4月から5月にかけてバラの新苗が出回ります。冬に出回る大苗に対し、新苗は値段も手ごろで買いやすくなっています。新苗は、大抵は蕾が付いていて花を見て買うことが出来ます。
苗を選ぶときの注意、新苗と大苗と違い
大苗は、ノイバラの台木などに接ぎ木した物を畑で2年間育てられたのち、ミズゴケを巻かれたりモミガラに包まれたりして冬に販売されます。
新苗は、前年の秋から冬にかけてノイバラなどの台木に接ぎ木されたもので、継がれている部分が完全確実に固まっているわけではありません。それで、苗を買う時は是非その接ぎ木部分も確認して、ぐらついていないか見て買います。
かねてからネットや園芸誌などで調べておくと苗を選びやすいです。
最近のバラは病害虫に強いと定評のあるアイスバーグより更に丈夫なバラが沢山作出されています。また、園芸誌などで「丈夫」と書かれていても、自分の庭ではそうでもないものもあります。これは育ててみないとわからないですが、バラの親などを知っていると、選ぶ一助になります。
なんて能書きを垂れましたが、4月28日、土を買いに園芸店に行ったとき、バラの新苗を見つけ、素敵な赤い色のバラに心奪われ・・・値段にわしづかみにされ買いました。今時580円です。あまりバラの苗を置かない園芸店で見つけた赤いバラ、ラッキーとしか言いようがありません。
Cyber-shot WX70
4月30日のバラの様子。仕入れた後に水切れに合った様子。花びらの縁が枯れこんでいます。でもいいのだ、これくらいすぐに挽回できる!
sony a6000 photo by Yukey
5月1日の花の様子。花はすっかり開きました。開いても素敵な形です。
バラの名前は「サマンサ」です。
系統はハイブリットティーローズ、四季咲き性、花茎12cm、樹形直立、樹高130cmとなっています。
更にネットで調べてみると、作出年1974年、作出国アメリカ、作出者William A. Warriner。
交配親はブライダルピンクと無名の実生

