1年間使った土は使える?それとも捨てる?

買った土は水はけもよく植物が良く育ちます。できればよい状態でずっと使いたい。

・・・という訳で、わたしが今やっている古い土の再生方法をまとめました。
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作業場所・・・茨城県北部ピノ子の庭

古い土の中
春から花を植えて楽しんだ鉢の中は、秋にはどんな風になっているのでしょう、覗いてみます。
一年使った土
植物の根が所狭しと張り巡らされています。水を毎日やり続けていたために土は硬くなり、微塵も出来ています。加えて、良い菌と悪い菌が入り混じっています。
更には、雑草の種があるかもしれない、害虫の卵も産みつけられている可能性もあります。
そこで、土の再生作業をします。

作業を始める前に
鉢に植えてあった植物がどんな状態だったか観る
ウイルス病にかかっていなかったか
同じ種類のチューリップ
同じ種類のチューリップですが、縦に絞りが入ったようなものがあります。ウイルス病ではないかと思われます。

虫の被害はなっかったか・・・カナブンの幼虫がいる場合、土は幼虫のフンでさらさらしています。根は幼虫に食べられてほとんどなくなっています。
ミミズが入り込んだ場合、水をやっても植物は萎れたままです。
ありの巣、植物は萎れやがて枯れます。

植物が根元から腐ってちぎれた・・・これも悪い菌にやられてしまったかもしれません。

以上の様な症状がないにもかかわらず、元気のない花は、鉢から抜いて根をみます。
根に小さなコブのようなものができていたら、ネコブ線虫です。(ネコブ線虫については別に書きました)

これらの症状があった場合、健康な植物の鉢土とは別にして作業します。

健康な古い土の再生法
用意するもの
ビニールシート、ふるい、土の入る容器2つ。
私の使っているふるいは、37センチで、荒目(7ミリ)、中目(5ミリ)、細目(2〜3ミリ)の網がついています。結構長く使っていて、よく使う荒目はボロボロになっています。
ふるい
私のふるいです。20年来の戦友。ここ10年近く体中痛くてあまり使っていませんでした。土を入れて振るうと結構重いので、今度買う時は小さいサイズが欲しいと思いました。



天日干し
天日干し
1、広げたビニールシートの上にプランターから土を出し、根を取り除きます。

2、7~10ミリふるいにかけてごろ土と用土を分けます。ふるいにかけると空気に触れ雑菌が減ります。

3、プランターにごろ土と用土を別にして平らに広げてジョウロで水をかけ、天日干しにします。(約3ヶ月)

4、時々用土をかき混ぜます。用土が乾いたら水を掛けておきます。冬は凍る戸外に置き、夏は日の当たる場所におきます。昆虫の卵や雑菌がある程度死滅します。

5、草花を植える時は、古い土4と新しい赤玉土3に腐葉土3を混ぜて使います。

害虫や菌に侵された土の再生法
用意するもの
やかん、熱に耐えられる駄温鉢、ふるい、その他、黒のビニール袋。

熱湯消毒
雑菌、虫の発生した時に有効です。雑菌や虫の卵、雑草の種などを殲滅することができます。

土を消毒する前にやること
抜いた植物は袋に入れて燃えるゴミに出します。植物を植えていた鉢はきれいに洗います。
熱湯消毒
1、駄温鉢など高温に耐えられる鉢に用土を入れて、80℃以上の熱湯を掛けます。コーヒーを入れる時のような感じの土の状態になります。

2、土が冷めてある程度乾いたら荒目(7~10ミリ)のふるいにかけ、用土とごろ土とを分けます。
新しい花を植える時は、古い土4と新しい赤玉土3に腐葉土3を合わせて草花を植えます。

黒のビニール袋を使った再生法
ベランダで熱湯は使えない場合、黒いビニール袋を使います。
植物を抜いて根を綺麗に取り除いたら、古い土と古い土の3割くらいの腐葉土と、油粕適量(1リットル当たり大さじ1杯くらい)入れて混ぜて水を湿らす程度にかけた後、黒のビニール袋に入れ口を縛り、夏の強い日差しの下に置きます(7~8月)。油粕を入れる理由は、発行する時に熱を発するのではという期待もあります。袋を裏に返したり表にしたりして混ぜながらまんべんなく日に当てます。

土を使う時には、多少の油粕成分が残っているので、調整して使います。

一応ビニール袋の方法も書きましたが、この方法はすぐにやめました。時間がかかるし、日の差さない冷夏の年もあって、果たして病害虫は殲滅しただろうか・・・という疑問が残りました。今は熱湯消毒だけしています。早くて簡単で、悩まなくて済みます。

古い土に微塵が多い時
微塵の多い土は水はけが悪くなります。水はけがよいかどうかわからない時は、苗を植える前に、鉢に土を入れ水を差して、すぅーッと水が抜けていくようなら大丈夫です。時間をかけて水が引いていくようなら微塵を取り除いてからブレンドをし直します。

