美しいファーコートを着たこの大きな生き物はいったい何者?

毛が長いので、雨のしずくが毛についています。
マイマイガの幼虫を観察して生態を調べる。
観察場所・・・茨城県北部、ピノ子の庭
マイマイガ
マイマイガは、成虫オスは羽を広げた大きさが4〜5センチ、メスが8~9センチ。オスは昼間クルクル舞うように飛ぶことからマイマイガと名付けられたそうです。メスは夜活動します。
成虫は6月ごろから現れます。
冬、木の幹や枝などに産卵してあるのが見られます。このまま卵で越冬します。冬の寒さから卵を守るため雌はお腹の毛を貼り付けるのだそうです。

庭では、最初の頃は高い柿の木の枝やコニファーの幹にベージュの綿を貼り付けたような感じで産卵していました。その内、低い位置で、バラの枝にも産卵するようになりました。
枝を縦に切り裂いたように産卵しています。毛虫が孵化した後、枝は裂けたままの状態になります。いずれにしても切らなければならなくなります。
建物の壁などにも産卵するそうですが、私は見たことがありません。
8月15日、マイマイガが柿の木に卵を産んでありました。

マイマイガの卵、2020年8月15日撮影。卵は綿で覆われ保護されています。

以前撮った卵の写真がどうしても見つからずがっかりしていたら、ずっと取材をさせてもらっていたマイマイガが、卵を見えるところに産んでくれました。「成長を見守ってくれてありがとう」と言っているかのようです。気が利きますね~、ありがとう。
幼虫は、4月ごろ発生
丁度、柿の葉が芽吹き新緑の美しい頃に孵化し、糸を垂らし、風を利用して好きなところへ移動します。幼虫の大きさは、約3ミリあるかないかという大きさ、まるで糸くずのようです。糸を垂らした姿を見て「ブランコケムシ」 とも呼ばれます。
糸を垂らし好みの場所についたら、脱皮をしながら成長します。
幼虫の食草
バラ科の植物で、庭の植物では、ユスラウメやバラのしっかり成熟した葉を食べます。

6月に赤い実をつけるユスラウメ。樹高3メートルくらいで枝が密に茂る落葉樹。実がなるととても美しいですが、実は酸っぱいです。

バラ、新芽より特に硬く締まった葉を食べます。
大きくなった幼虫は毛が刺さり痒くなります。素手で触らないようにします。

脱皮をしたところです。中央上の大きい幼虫が脱皮後、その下の方にある小さく短いのが抜け殻です。抜け殻も毛があります。触れると痒くなるので、肌に触れないよう穴を掘って土の中に埋めます。

終齢虫です。図鑑では6センチと書いてありましたが、計ってみると10センチくらいありました。直接定規を当てるわけにいかないので、小枝を使って測りました。
いつも私がそばで草取りとかしていてもお構いなしでバラの葉を食べていますが、カメラを向けられると緊張するようです。毎回ピタッと動かなくなります。

