3月になると店頭に並べられる野菜苗の中にワケギの球根があります。とても丈夫で、その球根は分球して年々数を増やしていきます。
 3月に買った球根は5月過ぎまで収穫した後、堀りあげて涼しい場所に保管しておき、秋にまた畑に植えると、冬の間ずっと収穫をすることができます。冬には病害虫の心配がなく、甘くおいしいネギを食べることができます。
201905ワケギ
球根を手に入れたらすぐに植えます。するとグングン成長し、収穫が出来ます(約1ヵ月)。5月くらいまで3回くらい収穫できます。1ヶ所に3球ずつ植えたら大きくなりました。
雪の中のネギ
秋に植えたものは寒い冬の間も収穫できます。雪に埋もれても枯れません。

ワケギの育て方

栽培場所…茨城県北部
気温と気候…ー4℃〜34℃。夏湿度が高く、冬乾燥しています。1月の半ばごろから少し雪が降ります。

ワケギは、らっきょうのような形をしていてネットに入れられ、500円くらいで売られています。

ワケギを植え付ける場所は、日当たりの良い場所が適しています。肥料を入れる2週間位前までに石灰等で中和しておきます。 また、連作を嫌うので、前年にネギ類を植えたところは避けます。
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石灰を撒いたところ。石灰を撒いたら必ず混ぜておきます。そのままにすると、石灰が固まります。
植え付ける1週間前に、1平方あたりに腐葉土5リットル、鶏糞1リットル、牛糞堆肥3リットル、化成肥料一掴み撒いて耕しておきます。
 
植え付け期
春、手に入れたらすぐ。秋は、10月中頃から11月初旬までにはうえつけます。なるべく芽が出る前におこないます。列の間は、20センチくらい株間10センチぐらいあけ、一カ所に3〜5球 まとめて、球根の2倍の深さの植えます。

水遣り
畑には水遣りは基本必要ありませんが、植えつけた後2週間くらい雨が無い時はたっぷりやります。太平洋側は、冬に1月以上雨の無い時もあります。その時はホコリ防止のために庭に水まきをしています。その程度で大丈夫です。

追肥
草丈10センチくらいになったら、化成肥料を、株間に一掴み撒いて軽く耕します。

病害虫
ネキリムシが芽を食べます。芽が倒れているのですぐにわかります。
根きり虫の食害12202019
芽がこちらとあちらに倒れています。そのままにしていたら、その周りの株も食べられてしまいました。株の周り を掘って捕殺します。

収穫
収穫期間は、3月はじめ買った球根を植えたときは、5月まで。秋に植えたら、冬から春まで収穫できます。草丈は、30センチくらいまで育ちますが、15センチくらいになったら収穫を始めてもかまいません。
収穫の仕方は、必要な分だけ地上部を切り取る方法と、根ごと抜いて収穫する方法があります。

葉を収穫する方法
分葱
地際から必要な分だけ切り取ります。葉を収穫する方法は、球根が分決して多くなります。その代り球根は細くなります。

根ごと抜いて収穫する場合
根ごと抜いていただくので、種球が必要な時は、種球分は収穫せず地上部が枯れるまで置いておきます。球根は大きくなります。地上部が枯れたら掘りあげ乾かして保管します。

収穫後の管理
5月ごろ温かくなると、虫が付いたりさび病も出てきます。やがて地上部が枯れてきます。球根を掘り出して、乾かしたら涼しい場所に保管します。
掘りださないで放置すると、夏の暑さと蒸れで球根が溶けてなくなってしまうことがあります。

球根は毎年たくさん増えます。秋に植える時に、根ごと抜いて食べる用のネギとして、小球を1カ所に植えておき、15㎝くらいに育ったら早めに抜いて収穫します。柔らかくてサラダ感覚で頂けます。

プランター栽培も簡単です。
手持ちの鉢やプランターに、野菜用培養土をいれ植えます。



自分で土をブレンドする時は、赤玉土5、腐葉土4を混ぜ、石灰で中和した後、10日ほど経ってから完熟牛糞堆肥1と化成肥料少々を混ぜます。日当たりの良い所に置いて、水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりやります。 
芽が10センチくらい伸びてきたら 、株元から離れたところに追肥をします。
培養土で植えた場合は、追肥は、袋の表示に従って、行います。大体1ヶ月くらい肥料分が効くようになっています。

今シーズンの私のワケギ
2019年10月27日。出てきた芽を見て早く植えなければと焦ってしまう。でも肩が痛いし・・・
ワケギの球根1027
この状態からさらにひと月後、もうすっかり芽が出てしまって球根はやせ細ってしまいました。でも、埋めておけば必ず収穫出来る強い野菜。出てしまった葉は土に埋まらないように、球根はほぼ表面に出るようなくらい浅めに植えました。ぶきっちょな左手が頑張りました。

20191125ワケギ
11月25日、とりあえず土に置くようなかたちで、根の出るところが土に接しているようにして植えました。葉まで埋めると腐ったことがありました。

20191212ワケギ
12月12日、植えつけ後19日。寒かったのでここまで伸びるのに時間がかかりました。球根に土を寄せました。このくらいに育ったら多少葉が埋まっても安心です。

2020年1月16日、植えつけから1ヶ月と20日。冬だというのに暖かかったお陰で、いつもの年よりグングン成長しています。育つかどうかわからないくらいやせ細っていたので、一か所に7球8球植えたところもあります。
20200116ワケギ
窮屈そうに、でも元気に育って、もう20センチの所もあります。すでに薬味として使っています。
畑には水遣りは一度もしていません。

 ワケギは、薬味として使うことが多いですが、主役としてもいける食材です。味噌汁や酢味噌あえ、卵とじなどいろいろ幅広く使うことができます。庭で栽培したら、好きなだけ使えてうれしいです。

私は人と同じようにはできないけれど、それでも立派なネギに成長してくれるワケギ、地面からスクッと伸びた緑色の美しい葉を見るとうれしくなります。
何年もワケギを育てていますが、花は見たことがありません。球根が増えるばかりです。不思議なネギです。

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