バラを育てている方は、チュウレンジバチの名前を聞いただけで、その姿や被害など、すぐに頭に浮かぶのではないでしょうか。食欲旺盛の幼虫から、バラの葉をかじられて困ることはもう書かなくても周知のことと思います。
せっかく選びに選び抜いて病害虫に強いバラを植えても、チュウレンジバチはお構いなしに、新芽の蕾の付いた柔らかい枝に卵を産み付け、大切な葉を食べつくしてしまいます。
バラの害虫チュウレンジバチの退治の仕方を書きました。
アブラハムダービー(イングリッシュローズ)
その他、庭にはハバチの仲間で、ツツジを害するルリチュウレンジというのもいます。
観察場所・・・茨城県北部
気温・・・-7℃から35℃(2018年)。
庭の環境・・・バラを中心とした庭にツツジが4本あります。ツツジは大きくしたくなく60cmくらいに丸刈りしています。
チュウレンジバチ(約8mm)
sony a6000
1cmに満たない小さな、羽の付いた成虫は、頭と羽は艶のある黒で、腹の部分は綺麗なオレンジ色です。4月から10月ごろまで庭で見ることが出来ます。成虫は何かを食べているところは見たことがありません。成虫を見るのは、バラの枝に産卵している時です。産卵は、芽吹いた新しい枝に産み付けます。
夏の間、成虫は、バラのどの枝でも産卵するわけではなく、いったん葉に降りて、幼虫に必要な餌となる葉が十分にあるかどうか見極めてから産卵します。被害が新芽に多いのはそのせいではないかと推測しています。秋になると枝の先端部分のほとんどに産卵しているのを見かけます。切羽詰まった感じです。
捕まえ方
成虫
普段はすばしこくて、捕まえるのが難しいですが、産卵を始めると動きません。その時を狙って捕まえて潰します。チュウレンジバチは産卵管がありますが人を刺すものではなく、卵を産むとき枝に差し込むためのもので毒もありません。
sony a6000
産卵を始めました。
sony a6000
このように羽を持って捕まえます。
sony a6000
チュウレンジバチがこの枝に4匹。このほかに、すでに産卵した黒い縦筋がが3本あったので枝ごと切り取り潰しました。
卵は葉の茎にも産み付けます。
幼虫
sony a6000
芽吹いた若い枝を切り裂いて卵を産んだ後です。黒い縦筋が卵。日が経つと、黒い線が裂けてきて幼虫が這い出してきます。
sony a6000
生まれて間もない幼虫
sony a6000
だいぶ大きくなりました。食欲旺盛で、あっと言う間に枝1本の葉を食べつくし、別の場所へ移動している者もいます。
幼虫は生まれて間もない小さいうちは、葉を切るとまとまって取れます。小さいうちに見つけて捕殺すると簡単です。大きくなると葉に衝撃があるとボロボロ落ちて散らばってしまい取り逃がす可能性が高いです。
幼虫は低温(約11℃以下)に当たると死んでしまうようです。バラの休眠が約11℃と言われていますから、餌となるバラにサイクルを合わせているかのように見えます。
幼虫は地中で繭を作り越冬、春になるとさなぎになり4月暖かくなると羽化をするというサイクルになっています。繭は見つけるのが困難です。幼虫のうちに取り除くようにします。
産卵された枝のバラを見たい時は、
縦筋の産卵の跡を、つまようじなどの先のとがったものでなぞり、卵を潰します。ちょっと見た目が悪いですが、バラによっては花数が少ないのもあって、どうしても見たい、切り花にしたかった、という時があります。そういう時は、この方法で卵を潰します。しかし、全部つぶせない時もあり、少しふ化してしまいます。毎日観察してふ化した幼虫を取り除くと、葉はあまり食べられずに済みます。花を楽しんだら、産卵された所も一緒に切ります。
ルリチュウレンジ(約9mm)
Cyber-shotWX70
こちらは、チュウレンジバチより少し大きく見えます。成虫は、体全体光沢のある瑠璃色です。とてもきれいな虫です。卵はツツジの葉の裏に1個ずつ産卵します。成虫はつかまりにくいです。幼虫は頭の部分が黄色です。バラを食害する幼虫に酷似しています。ツツジの葉を食べます。見つけたらすぐ捕殺しないとツツジを丸坊主にしてしまいます。
チュウレンジバチ同様、繭で越冬し、春にさなぎになり羽化します。
天敵
カメムシが幼虫を食べます。
その他、スズメが、チュウレンジバチ幼虫のいる所でしきりに啄んでいる様子を見ました。食べたかどうかわかりませんが、その後、幼虫は姿を消していました。食べていてほしいですが、あまり期待できません。
庭の中のミクロの世界
カメラのファインダーを通して観る虫たちは、活き活きとしていて、つややかで、それぞれ個性的なフォルムと衣装をまとって、生活の仕方も様々で、どれをとっても同じではありません。その多様性にいつも驚かされています。
幼虫がたくさん生まれていても、それと同じくらい成虫がいるわけではないので、どこかで何かで淘汰されているのだろうと思います。君は誰?何をしている?そう考えながら虫を見てみると、今まで気づかなかった世界を見ることが出来て、庭って本当に面白いです。
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せっかく選びに選び抜いて病害虫に強いバラを植えても、チュウレンジバチはお構いなしに、新芽の蕾の付いた柔らかい枝に卵を産み付け、大切な葉を食べつくしてしまいます。