ピンクの花はブライダルピンク。紫陽花は墨田の花火です。
ブライダルピンクはアメリカP&J社で作出されたフロリバンダ系のバラです。樹高は60cmくらいで樹形は横張り、切り花にもなる花持ちの良い育てやすい品種です。大好きなバラで、安心して育てることが出来ます。
新苗の植え付け
新苗は、最初は鉢で管理して育ててから地植えにすると、周りの植物からの影響を受けにくく順調に育ちます。地植えにする時スペースに余裕があればいいのですが、私の庭は余裕がないので、最初は鉢植えにしています。
栽培場所・・・茨城県北部
気候・・・気温ー5℃~+34℃。冬は乾燥し、夏は海からの霧ヤマセがあってジメジメしている。
用意する物・・・バラ苗、赤玉土小粒、腐葉土、鉢、籾燻炭、バラ用肥料、マグアンプK、支柱、麻紐20cmくらい、剪定バサミ、鉢底網(籾燻炭を入れるので台所三角コーナーなどの網が適しています)
sony a6000 photo by Yukey
土・・・赤玉土小粒6腐葉土4を混ぜた物、鉢底石の代わりの籾燻炭(籾燻炭が手に入らなければ鉢底石、赤玉土大、発泡スチロールを砕いたものなどのどれかを鉢底3センチくらい分を用意します。)
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鉢、新苗のビニールポットより二回りくらい大きいもの。私はシンビジュームの鉢などを使っています。
植えつけ方
苗を植える時、もたもたしていると鉢の土が崩れてしまうので、土は混ぜて置き、肥料も近くに置いて作業を進めます。
作業開始
鉢底に細かい目の網を敷き、籾燻炭を3㎝位入れます。
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籾燻炭を入れたところ。そこに用土を少し入れ、苗をビニールポットごと入れて植え位置を確かめます。
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ビニールポットごと入れて、ウオータースペースがとれるか確かめます。大丈夫だったら、マグアンプKを小さじ1くらい鉢底に入れて土に混ぜてから苗を植えます。マグアンプKは、根が直接触れても肥焼けしません。
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苗を取り出すときは逆さまにしてポットの尻の部分をつまむようにすると出しやすいです。
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ビニールポットから抜いたところ。根鉢は崩さないように気を付けます。根が成長している時に根鉢を崩し根を傷つけると、傷ついた所から病原菌が入ったり、生育が悪くなったりします。
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株は中央に据え、土を入れていきます。接ぎ木部分は埋めません。
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肥料を鉢のヘリに3か所くらいに分けて土の中に埋めます。表に出ているとナメクジに食べられてしまいます。
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水はたっぷりとやります。水は1回だけではなく1時間くらいしたらもう一度たっぷりやります。こうすると浸透していなかったところにも水が行き渡ります。
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花を切り取ります。小さい葉も切り取らず全て残します。
sony a6000
まだ接ぎ木部分がしっかり付いていない可能性がありますので支柱を立てます。
植えつけ完了です。
植えつけ後の管理
日向に置いて管理します。水は鉢の表面が乾いたらたっぷりやります。水肥を2週間に1回施します。置き肥は1ヶ月に1回施します。蕾は、木を育てるために夏までは取り続けます。
6月ごろ株が大きく育っていたら一回り大きな鉢に植え替えをします。用土は赤玉6腐葉土4を混ぜた物で、根鉢は崩さずそのまま植えます。8月にも同じように株が大きくなったら植え替えをします。木がしっかり育っていれば秋の花は咲かせて楽しむことが出来ますので、8月末までは蕾を取り、9月に出た蕾はとりません。
苗が大きく育ったら・・・
冬、気温が11度を下回るようになるとバラは休眠します。普通の大苗はそのころに移植や植え替え作業をしますが、春からしっかり株づくりをして育てた鉢植えを地植えにする時は、根鉢を崩さなければ、気温が下がる9月下旬から植えつけ可能です。冬が来る前に植えつけて活着させれば、植え痛みなしでよく育ちます。
鉢のままで育てる時は、植え替えはしなくてもいい物もあります。水はけがよく土を軽く掘って硬くなければ、植え替えしなくても大丈夫です。
植え替えをする場合は、気温が下がって休眠期に入ってから行います。
花が咲いている鉢物を買った場合
4月5月には、プロが小さい鉢で立派に花を咲かせた鉢も売られています。そのまま鑑賞できますが、ひと回り大きな鉢に植え替えるとバラは疲弊せず、さらに大きな立派な株になります。植え替えの時、根鉢は崩しません。
鉢増しの時の土は、植え込みと同じものが良いと言われます。大抵はバラ用の土で植えられています。鉢物のバラを買う時、土も一緒に買うといいと思います。
私は家にある赤玉小粒と腐葉土で鉢増しします。プロの土は私には水はけがよすぎてすぐぐったりさせてしまうので、水持ちの良い、そして風が吹いても転ばないように、重い赤玉土を使っています。冬は土を落として、赤玉小粒と腐葉土に全部入れ替えます。
▼【サマンサ】の植え替えと冬剪定枝で挿木と挿し木苗の鉢上げ
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苗を選ぶときの注意、新苗と大苗と違い
大苗は、ノイバラの台木などに接ぎ木した物を畑で2年間育てられたのち、ミズゴケを巻かれたりモミガラに包まれたりして冬に販売されます。
新苗は、前年の秋から冬にかけてノイバラなどの台木に接ぎ木されたもので、継がれている部分が完全確実に固まっているわけではありません。それで、苗を買う時は是非その接ぎ木部分も確認して、ぐらついていないか見て買います。
かねてからネットや園芸誌などで調べておくと苗を選びやすいです。
最近のバラは病害虫に強いと定評のあるアイスバーグより更に丈夫なバラが沢山作出されています。また、園芸誌などで「丈夫」と書かれていても、自分の庭ではそうでもないものもあります。これは育ててみないとわからないですが、バラの親などを知っていると、選ぶ一助になります。
なんて能書きを垂れましたが、4月28日、土を買いに園芸店に行ったとき、バラの新苗を見つけ、素敵な赤い色のバラに心奪われ・・・値段にわしづかみにされ買いました。今時580円です。あまりバラの苗を置かない園芸店で見つけた赤いバラ、ラッキーとしか言いようがありません。

4月30日のバラの様子。仕入れた後に水切れに合った様子。花びらの縁が枯れこんでいます。でもいいのだ、これくらいすぐに挽回できる!

5月1日の花の様子。花はすっかり開きました。開いても素敵な形です。
バラの名前は「サマンサ」です。
系統はハイブリットティーローズ、四季咲き性、花茎12cm、樹形直立、樹高130cmとなっています。
交配親はブライダルピンクと無名の実生