お腹いっぱいになったので木の下の方に行こうとしているところ。カメラを向けたので動きません。
6月終わりから、7月の初めにの頃に、サナギになります。サナギになる場所は、ツタの生茂る影や、切った木の枝が積まれた場所などにいます。光沢のある茶色で、大きさは4センチくらいで、太いです。割りばしなどで取ってゴミに出します。
生まれたての毛虫には毒がある
生まれたての幼虫には毒があり、触れるとかぶれます。皮膚についたら掻かずに水で洗い流します。外に洗濯物を干していて毛虫がついてしまった場合、洗濯物に付いた毛虫は水で落とした後、毛を完全に落とすためにも2度洗いをお勧めします。
糸を垂らした毛虫は、窓を開けていると風に吹かれて窓から入ってくることがあります。
大きくなった毛虫を触ると毛が刺さり痒くなります。もし触ってしまったら、水でしかり洗い流します。
毛虫を庭で繁殖させないための駆除の仕方
卵の段階で早期駆除
まずは、マイマイガの卵を見つけて取り除くこと、冬の間に、庭の木をくまなく点検して、生み付けられた卵を、枝に産み付けてあれば枝ごと切り取り、木の幹に産み付けられていたら、樹を傷つけないようナイフなどで取り除きます。
卵を寒さから守るため雌のお腹の毛で覆っています。その毛を吸い込まないようマスクをして作業します。
毛虫が生まれてしまったら
生まれたばかりの時は、枝ごと切りとって袋に入れてゴミに出します。毒があるので手袋などをして、気をつけて作業します。
糸を垂らしブラブラし始めると、捕まえるのは大変です。お箸などで1匹ずつ挟んでとって土に埋めます。
殺虫剤で駆除する方法があります。死んだ毛虫の毛が飛び散って触れたりするとかぶれます。死んだ毛虫も土に埋めます。
大量に卵が産み付けられ一斉に孵化した場合など、手に負えない時は、業者さんに頼んだ方がいいという意見もあります。
大きくなった毛虫の駆除の仕方は、私は、土を掘ってそこに落とし、土をかぶせて足で踏んで埋めています。殺虫剤などで駆除する場合は、死んだ毛虫の毛が飛び散るので、そのままのにせず土に埋めます。
マイマイガの天敵
ホトトギスやカッコウが大きい毛虫を食べるそうです。私の住む地域にも、カッコウもホトトギスも来ますが、庭の毛虫が減ることはありません。托卵をしながら旅をする鳥たちは忙しいのかもしれません。
コマユバチが寄生します。コマユバチが寄生すると、幼虫は成虫にはなれず死んでしまいます。
毛虫の観察
毛虫は出来れば見たくない存在です。私の花を食べてしまうし、何より姿かたちが苦手です。しかし、観察してみると、意外な発見があります。放射状に綺麗に生えそろっている毛、綺麗なのに華奢なのに毒がある恐ろしい毛。しかも、いろんな色を持っているのも面白いです。
コニファーには毛虫はつかないと思っていたら、ゴールドクレストを食べるエメラルドグリーンのピカピカした綺麗な毛虫がいました。
体の毛がまっ黄っ黄で、おしりの所にアンテナみたいにオレンジの毛が一束すくっと立っていて、それはそれは派手な毛虫がいました。
マイマイガの幼虫を見るようになって他の毛虫にもちょっと興味が湧いている今日この頃です。
参考図書・・・学研科学図鑑スポンサーリンク

毛が長いので、雨のしずくが毛についています。
マイマイガの幼虫を観察して生態を調べる。
観察場所・・・茨城県北部、ピノ子の庭
マイマイガ
マイマイガは、成虫オスは羽を広げた大きさが4〜5センチ、メスが8~9センチ。オスは昼間クルクル舞うように飛ぶことからマイマイガと名付けられたそうです。メスは夜活動します。
成虫は6月ごろから現れます。
冬、木の幹や枝などに産卵してあるのが見られます。このまま卵で越冬します。冬の寒さから卵を守るため雌はお腹の毛を貼り付けるのだそうです。

庭では、最初の頃は高い柿の木の枝やコニファーの幹にベージュの綿を貼り付けたような感じで産卵していました。その内、低い位置で、バラの枝にも産卵するようになりました。
枝を縦に切り裂いたように産卵しています。毛虫が孵化した後、枝は裂けたままの状態になります。いずれにしても切らなければならなくなります。
建物の壁などにも産卵するそうですが、私は見たことがありません。
8月15日、マイマイガが柿の木に卵を産んでありました。

マイマイガの卵、2020年8月15日撮影。卵は綿で覆われ保護されています。

以前撮った卵の写真がどうしても見つからずがっかりしていたら、ずっと取材をさせてもらっていたマイマイガが、卵を見えるところに産んでくれました。「成長を見守ってくれてありがとう」と言っているかのようです。気が利きますね~、ありがとう。
幼虫は、4月ごろ発生
丁度、柿の葉が芽吹き新緑の美しい頃に孵化し、糸を垂らし、風を利用して好きなところへ移動します。幼虫の大きさは、約3ミリあるかないかという大きさ、まるで糸くずのようです。糸を垂らした姿を見て「ブランコケムシ」 とも呼ばれます。
糸を垂らし好みの場所についたら、脱皮をしながら成長します。
幼虫の食草
バラ科の植物で、庭の植物では、ユスラウメやバラのしっかり成熟した葉を食べます。

