末転倒ということになります。それに、すべて取り尽くしてくれるわけでもありません。その間に危険な毛虫が、狭い庭中を歩き回ってしまいます。脱皮した毛にまで猛毒があるというのだから、やはり早めに取り除く以外ありません。

手に負えないほどになったら業者さんに頼むという方法もあります。


チャドクガの被害に遭わないために
20171103山茶花春雨錦
普段から葉の表裏をチェックします。それと同時に、枝の剪定をします。うっそうと茂っていると、虫は繁殖しやすく、繁殖していても見つけにくいです。椿や山茶花は6月頃までに花芽を付けるので、その前には剪定で株姿を整えながら、風通しを良くし、虫の繁殖を抑制します。

サカキは枝を使うので、いい枝振りに育っています。毎月2回以上、また、6月9月は特に葉の裏表を神経質なほど見ています。

危険から身を守るためには、よく行く公園やご近所の庭の植栽も知っておくといいと思います。繁殖時期は気を付けると被害は減ります。

イラガについての記事は⇒「こちら」から見ることが出来ます。さなぎ、幼虫の見つけ方などを書きました。

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