2019年9月21日、庭で一心にスミレを食んでいたツマグロ坊やがとうとう羽化しました。
ツマグロヒョウモン羽化1
美しい羽です。無傷です。こんなにきれいな羽根はめったに見られません。
ツマグロヒョウモンは多化性と図鑑に書いてありました。越冬は幼齢中ですると書いてあります。
ツマグロヒョウモンのメスは、毒のあるカバマダラやスジグロカバマダラに擬態していて、鳥に食べられないようにしています。写真の蝶はメスです。
次の日はオスが羽化し、夕方には更にメスが羽化して、庭を巣立っていきました。

産卵
庭でスミレ科の植物があると必ず卵を産み付けられ、その幼虫たちに食害されてしまいます。

ツマグロ坊や(ツマグロヒョウモンの幼虫)です。
ツマグロヒョウモン幼虫3
まだ小さいです2㎝位です。毎回、鉢の中のビオラは全滅です。食欲大生です。
親蝶は、食草が足りないのは分かっているのかいないのか、スミレが必ず不足するほどたくさん卵を産みます。捕食される側の常としてたくさん産んで、生き残る確率を高くするためなのだろうかと、考えます。
ハムハム
茎までハムハム・・・
お腹いっぱいになると、小さいうちはその場で休憩しますが、大きくなると根元の茂みに降りてきて見つからない場所で休みます。さなぎに近づくと逆さまになりますが、逆さまになるからすぐにさなぎになるかと思えばそうでもなく、安全な場所かどうかしばらく回りの様子を見てからさなぎになるようです。

ツマグロヒョウモン幼虫
食草が足りなくなると自ら食べ物を探しに旅に出ます。

ツマグロ坊や(幼虫)は、黒い体に赤い筋が背中にあり、体全体が太い棘で覆われて、根元が赤いです。それが毒々しく、大きくなると更に脅威さえ感じる姿になります。
写真の幼虫は、まだ中間ぐらいの大きさ(4cm)で、さなぎになる前の終齢虫は5cmくらいになります。

順調に育つと、さなぎになりますが、さなぎは逆さまにぶら下がります。
ツマグロヒョウモンさなぎ
背中にはメタリックのようなピカピカになります。

蝶の幼虫がさなぎになる時は、頭を上にするタイプと頭を下にしてぶら下がるタイプがあります。
モンシロチョウ、アゲハチョウなどは、おしりの部分を固定し、胸の部分を糸のようなもので固定します。
ツマグロヒョウモンはおしりを固定して逆さまになります。
同じように、おしりを付けてぶら下がるオオゴマダラは、金色のさなぎです。オオゴマダラは沖縄にいる大きな蝶です。光がそのさなぎに当たるとキラキラして南国の太陽の中では、周りの葉っぱなどもキラキラして見つけにくい状態になるそうです。
私の考えですが、背中に付いたツマグロヒョウモンのメタリックカラーは、とてもキラキラして、虫が作ったものとは思えないほどきれいです。彼らもまた、キラキラで敵の目を欺こうと考えたのかなと、さなぎのキラキラを見つめながら庭で考えました。
20190914ツマグロヒョウモンさなぎ2
ツマグロヒョウモンのさなぎの殻はとても硬いです。枯れ木の様な硬さがあります。その硬くて立派な鎧をまとったさなぎでも、枝に付いていたおしりの部分がとれて地面に落ちてしまうしと、死んでしまうようです。ばい菌やカビなどに侵されるのか、おしりの固定された部分は、まるでへその緒みたいだと思いました。

様々な障害を乗り越えて蝶になったツマグロヒョウモンは、羽がしっかり乾くまでじっとしています。その時の様子は周りと同化していて、見つけにくいです。
20190921同化している
蝶の裏羽は、周りと同化していて見つけにくい。

写真をたくさん撮っている時は緊張して、紅い部分が見えましたが、
20190921ツマグロヒョウモン警戒する

その内大丈夫だとわかると羽をシュッと小さくして休みモードになりました。
20190921お休みモード
黒点病のバラの葉と同化してよくわからない状態です。

庭では、虫たちが来年に向けて準備をしています。
カマキリは、大きなおなかを抱え、安全に卵を産む場所を探しています。蜘蛛は、庭のいたるところに網を張って、最終決戦に備えます。私も、草取りで忙しくして手元にばかり気を取られて油断すると蜘蛛の網にかかってしまいます。

産卵場所
我が家のスミレを食べて育った蝶たちの子孫が、来年もまた美しい羽をばたつかせて庭にやって来ることでしょう。植物と虫との関係そしてその中に私もいて、時々ぞわっとしながら観察をしていると、蝶が私を観察していて、近くにいます。

わたしが使ったカメラPowerShot G7X MarkⅡです。

使う度カメラの性能が分かりつつあるこの頃、楽しくていつもカメラを持っています。新しい性能を試す前に撮りたい衝動の方が大きくて、結局いつも通りの写真になっています。

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