秋から冬にかけて野鳥観察にもってこいの季節。北から渡って来た野鳥が越冬地となる地で縄張りを勝ち取るために大音量で鳴きます。よく通る声は、野鳥が家のすぐ近くまでやって来ていることを知らせます。加えて、樹々は葉を落とし、野鳥をより観察しやすくさせています。
実は、私の野鳥写真が多いのも秋から早春にかけてです。

【夏の鳥編】で、夏、庭で見られる野鳥の見つけ方見分け方を書きました。

「わかると楽しい野鳥観察「ピノ子流」野鳥の見つけ方見分け方【夏鳥編】」

今回は、秋から庭にやってくる野鳥を、私なりの見つけ方見分け方を書きます。題して「野鳥の見分け方見つけ方【冬の鳥編】」
「夏の鳥編」と合わせてご覧ください。

観察場所…茨城県北部ピノ子の庭

野鳥の見つけ方見分け方【冬の鳥編】 
庭で見られる野鳥の鳴き声を、こんなふうに聞こえるという音を文字で表しました。あくまでも私が聞こえた音を書きました。

渡りの野鳥だけでなく、【夏の鳥編】にも 書いた留鳥についても、冬に庭で見られる野鳥として書きました。夏と冬では羽の色が変わるものもあります。

今回も星の数で、見やすさ度合いを表しました。 
⭐️ …いつでも見られる
⭐️⭐️…時々見られる
⭐️⭐️⭐️…見られるのは稀である。

鳴き声で鳥を知ろう
家の中で、鳥がきたことがわかるのは鳴き声です。鳴き声が聞こえると、どんな野鳥が来たか分かります。繁殖期ではないこの時期は、静かにやってくる野鳥もいます。

⭐️スズメ…チュン、チュン
一月スズメSony a6000
冬は集団で行動しています。 庭には静かに群れで餌を食べに来ていることがあります。1月半ばを過ぎると落葉樹などで集会を開きます。

⭐️ヒヨドリ…ピーヨ、ピーヨ。 バルバル、バルバル
ヒヨドリSony a6000
つがい、または単独で団地の果物や木の実などを食べに来ます。電線などに止まりピーピーよく鳴きます。

⭐️カラス・・・カーカー
DSC06205
数は少ないですが、静かに庭の椿を食べたり山芋のムカゴを食べています。

⭐️ムクドリ…キュルキュル、キュルキュル
20171106ムクドリと柿 (2)Sony a6000
雛が巣立った後は家族で行動し、柿が熟れる10月ごろは20羽くらいの集団になります。柿の木のすぐ上の電線に止まり安全を確認した後、柿の木に降りてきて爆食します。その後100羽を超える集団で電線などに集まりネグラに移動します。その後はつがい又は単独で行動しているのを見ます。

⭐️メジロ…キョキョキョ
メジロ寒い日Sony a6000
つがいは行動を共にし、独身は、単独で行動したり、少数の群れをつくります。絶えずキョ、キョ、キョと鳴いているので来たことがすぐにわかります。時々スズメの群れの中で見かけます。同じ食べ物を食べるウグイスとは仲が悪いです。

⭐️ハクセキレイ…チチン、チチン
つがいのハクセキレイSony a6000 photo by Yukey
つがい、または単独で行動します。

⭐️ウグイス…ジ、ジ、ジ
ウグイス雄Sony a6000 photo by Yukey
個体にもよりますが、地鳴きをするものとあまりなかなかないものがいます。雄の方が鳴く感じです。単独で生活しています。普段は藪の中で餌を探しますが、この雄はよく姿を見せ写真もたくさん撮りました。

⭐️シジュウカラ…ツピ、ツピ、ジジジ
20161208四十雀Sony a6000
鳴き声がするとおしゃれな羽根でどこにいるか焦点が合います。塀の上、植木、雨どいなどにいます。つがいまたは単独で行動します。

⭐️⭐️コゲラ…ギー、ギー
コゲラ2Sony a6000 photo by Yukey
単独またはつがいで行動します。木から木へ低く飛んで素早く移動します。背中の白い斑点が目印です。

⭐️キジバト…クルル
キジバトSony a6000
単独でまたはつがいで行動しています。静かに庭で餌を探しています。

⭐️⭐️⭐️エナガ…チーチーチュリチュリリリ、ジュリリリリ
エナガ5Sony a6000 photo by Yukey
スズメなどと行動を共にすることがあります。庭ではなかなか見ません。