微塵を取り除くときのふるいは2ミリくらいの物を使います。台所のざるでも代用できます。
鉢土が少ない時は、ごろ土と植え込み用の土の分別は手で行い、微塵を取り除くためにざるを使ってもいいです。
また、草花を植える時、ごろ土を網などに入れて花を植えると、後の分別も簡単にできます。

厄介なネコブ線虫
線虫類にはたくさん種類があるようです。その中のネコブ線虫についてもいろいろ種類があるようです。全部はわからないので私の庭に起きた事実を書きます。

我が家の線虫物語り
家の裏から西側の花壇に植えたインパチェンスの根にコブのようなものがありました。それから他の植物にも次々と伝播して、南側に植えたオクラやインゲン、きゅうりの根もコブができました。生育不良で、野菜はあまりいい出来ではありません。きゅうりときたら、7月のこれからというときに枯れてしまいました。収穫は、2株で6本。抜いてみると、根にボコボコとコブがありました。

下の絵は、健康なインパチェンスの株とネコブ線虫が発生したインパチェンスの株との比較です。北側に植えたから元気がないいのだと思っていましたら、引っこ抜いた根は少なく、コブがいっぱいつていていました。
健康な株とネコブ線虫にかかった株と

健康な株は、鉢いっぱいに根を張り巡らせ、葉は色濃く茂り花もたくさん咲きます。一方、線虫の被害に遭うと葉は黄色っぽくなり、花も少なくなります。

ネコブ線虫は植物の根にコブを作り卵を生みます。植物から栄養をとりながら成長します。成虫は、半透明で約1ミリくらいのミミズのような形で肉眼で見るのは難しいです。根のコブを見て線虫の被害に気が付きます。

線虫類の侵入経路
①、買った花苗についてきた
②、庭の土に住んでいた

多分庭に住んでいた先住民なのではないかと推測します。その理由は、インパチェンスは種を蒔いて育てたものだからです。

なぜ庭中に増えた?
私は、線虫の存在そのものの知識がなく、庭中を掘り返した同じショベルやハサミなどを使って鉢土も掘り返していました。

花の終わった鉢は、裏庭の地面に直接置いていました。使う時はふるいにかけただけで使っていました。

このようなことで、目に見えない小さな線虫は、私に運ばれて庭中に広がったのではないかと思われます。

庭で栽培した植物で線虫の被害にあったもの
花・・・インパチェンス、金魚草、ネメシア
野菜・・・オクラ、インゲン、キュウリ

これらは、ネコブ線虫の被害にあったと気づいたものです。

これからの線虫対処法
道具の使い回しをしないこと
使ったら熱湯で消毒をすること。作業中手を止めるのは難しいので、よく使うミニショベルと剪定用のハサミをもう一つずつ買い足しました。

連作をしない
線虫の発生した植物は、堆肥にせず、袋に入れて燃えるゴミに出し、連作はしません。

マリーゴールドを植えています。
マリーゴールドは、線虫類を寄せ付けない効果があります。花が終わったら植物は土に埋めて肥料にします。枯れていても効果あります。
1018マリーゴールド
マリーゴールド、10月18日の様子。他の草花は秋に向かい花が少なくなっていく中で、マリーゴールドは霜が降りるまで綺麗に咲いています。特にスッキリとした黄色がお気に入りです。

土は熱湯消毒をしてます。
鉢土の古い土は必ず熱湯で消毒をしてから使います。また、庭にはほうれんそうのゆで汁やゆで卵のお湯などをまめにかけています。しかし、植物のある所にはかけられないので、あまり期待できません。

花は台に乗せています。
庭の土は仕方ないですが、鉢の植物には線虫被害を出したくないので、鉢は台に乗せて、直接土に触れないようにしています。

農薬も試しました。
顆粒タイプで、クレマチスを植える前に植え穴に撒きました。とてもよくききました。しかし、犬や猫などのペットが庭で遊ぶので、危険だと思ってやめました。
庭に潜り込んだ線虫は、地中深く潜ると農薬も効きにくいのではと思います。

ミミズ戦士に託す
「ミミズは土の中のものを食べてよい土にするから、線虫も食べてくれる…」というのを聞いて、試しに、大発生したコンポストの中のミミズ軍団に助けを求めました。大量に手ですくって庭へGO!!
結果はわかりません。

まとめ
いろいろやっていますが、全く厄介な害虫です。まずは持ち込まない。買った花苗は植えるときに根のチェックを怠りなくすることではないかと思います。

線虫には、寄生せず地中の生物を食べるのもいて、その排泄物は、植物が成長する上でも欠かせないものだそうです。そしてその自活する線虫の排泄物で、ネコブ線虫は死んでしまうらしいです。農薬を使うと簡単ですが、ネコブ線虫もよい線虫も全滅です。土を肥やして、よい線虫を増やし農薬に頼らなくてもいいように、これからも試行錯誤です。

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