カマキリは庭にいて私の花たちを害虫から守っています。・・・なんてね、そんなわけではありませんが、カマキリがいることにより、庭で害虫たちが自由気ままに植物を食害してしまうことを防いでくれます。いわば、ガーデニングの助っ人です。助っ人としてみたときのカマキリは、実によく働くありがたい存在です。そんなカマキリさんに敬意を表しつつ、カマキリの、夏の庭での過ごし方を見てみます。ここで取り上げたカマキリは、ハラビロカマキリです。
観察場所・・・茨城県北部
気候と気温・・・-7℃~35℃(2018年)。冬は乾燥していて夏は湿度が高いです。8月は海からの霧も加わり更に湿度が増します。今年は秋雨前線が頑張っています。
カマキリの庭仕事
6月、カマキリの子供たちが卵からふ化します。ひとつの塊に100以上もの子供がいます。
sony a6000 photo Yasunosukey
玄関前に置いた木箱に卵、たくさんのカマキリが下の方から出てきました。餌となる虫がたくさん発生したころにカマキリの子がふ化するようになっています。
sony a6000 photo Yasunosukey
沢山の小さい体、でも1匹ずつちゃんと足があって目があって小さい口もあって、生きているなぁ・・・と感動します。
ふ化をしたらそれぞれ単独で生活を始めます。
Cyber-shot WX70
7月5日、ユリの花の上で。腹の先端を上にあげているのはハラビロカマキリの幼虫。
sony a6000
7月25日、姫ヒマワリの上で
Cyber-shot WX70
7月29日ゼラニウムの花の上で。
カマキリの餌・・・昆虫の幼虫や成虫。あの恐ろしい毛虫、アメリカシロヒトリも食べるそうで、ますますカマキリ様様です。小さいうちはアブラムシも捕食します(小さいときしか観察できませんでした)。
カマキリの天敵・・・鳥、トカゲ、ネズミ、猫や犬など
カマキリは、捕食者であると同時に捕食される側でもあります。芋の葉の上をアゲハの幼虫を狙ってゆっくり近づくカマキリを、空からは鳥が狙い、さらに芋の葉の下の方でトカゲが狙っています。これが庭の掟です。
庭で観察したカマキリ
カマキリ・・・緑色の体をしています。全体細身でメスは8センチ前後。
ハラビロカマキリ・・・名前の通り、お腹が横に広く、ぷっくりとしています。体は全体緑色で7センチくらいあります。庭で一番目にするカマキリです。卵はベージュ色で円筒型。
ウスバカマキリ・・・あまり見かけませんが、時々見ます。全体薄い緑色で、5センチくらい。秋に大人だったということがわかるほど、他のカマキリより細く小さいです。
コカマキリ・・・枯れ枝によく似ています。じっと見ていると、風に揺れている枝のふりして体をゆらゆら揺らします。カマに縞模様があります。羽にもシミの様な斑点があり、地味な色で、落ち葉の上で暮らすにふさわして体色です。生活する場所は落ち葉の上。

コカマキリの写真です。コカマキリとヒメカマキリはよく似ていますが、カマの部分が縞模様になっているのがコカマキリで体色がやや濃いです。ヒメカマキリはカマの部分に縞模様が無く、カマの長さも、コカマキリよりも短いです。
8月過ぎるころは体が5cmくらいになっています。あんなにたくさん生まれたのに、姿をあまり見かけません。
秋になると一層食欲が増し、体も大きくなります。たくさんの栄養が必要になります。
Cyber-shot WX70
9月18日、アゲハの幼虫を捕食しながら大きくなるカマキリ。アゲハの観察をしていた私にとって、アゲハの幼虫を捕食しているのを見た時は残念な気持ちでしたが、カマキリにとっては大事な食糧です。
sony a6000
10月23日のカマキリ。すっかりお腹が大きくなっています。この時期になると庭ではほとんど姿を見かけません。羽があるので別の場所へ移動していたらいいなと思います。
この時期になると雄と雌がはっきりわかります。雌はお腹がぷっくり大きくなって、雄より大きな体をしています。雄はシュッとしていて雌よりずいぶん小さいです。

10月30日ハラビロカマキリ。カメラを向けるとカマキリはじっとしていましたが、翌日バラの葉を食べていた全てのチュウレンバチの幼虫が姿を消していました。チュウレンバチもやっつけてくれるって期待していいのかな、しかし、時すでに遅し、バラの葉はすべて食べられています。
秋になりました、夏の間たくさんの害虫駆除に努めたカマキリたちは、卵を産んで、次の世代に命を繋ぎます。カマキリは卵で越冬します。卵は冬の鳥たちの餌になる事もあるので、見つからない所に産みます。