⭐️モズ…キーーーキキキ、ギュイ、ギュイ
モズ雄Sony a6000 photo by Yukey
秋、電線やアンテナなどの高いところで、高鳴きをして、縄張りを主張します。高鳴きをする時は尾を∞の形に振るので、遠くからでもすぐにわかります。雄も雌も単独で暮らし、縄張り内への侵入を激しく攻撃します。高鳴きは12月上旬ころまでで、縄張りを決めると静かに餌を捕って暮らしています。トカゲ類の他に小鳥なども狩るので、小鳥たちには恐れられています。

⭐️ジョウビタキ…ヒイ、ヒイ、カッカッ
雄ジョービタキ20160207Sony a6000
単独で渡ってきます。縄張りを持ちます。電線などで鳴きます。しきりに尾羽を小刻みに縦に振るわせます。スズメの群れにも屈しない強い所があります。

⭐️⭐️⭐️シロハラ…キョ、キョ、キョ (ペトペトとも聞こえます。)
シロハラSony a6000 photo by Yukey
単独で渡ってきます。静かにやって来て、木の葉の積もったところで餌探しをします。ホッピングで移動します。公園などではよく見かけますが、木の少ない団地に来るのは稀になりました。

⭐️⭐️⭐️アカハラ…キョ、キョ、キョ 
アカハラ
一羽で来ます。他の鳥がいない時は静かですが、他の鳥がいると激しく鳴いて威嚇します。枯れ葉の積もったところで餌探しをします。なかなか見ることのできない野鳥です。
この写真はあまりきれいではありませんが、実際は、お腹のオレンジがとても美しい鳥です。

⭐️⭐️ツグミ…キョ、キョ、キョ
20190209ツグミSony a6000
二足歩行とホッピングで移動します。普段は無口です。静かに来て、豪快に落ち葉をかき、餌を探します。落ち葉かきの音で気付くことが多いです。

姿、行動で見る野鳥
シルエットで見ると野鳥の特徴がよくわかります。目では確認できない遠くの鳥もこのシルエットと野鳥の姿勢や行動の特徴を知っていれば、どんな野鳥なのか分かります。
(注意…大きさはバラバラです。A4の紙に収まるように描きました)
庭に来る野鳥冬の鳥編
いつも見ているスズメがぽってりした姿になります。他の渡り鳥もふっくらしています。実は寒いので羽を逆立てて空気を入れ寒さをしのいでいます。自前のダウンコートです。

地面を二足歩行で餌を探す鳥は足ががっしりして見えます。モズは獲物を狩る猛禽類です。くちばしが鉤型になっています。

キジバトが地面を歩く時、首をクイクイと前後に動かします。時々確認のため首を長く伸ばしてあたりを見ます。

カラスは、歩くときも頭を上げて、左右確認しながら歩きます。

体の大きさと行動で見分ける
比較する野鳥は、スズメやヒヨドリなど、年中庭で見るお馴染みの鳥と比べて大きいか小さいか見ます。
コゲラとスズメ (2)Sony a6000 photo by Yukey
コゲラとスズメ
スズメとシジュウカラ
シジュウカラとスズメ

スズメとジョウビタキ雌Sony a6000 photo
ジョウビタキのメスとスズメ

モズのメスは、背中側からの色彩は雀に似ています。ちょっと離れたところでは、どちらだかわかりにくいです。その時は大きさより行動で見ます。モズは単独で行動し、スズメは、群れで行動します。モズがそばにくるとスズメは警戒して、激しく鳴きます。

ヒヨドリとツグミ
写真では分かりにくいですが、ヒヨドリよりツグミは一回り小さいです。

冬は食料が乏しく、庭の柿の実やリンゴの皮なども野鳥にとっては大事な食糧です。

飛び方で見る
飛び方は、その鳥によって特徴的な飛び方をします。遠くにいる野鳥でも飛び方でわかります。

波状の飛び方…ヒヨドリ、ハクセキレイ
直接的な飛び方…ムクドリ、キジバト
地形に合わせた飛び方…メジロ、スズメ
低い位置を、藪から藪へ…ウグイス、コゲラ

渡り鳥は、飛び方が均一ではないことが多いので、個体を観察してその野鳥を知ると、見つけやすいと思います。

雌雄が分かればもっと楽しい野鳥観察

雌雄が違う羽の色
モズ・・・単独で行動し、縄張りも別です。
DSC00929_Color_Cropped_MarkSony a6000 photo by Yukey
雄は、頭と腹がオレンジ色で、背中がブルーグレー。過眼線が黒く、ほほや目が白い分はっきり目立ちます。