バラの害虫チュウレンジバチの退治の仕方を書きました。
アブラハムダービー(イングリッシュローズ)
その他、庭にはハバチの仲間で、ツツジを害するルリチュウレンジというのもいます。
観察場所・・・茨城県北部
気温・・・-7℃から35℃(2018年)。
庭の環境・・・バラを中心とした庭にツツジが4本あります。ツツジは大きくしたくなく60cmくらいに丸刈りしています。
チュウレンジバチ(約8mm)
sony a6000
1cmに満たない小さな、羽の付いた成虫は、頭と羽は艶のある黒で、腹の部分は綺麗なオレンジ色です。4月から10月ごろまで庭で見ることが出来ます。成虫は何かを食べているところは見たことがありません。成虫を見るのは、バラの枝に産卵している時です。産卵は、芽吹いた新しい枝に産み付けます。
夏の間、成虫は、バラのどの枝でも産卵するわけではなく、いったん葉に降りて、幼虫に必要な餌となる葉が十分にあるかどうか見極めてから産卵します。被害が新芽に多いのはそのせいではないかと推測しています。秋になると枝の先端部分のほとんどに産卵しているのを見かけます。切羽詰まった感じです。
捕まえ方
成虫
普段はすばしこくて、捕まえるのが難しいですが、産卵を始めると動きません。その時を狙って捕まえて潰します。チュウレンジバチは産卵管がありますが人を刺すものではなく、卵を産むとき枝に差し込むためのもので毒もありません。
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産卵を始めました。
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このように羽を持って捕まえます。
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チュウレンジバチがこの枝に4匹。このほかに、すでに産卵した黒い縦筋がが3本あったので枝ごと切り取り潰しました。
卵は葉の茎にも産み付けます。
幼虫
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芽吹いた若い枝を切り裂いて卵を産んだ後です。黒い縦筋が卵。日が経つと、黒い線が裂けてきて幼虫が這い出してきます。
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生まれて間もない幼虫
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だいぶ大きくなりました。食欲旺盛で、あっと言う間に枝1本の葉を食べつくし、別の場所へ移動している者もいます。
幼虫は生まれて間もない小さいうちは、葉を切るとまとまって取れます。小さいうちに見つけて捕殺すると簡単です。大きくなると葉に衝撃があるとボロボロ落ちて散らばってしまい取り逃がす可能性が高いです。
幼虫は低温(約11℃以下)に当たると死んでしまうようです。バラの休眠が約11℃と言われていますから、餌となるバラにサイクルを合わせているかのように見えます。
幼虫は地中で繭を作り越冬、春になるとさなぎになり4月暖かくなると羽化をするというサイクルになっています。繭は見つけるのが困難です。幼虫のうちに取り除くようにします。
産卵された枝のバラを見たい時は、
縦筋の産卵の跡を、つまようじなどの先のとがったものでなぞり、卵を潰します。ちょっと見た目が悪いですが、バラによっては花数が少ないのもあって、どうしても見たい、切り花にしたかった、という時があります。そういう時は、この方法で卵を潰します。しかし、全部つぶせない時もあり、少しふ化してしまいます。毎日観察してふ化した幼虫を取り除くと、葉はあまり食べられずに済みます。花を楽しんだら、産卵された所も一緒に切ります。
ルリチュウレンジ(約9mm)
Cyber-shotWX70
こちらは、チュウレンジバチより少し大きく見えます。成虫は、体全体光沢のある瑠璃色です。とてもきれいな虫です。卵はツツジの葉の裏に1個ずつ産卵します。成虫はつかまりにくいです。幼虫は頭の部分が黄色です。バラを食害する幼虫に酷似しています。ツツジの葉を食べます。見つけたらすぐ捕殺しないとツツジを丸坊主にしてしまいます。
チュウレンジバチ同様、繭で越冬し、春にさなぎになり羽化します。
天敵
カメムシが幼虫を食べます。
その他、スズメが、チュウレンジバチ幼虫のいる所でしきりに啄んでいる様子を見ました。食べたかどうかわかりませんが、その後、幼虫は姿を消していました。食べていてほしいですが、あまり期待できません。
庭の中のミクロの世界
カメラのファインダーを通して観る虫たちは、活き活きとしていて、つややかで、それぞれ個性的なフォルムと衣装をまとって、生活の仕方も様々で、どれをとっても同じではありません。その多様性にいつも驚かされています。
幼虫がたくさん生まれていても、それと同じくらい成虫がいるわけではないので、どこかで何かで淘汰されているのだろうと思います。君は誰?何をしている?そう考えながら虫を見てみると、今まで気づかなかった世界を見ることが出来て、庭って本当に面白いです。