ヤツデ、別名「天狗の団扇」と呼ばれる植物、株状に幹を伸ばし、大きな葉は艶があり、長い葉茎を放射状に広げ、ひとつの景観を作ります。
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2020531ヤツデ西側から
5月31日、西側から見たところ。壁やブロック塀、足元が砂利と、統一感ありまくりのグレーで、味気ない所に緑を添えてくれます。

2020531ヤツデ東側から
5月31日、東側から見たところ。家の裏は生活感漂いますが道路から見えないように隠してもくれます。

ヤツデ
ヤツデは、ウコギ科、ヤツデ属の植物です。緑一色の他に、斑入りや葉がもっと細く切れ込みが深いものがありますが、私はこの緑一色の力強い葉をしたヤツデが好きです。


ヤツデは、「八手」とも書かれてます。葉に深い切れ込みがあるからと言われてます。
20200602ヤツデ葉
普通7つの切れ込みがあるそうですが、試しに私のヤツデを数えると、九つの切れ込みがあります。「八」は縁起のいい数字だったから「ヤツデ」にしたんでしょうか、謎です。

大きな葉はまた「天狗の団扇」とも呼ばれています。


花は、11月から12月ごろに、木の頂上に咲きます。花は、白い茎を60cmくらいに伸ばし、ひと房にたくさんの花を咲かせます。
ヤツデ実と花
虫が止まっている白いものが花で、緑色の丸いものは受粉が済んで実を結んだもの。
花には甘い蜜と強い臭いがあり、虫がたくさん集まります。メジロなどの野鳥も蜜を吸いに来ます。
実は1〜3月ごろ熟します。熟すと黒くなり、重みでさらに垂れ下がります。ヒヨドリの好物です。

ヤツデ手入れ (ピノ子流)

植え付け(5月下旬~6月)
5月、引越しの時、借家の大家さんに、借家の庭にあったヤツデをもらいました。借家の庭からショベルで掘ってきて植えました。土は重いので全て落として持ってきました。
湿り気のある土を好むと言われ、一日2時間程度の太陽光があれば、大丈夫というので、家の裏側、西日が少し当たるところに植えました。以来27年間裏庭に緑陰を作ります。

肥料…あげたことがありません。

…植え付けた時にたっぷりあげて、以後あげていません。

剪定…樹高2〜3メートルになります。屋根に届くころ、5年に一度くらい強い剪定をし、あとは、飛び出して邪魔になった葉を生え際から間引きしています。古い葉は黄色くなって自然に落下するので、広い場所に植えたものはそのままでも大丈夫です。
2020531ヤツデ屋根に届く
5月31日、剪定前。屋根に届き、雨樋をたたきます。

芽のあるところで切ると確実に芽が出ます。
2020523ヤツデ
幹を見ると、このようにぼつぼつとした突起があります。これは新芽が出るところです。あまり小さくしたくない時はこの芽のある上で切るとすぐに新芽が出ます。切る時に芽を傷つけないようにします。

私は高さ1メートルくらいで切りました。幹が柔らかいのでノコギリで簡単に切ることができます。
2020531ヤツデ伐採後西側から
西側から見たところです。上の写真と見比べてみて下さい。同じ日に撮った写真です。

2020531ヤツデ伐採後東側から
東側から見たところです。こちらも5月31日の写真です。

切った幹は、樹液が出てきます。
2020531ヤツデ樹液
ヤツデの切り口

紫陽花の咲くころ
毎回、6月紫陽花の咲くころに剪定しています。2013年

紫陽花に光が当たります
剪定した後は、隣に植えた紫陽花にも光が当たります。

虫食い
2020531ヤツデ腐りかけの根元
太くなったヤツデは芯の部分が木質化して硬くなっています。枯れると、虫食いが起きます。たぶん白アリです。きれいに保つには、10年に一度くらいは抜いて株分けをし、更新すると根元が白アリの餌食になる事はなくきれいです。

増やし方
種を蒔きます
11〜12月ごろに花が咲き、翌年にかけて黒い種ができます。種はヒヨドリが大好きなので、食べられてしまいます。必要な分は網などをかけて食べられないようにします。種は、3〜4月に赤玉土で蒔きます。こぼれた種でもあちこち芽を出します。
2020531ヤツデ芽が出た
玄関わきに芽を出したヤツデ。
芽を出したものを鉢に移植して育ててもいいですね。

また、ヒヨドリが種まきをします。まさに「鳥のいるところに樹木有りby pinoko」です。
西側通路に芽を出したヤツデ
西側の通路脇に芽を出したヤツデ。邪魔なので抜きました。写真の穴ぼこは、ユスラウメが枯れたので抜いた穴です。

株分け
ヤツデは、地際から芽を出し増えます。その増えた脇芽を株分けして増やします。4〜6月ごろまでに行います。最初は鉢などに植え、水を切らさないようにして日陰で育て、2週間ぐらい過ぎたら2時間ぐらい日のあたる所に移動します。9月中旬を過ぎたころに鉢から抜いて定植すると上手くいきます。

鉢植えで育てたい時は大きい鉢に植えるとそのダイナミックさを十分に発揮できます。鉢でもかっこいいです。風が強い時は転ばないように倒しておくか、他の木に縛って固定しておきます。
鉢土は赤玉土7、腐葉土3で植えます。水切れに注意します。肥料は、骨粉と油粕の混ざっている肥料を春新芽が伸びるころに少しあげます。

挿木
直径2センチくらいのものを15センチくらいにカットして赤玉土に差します。4〜5月が定期です。 根が付くまでは日陰で管理します。水を切らさないように注意します。

病気・・・見当たりません。

害虫
アブラムシ・・・黒いアブラムシが付きました。新芽に付くことが多いので、新芽の時期は特に気を付けてみます。牛乳を溶かしてスプレーするか、被害のあるところは、切って捨てます。

カイガラムシ・・・白い綿を付けたものや、透明のゾウリムシの小型版の様な黄色いカイガラムシ・ミカンワタカイガラムシが付きます。少ない時は歯ブラシなどでこすり落とします。
わたしは、4年前に、ゾウリムシの小型の様なミカンワタカイガラムシが全体の3分の2ほどついていたことがあって、地際から切って捨てました。その後伸びてきたものはカイガラ虫の被害はありませんでした。今は健全に育っています。

おなじように育てていても、虫の凄い年平和な年があります。

日陰の庭に断然お勧めの植物です。
ヤツデは、庭を一巡するとあちこちに芽を出しています。昨年草取りしている時に見つけたヤツデ。
202062ヤツデ3年生
倉庫の隣に、夏は菊などが生い茂り強い日差しを防ぐ場所にヤツデが芽を出していました。 3年生です。これを育てようと思っています。

日陰の庭に何か緑を植えたいけど何を植えようか・・・と、考えているなら断然ヤツデをお勧めします。高さを出すことが出来るし、切るのも簡単にできるし、どこで切ってもどこからかしか芽を出してくれる丈夫な植物。27年間植え替えも肥料も無しで綺麗な葉を保ってくれます。
斑入りのやつでもあります。シーンに合わせて、楽しむといいですね。
内緒ですが、我が家のヤツデは、ヒヨドリの仕業か、お隣さんたちの庭にも増植しています。

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