20160222雌百舌Sony a6000 photo by Yukey
雌は、全体的に茶色っぽくお腹は鱗片模様があります。過眼線はぼやけています。

ジョウビタキ
ジョービタキ20171213Sony a6000
雄は、頭がブルーグレーで、顔や翼が黒く腹と腰がオレンジ色です。翼に白い模様があります。

20161224ジョービタキメスSony a6000
雌は、全体的に茶色っぽいです。腰と尾羽の一部がオレンジ色です。羽に白い模様があります。雌も雄も「ヒィーヒィーカッカッ」と鳴き、単独で行動します。

シロハラ…雄は、頭が黒っぽいグレーで背中や羽が茶色、腹が白いのでシロハラと呼ばれます。メスは、全体的に茶色をしていて、腹は薄いグレーと茶色の混ざった感じの色で白くないと図鑑で見ましたが、まだメスを見たことがありません。
DSC03545
シロハラ雄

 アカハラ…背中や羽は茶色で、腹は鮮やかなオレンジ色をしています。お腹が赤いからアカハラと呼ばれています。個体によってまゆ斑があるものがあります。メスは、全体的に薄い色だそうですが、雄しか見たことがありません。
20180104アカハラ
アカハラ雄

ツグミ…雄は頭から背中にかけ黒みが強く、雌は褐色が強くなると言われていますが、単独で行動するので、比較したことがなく、よくわかりません。
ツグミ雄かもSony a6000
背中や頭の羽の色が黒っぽいので雄かもしれないツグミです。

ツグミ雌かもしれないSony a6000 photo by Yukey
ツグミのメスかもしれない。全体的に背中や頭の色が薄く茶色っぽいので雌かもしれないと思いました。

ウグイス
ウグイスの雄3Sony a6000
雌より体が大きく色も濃い色をしています。よく地鳴きをします。メジロなどとも激しく鳴きあうのも雄です。

DSC00209 (2)Sony a6000
メスは、雄より薄い色をしています。
図鑑で調べたとき、センダイムシクイとよく似ていて最初はわからなかったですが、センダイムシクは夏鳥なので、冬に見ることはありません。冬、ウグイス色の羽に白っぽい眉班を見かけたら、ウグイスです。光線の加減でも羽の色は違って見えます。

ハクセキレイ
ハクセキレイ雄Sony a6000 photo by Yukey
雄は、頭や胸が背中が黒いです。

ハクセキレイメス冬羽Sony a6000
雌は、夏は頭が黒くなりますが、冬は胸以外は全体的にグレーぽくなります。

雌雄同色
スズメ、カラス、 メジロ、ヒヨドリ、エナガ、キジバト

まとめ
秋から冬にかけて野鳥を見つけるのは、夏の何倍も簡単です。鳴き声も独特で分かりやすいです。餌の少ない時期だからこそ餌の取り方も特徴があります。落ち葉などをガサゴソとしていたらツグミかシロハラかアカハラかもしれません。

野鳥の好きな木の実のなる木を植えたり、バードフィーダーなどを設置して、餌の少ない時期に野鳥レストランを開設するのも楽しいです。 

ジョウビタキは、縄張りと決めたら毎年同じ場所で越冬します。人懐っこいのもいて、庭で作業しているとそばにやって来て餌を啄んでいます。まるで我が家と思っているかのようです。ジョウビタキは大体5回の冬を過ごします。

ヒヨドリは今まで観察した中で7年のつがいがいました。その最後の年に生まれた子が、歌の好きな個性的なヒヨドリです。今でも元気で「ピキャ、ピキャ」と歌っています。
「個性豊かなヒヨドリに出会いました~庭に来る野鳥~」

モズはその時強いものが縄張りの主となり、毎年同じというわけにはいかないようです。
梅が咲き、やがて春が来ると、鳥たちはそれぞれの場所へ帰ります。3月、ジョウビタキが縄張りを回り、ひとしきり鳴いた後北へ旅立ちます。また秋に会えるよう心から祈りながら見送ります。

野鳥を観察していると、家の中の生活が多い私でも、季節を感じます。野鳥たちがはるばる海を渡ってこの庭に降りたったことに親しみと喜びとを感じます。また来てくれましたね、と思うのです。
 
「庭にくる野鳥シリーズ」では、庭にくる野鳥について、生体や特徴などについて書きました。もっと詳しく知りたい方は、そちらもご覧ください。

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