2016年の暮れに、お正月の花を生けるために千両を切るとカマキリの卵がありました。卵の付いた枝は外部から見にくい所に針金で止めて置きました。
2017年秋、バラの枝に卵を産んでいるカマキリに遭いました。産卵しているところに出くわすことは初めてです。卵の色が黒っぽいのが気になりました。カマキリは卵を産んだ後もしばらくその場にとどまっていましたが、3日目にはいなくなっていました。残念ながら、翌年、その卵からはカマキリは生まれませんでした。
虫の世界は単純で、水車の回るごとく、季節が廻れば自然の摂理に従い生まれては消えるを繰り返しているとばかり思っていましたが、中には生まれないものもあると知りました。
色々あって今年もまた秋です。最後のお仕事、あのにっくきヨトウムシもやっつけてもらって、たくさん子孫を残してください。翌年も皆さんの子供たちが庭でよい働きをすることを願っています。
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観察場所・・・茨城県北部
気候と気温・・・-7℃~35℃(2018年)。冬は乾燥していて夏は湿度が高いです。8月は海からの霧も加わり更に湿度が増します。今年は秋雨前線が頑張っています。
カマキリの庭仕事
6月、カマキリの子供たちが卵からふ化します。ひとつの塊に100以上もの子供がいます。

玄関前に置いた木箱に卵、たくさんのカマキリが下の方から出てきました。餌となる虫がたくさん発生したころにカマキリの子がふ化するようになっています。

沢山の小さい体、でも1匹ずつちゃんと足があって目があって小さい口もあって、生きているなぁ・・・と感動します。
ふ化をしたらそれぞれ単独で生活を始めます。

7月5日、ユリの花の上で。腹の先端を上にあげているのはハラビロカマキリの幼虫。

7月25日、姫ヒマワリの上で

7月29日ゼラニウムの花の上で。
カマキリの餌・・・昆虫の幼虫や成虫。あの恐ろしい毛虫、アメリカシロヒトリも食べるそうで、ますますカマキリ様様です。小さいうちはアブラムシも捕食します(小さいときしか観察できませんでした)。
カマキリの天敵・・・鳥、トカゲ、ネズミ、猫や犬など
カマキリは、捕食者であると同時に捕食される側でもあります。芋の葉の上をアゲハの幼虫を狙ってゆっくり近づくカマキリを、空からは鳥が狙い、さらに芋の葉の下の方でトカゲが狙っています。これが庭の掟です。
庭で観察したカマキリ
カマキリ・・・緑色の体をしています。全体細身でメスは8センチ前後。
ハラビロカマキリ・・・名前の通り、お腹が横に広く、ぷっくりとしています。体は全体緑色で7センチくらいあります。庭で一番目にするカマキリです。卵はベージュ色で円筒型。
ウスバカマキリ・・・あまり見かけませんが、時々見ます。全体薄い緑色で、5センチくらい。秋に大人だったということがわかるほど、他のカマキリより細く小さいです。
コカマキリ・・・枯れ枝によく似ています。じっと見ていると、風に揺れている枝のふりして体をゆらゆら揺らします。カマに縞模様があります。羽にもシミの様な斑点があり、地味な色で、落ち葉の上で暮らすにふさわして体色です。生活する場所は落ち葉の上。

コカマキリの写真です。コカマキリとヒメカマキリはよく似ていますが、カマの部分が縞模様になっているのがコカマキリで体色がやや濃いです。ヒメカマキリはカマの部分に縞模様が無く、カマの長さも、コカマキリよりも短いです。
8月過ぎるころは体が5cmくらいになっています。あんなにたくさん生まれたのに、姿をあまり見かけません。
秋になると一層食欲が増し、体も大きくなります。たくさんの栄養が必要になります。

9月18日、アゲハの幼虫を捕食しながら大きくなるカマキリ。アゲハの観察をしていた私にとって、アゲハの幼虫を捕食しているのを見た時は残念な気持ちでしたが、カマキリにとっては大事な食糧です。

10月23日のカマキリ。すっかりお腹が大きくなっています。この時期になると庭ではほとんど姿を見かけません。羽があるので別の場所へ移動していたらいいなと思います。
この時期になると雄と雌がはっきりわかります。雌はお腹がぷっくり大きくなって、雄より大きな体をしています。雄はシュッとしていて雌よりずいぶん小さいです。

10月30日ハラビロカマキリ。カメラを向けるとカマキリはじっとしていましたが、翌日バラの葉を食べていた全てのチュウレンバチの幼虫が姿を消していました。チュウレンバチもやっつけてくれるって期待していいのかな、しかし、時すでに遅し、バラの葉はすべて食べられています。
秋になりました、夏の間たくさんの害虫駆除に努めたカマキリたちは、卵を産んで、次の世代に命を繋ぎます。カマキリは卵で越冬します。卵は冬の鳥たちの餌になる事もあるので、見つからない所に産みます。

2016年の暮れに、お正月の花を生けるために千両を切るとカマキリの卵がありました。卵の付いた枝は外部から見にくい所に針金で止めて置きました。
2017年秋、バラの枝に卵を産んでいるカマキリに遭いました。産卵しているところに出くわすことは初めてです。卵の色が黒っぽいのが気になりました。カマキリは卵を産んだ後もしばらくその場にとどまっていましたが、3日目にはいなくなっていました。残念ながら、翌年、その卵からはカマキリは生まれませんでした。
虫の世界は単純で、水車の回るごとく、季節が廻れば自然の摂理に従い生まれては消えるを繰り返しているとばかり思っていましたが、中には生まれないものもあると知りました。
色々あって今年もまた秋です。最後のお仕事、あのにっくきヨトウムシもやっつけてもらって、たくさん子孫を残してください。翌年も皆さんの子供たちが庭でよい働きをすることを願っています。