6月に赤い実をつけるユスラウメ。樹高3メートルくらいで枝が密に茂る落葉樹。実がなるととても美しいですが、実は酸っぱいです。

バラ、新芽より特に硬く締まった葉を食べます。
大きくなった幼虫は毛が刺さり痒くなります。素手で触らないようにします。

脱皮をしたところです。中央上の大きい幼虫が脱皮後、その下の方にある小さく短いのが抜け殻です。抜け殻も毛があります。触れると痒くなるので、肌に触れないよう穴を掘って土の中に埋めます。

終齢虫です。図鑑では6センチと書いてありましたが、計ってみると10センチくらいありました。直接定規を当てるわけにいかないので、小枝を使って測りました。
いつも私がそばで草取りとかしていてもお構いなしでバラの葉を食べていますが、カメラを向けられると緊張するようです。毎回ピタッと動かなくなります。

お腹いっぱいになったので木の下の方に行こうとしているところ。カメラを向けたので動きません。
6月終わりから、7月の初めにの頃に、サナギになります。サナギになる場所は、ツタの生茂る影や、切った木の枝が積まれた場所などにいます。光沢のある茶色で、大きさは4センチくらいで、太いです。割りばしなどで取ってゴミに出します。
生まれたての毛虫には毒がある
生まれたての幼虫には毒があり、触れるとかぶれます。皮膚についたら掻かずに水で洗い流します。外に洗濯物を干していて毛虫がついてしまった場合、洗濯物に付いた毛虫は水で落とした後、毛を完全に落とすためにも2度洗いをお勧めします。
糸を垂らした毛虫は、窓を開けていると風に吹かれて窓から入ってくることがあります。
大きくなった毛虫を触ると毛が刺さり痒くなります。もし触ってしまったら、水でしかり洗い流します。
毛虫を庭で繁殖させないための駆除の仕方
卵の段階で早期駆除
まずは、マイマイガの卵を見つけて取り除くこと、冬の間に、庭の木をくまなく点検して、生み付けられた卵を、枝に産み付けてあれば枝ごと切り取り、木の幹に産み付けられていたら、樹を傷つけないようナイフなどで取り除きます。
卵を寒さから守るため雌のお腹の毛で覆っています。その毛を吸い込まないようマスクをして作業します。
毛虫が生まれてしまったら
生まれたばかりの時は、枝ごと切りとって袋に入れてゴミに出します。毒があるので手袋などをして、気をつけて作業します。
糸を垂らしブラブラし始めると、捕まえるのは大変です。お箸などで1匹ずつ挟んでとって土に埋めます。
殺虫剤で駆除する方法があります。死んだ毛虫の毛が飛び散って触れたりするとかぶれます。死んだ毛虫も土に埋めます。
大量に卵が産み付けられ一斉に孵化した場合など、手に負えない時は、業者さんに頼んだ方がいいという意見もあります。
大きくなった毛虫の駆除の仕方は、私は、土を掘ってそこに落とし、土をかぶせて足で踏んで埋めています。殺虫剤などで駆除する場合は、死んだ毛虫の毛が飛び散るので、そのままのにせず土に埋めます。
マイマイガの天敵
ホトトギスやカッコウが大きい毛虫を食べるそうです。私の住む地域にも、カッコウもホトトギスも来ますが、庭の毛虫が減ることはありません。托卵をしながら旅をする鳥たちは忙しいのかもしれません。
コマユバチが寄生します。コマユバチが寄生すると、幼虫は成虫にはなれず死んでしまいます。
毛虫の観察
毛虫は出来れば見たくない存在です。私の花を食べてしまうし、何より姿かたちが苦手です。しかし、観察してみると、意外な発見があります。放射状に綺麗に生えそろっている毛、綺麗なのに華奢なのに毒がある恐ろしい毛。しかも、いろんな色を持っているのも面白いです。
コニファーには毛虫はつかないと思っていたら、ゴールドクレストを食べるエメラルドグリーンのピカピカした綺麗な毛虫がいました。
体の毛がまっ黄っ黄で、おしりの所にアンテナみたいにオレンジの毛が一束すくっと立っていて、それはそれは派手な毛虫がいました。
マイマイガの幼虫を見るようになって他の毛虫にもちょっと興味が湧いている今日この頃です。
参考図書・・・学研科学図鑑