ピンクの花はブライダルピンク。紫陽花は墨田の花火です。
ブライダルピンクはアメリカP&J社で作出されたフロリバンダ系のバラです。樹高は60cmくらいで樹形は横張り、切り花にもなる花持ちの良い育てやすい品種です。大好きなバラで、安心して育てることが出来ます。
新苗の植え付け
新苗は、最初は鉢で管理して育ててから地植えにすると、周りの植物からの影響を受けにくく順調に育ちます。地植えにする時スペースに余裕があればいいのですが、私の庭は余裕がないので、最初は鉢植えにしています。
栽培場所・・・茨城県北部
気候・・・気温ー5℃~+34℃。冬は乾燥し、夏は海からの霧ヤマセがあってジメジメしている。
用意する物・・・バラ苗、赤玉土小粒、腐葉土、鉢、籾燻炭、バラ用肥料、マグアンプK、支柱、麻紐20cmくらい、剪定バサミ、鉢底網(籾燻炭を入れるので台所三角コーナーなどの網が適しています)

土・・・赤玉土小粒6腐葉土4を混ぜた物、鉢底石の代わりの籾燻炭(籾燻炭が手に入らなければ鉢底石、赤玉土大、発泡スチロールを砕いたものなどのどれかを鉢底3センチくらい分を用意します。)

鉢、新苗のビニールポットより二回りくらい大きいもの。私はシンビジュームの鉢などを使っています。
植えつけ方
苗を植える時、もたもたしていると鉢の土が崩れてしまうので、土は混ぜて置き、肥料も近くに置いて作業を進めます。
作業開始
鉢底に細かい目の網を敷き、籾燻炭を3㎝位入れます。

籾燻炭を入れたところ。そこに用土を少し入れ、苗をビニールポットごと入れて植え位置を確かめます。

ビニールポットごと入れて、ウオータースペースがとれるか確かめます。大丈夫だったら、マグアンプKを小さじ1くらい鉢底に入れて土に混ぜてから苗を植えます。マグアンプKは、根が直接触れても肥焼けしません。

苗を取り出すときは逆さまにしてポットの尻の部分をつまむようにすると出しやすいです。

ビニールポットから抜いたところ。根鉢は崩さないように気を付けます。根が成長している時に根鉢を崩し根を傷つけると、傷ついた所から病原菌が入ったり、生育が悪くなったりします。

株は中央に据え、土を入れていきます。接ぎ木部分は埋めません。

肥料を鉢のヘリに3か所くらいに分けて土の中に埋めます。表に出ているとナメクジに食べられてしまいます。

水はたっぷりとやります。水は1回だけではなく1時間くらいしたらもう一度たっぷりやります。こうすると浸透していなかったところにも水が行き渡ります。

花を切り取ります。小さい葉も切り取らず全て残します。

まだ接ぎ木部分がしっかり付いていない可能性がありますので支柱を立てます。
植えつけ完了です。
植えつけ後の管理
日向に置いて管理します。水は鉢の表面が乾いたらたっぷりやります。水肥を2週間に1回施します。置き肥は1ヶ月に1回施します。蕾は、木を育てるために夏までは取り続けます。
6月ごろ株が大きく育っていたら一回り大きな鉢に植え替えをします。用土は赤玉6腐葉土4を混ぜた物で、根鉢は崩さずそのまま植えます。8月にも同じように株が大きくなったら植え替えをします。木がしっかり育っていれば秋の花は咲かせて楽しむことが出来ますので、8月末までは蕾を取り、9月に出た蕾はとりません。
苗が大きく育ったら・・・
冬、気温が11度を下回るようになるとバラは休眠します。普通の大苗はそのころに移植や植え替え作業をしますが、春からしっかり株づくりをして育てた鉢植えを地植えにする時は、根鉢を崩さなければ、気温が下がる9月下旬から植えつけ可能です。冬が来る前に植えつけて活着させれば、植え痛みなしでよく育ちます。
鉢のままで育てる時は、植え替えはしなくてもいい物もあります。水はけがよく土を軽く掘って硬くなければ、植え替えしなくても大丈夫です。
植え替えをする場合は、気温が下がって休眠期に入ってから行います。
花が咲いている鉢物を買った場合
4月5月には、プロが小さい鉢で立派に花を咲かせた鉢も売られています。そのまま鑑賞できますが、ひと回り大きな鉢に植え替えるとバラは疲弊せず、さらに大きな立派な株になります。植え替えの時、根鉢は崩しません。
鉢増しの時の土は、植え込みと同じものが良いと言われます。大抵はバラ用の土で植えられています。鉢物のバラを買う時、土も一緒に買うといいと思います。
私は家にある赤玉小粒と腐葉土で鉢増しします。プロの土は私には水はけがよすぎてすぐぐったりさせてしまうので、水持ちの良い、そして風が吹いても転ばないように、重い赤玉土を使っています。冬は土を落として、赤玉小粒と腐葉土に全部入れ替えます。
▼【サマンサ】の植え替えと冬剪定枝で挿木と挿し木苗の鉢上げ