2021年6月19日土曜日午後3時、愛猫ソラは、事故の後遺症と病気と闘い続けた13年6ヶ月の猫生を終え天国に還りました。
家族みんなに見守られての旅立ちでした。
げんきだったころのそら
2016年2月のころのソラ

ソラの13年と6ヶ月の猫生
2008年1月、ごみ置き場で見かけました。次に見たのは半月ほどたってから、鼻はもげ体中の毛ははげて、足を引きずるように歩いていました。
ある日、犬走にラップや卵パックのヒモが吐いてありました。それを見たとき、家で面倒を見ようと思いました。それから、毎日餌と水を置いて変なものを口にしないようにしました。
2008年1月28日
うちで餌を置くようになると、うちの周りで過ごすようになりました。

20080202ソラ
2008年2月2日、ポリバケツの上で。

ソラは私たちが自分に危害を加えない人間だと見極めたようです。
遂にソラは我が家の一員になりました。
20080304ねる_切取色
2008年3月4日、毛布の上でお腹を上にして寝るソラ。

座椅子の上
2008年3月30日のソラ。どこでも楽しいソラ。

左腹部に大きなコブがあり、レントゲンで見ると右大腿骨が折れた跡がありました。コブがあるため食事の度吐いていました。コブを触ると痛がりました。
秘密基地
2008年5月のころ。箱を並べた遊び場が好きでした。キャリーバックに慣れさせるために、遊びながら入れたり出したりしていました。右側に黒く写っているのはトイレ代わりの庭の土です。家の中でトイレをさせるための工夫です。猫砂を少しずつ足していきました。

お腹のコブを取り除こうと手術を試みるも、手術でもコブを取り除くのは難しくソラの体の一部になりました。
ソラひもで遊ぶ
待てニャ!!

うぬぬぬ・・・
ぬおおお・・

コブの中には1センチ四方くらいのプラスチックの破片がありました。それを取り除いたら触っても痛がらなくなりました。
同時に去勢手術を行いました。すでに4歳になっていました。
二本足はお得意
遊ぶのだ~い好き!!

なにゃ???
こんなおちゃめな顔も・・・

その後便秘の治療をやりました。10歳の時です。その1年くらい前から格闘していました。
内臓の位置が違うこと、腸が蛇行して食べたものを腸に送り込むのが難しい・・・など、知れば知るほど困難を抱えて生きていることがわかりました。
今日はよく働いたにゃ!
小さいころから背筋を伸ばしていました。猫背ではない猫。

背筋を伸ばすにゃ
寝るときはいつもペロリ~ンと体を伸ばして寝ていました。

2021年1月、肝リピドーシスかもしれないといわれた時には既に症状が悪化していました。
「いつ死んでもおかしくない・・」状態だったそうで、それは診察の度に言われました。
獣医さんに相談して対症療法を望みました。

20210401ソラ
2021年4月1日。よく外を見ていました。

ソラは、肝リピドーシスの治療のために処方された缶詰だと便秘になるので、可溶性食物繊維の処方食を砕いてすり鉢ですりつぶしお湯を加えてペースト状にしたものを与えていました。
20210609ソラ
6月9日、歩くのもきつくなっていました。

6月11日、体重は2キロ、体中の筋肉がなくなり、ウンチを出す力もなく、病院で治療する以外ありませんでした。もう2日間も排便したくても出なくてねれないでいます。とにかく今の眠れないほどの排便のできない苦しさを何とかしなくてはなりません。
ソラにはきつい治療だったと思います。しかし今回は帰ってきてから鮭やサンマを食べたがりました。

とても元気になったように思いましたが、それは短い間だけでした。食事はもっぱら注射器で5グラム程度しか食べられなくなっていました。

薬は15日からほとんど吐き出していました。16日から飲む水の量が減りトイレにもいかなくなりました。

6月17日あたりから体が異常に冷えました。足はこわばり、寝返りをさせるとき突っ張っていました。無理矢理布団から出て体を冷やそうとします。しかしソラの体はとても冷たくて冷えすぎです。
夜の薬を与えているときもう飲み込めないことが確実であることがわかりました。

湯たんぽで体をあっため体マッサージすると楽になるのか寝ていました。

6月18日昼間、二階に行きたがるので抱いて連れて行きました。ベランダのいつもの場所で顔を起こして外を見ました。長男にはずっと体をマッサージしてもらい、お父さんには膝に乗せてもらい暖かい手で撫でてもらっていました。
とても幸せそうでした。

兄貴の膝で
6月18日夜。兄貴(次男)の膝の上で前足でサンキューをするソラ。

体は動かなくてもしっぽをわずかに動かしてコミュニケーションをとろうとしていました。それはとても楽しそうでした。

多分ずっと体のどこかが痛い猫生だったと思います。最後は水も飲めず何も食べられませんでした。体重は1.9キログラムでした。

6月19、水を飲んでいなかったので、喉を潤すため注射器で2ミリほど口に水を含ませました。口に入れたわずかな水は、ごくんと喉を通過しました。

闘い続けたソラ、家族思いのソラがみんなが揃っている時間を待っていたかのように午後3時大きく息を吸った後に静かになりました。

知っていたらもっと快適だったかも?!
便秘には処方食がある
便秘には処方食があってよくなることを、獣医さんに相談して知りました。

去勢猫に多い肥満
180728そら_色
かなり立派な体格でしたが、家族はかわいくて「そうでもない」と思っていました。

去勢猫は肥満になりやすいということ。
太くなって問題になるのは肝臓に脂肪がついて肝機能を低下させてしまうことです。

去勢とは直接関係はありませんが、去勢をすると太りやすく、太ると肝リピドーシスのリスクがあることも知っていたらよかったです。

ペットシーツの活用
ウンチ問題は苛烈を極めました。ペットシーツを使うという方法を思いついていたら、少し楽だったかもしれません。
ソラのトイレ
トイレの前に敷いておいたら歩けなくなったソラがすぐの利用しました。

それとソラは胃がいびつで食後はよく吐いていました。ペットシートを敷き詰め対応できたら、雑巾がけが減り手荒れが減ったかもしれません。

獣医さんの仕事は命を守ること、家族は・・・
動物病院に行くとお医者さんは手を尽くして治そうとしてくれます。いかにソラが快適に過ごせるかをアドバイスしていただました。
かくれんぼ
かくれんぼ

家族である私たちにできることは、家族一致で治療方針をしっかり持つのが大事なことだと、ソラの看病を通して強く思いました。
20131123
日向ぼっこが好きなソラ。

家族はペットの心の満足を与えられる唯一無二の存在であるとも思いました。

ペット霊園をさがす
さて、ペットがなくなると必ず考えなければならないのが「亡骸をどうするか」ということ。

ネットで調べて、料金がはっきりしている「ペット葬儀110番」を選びました。
電話をするとオペレーターの方が、住所やペットの種類、体重を聞きました。

次に葬儀屋さんから電話があり(約30分後)、料金の支払い方法やペットの引き取りの日時の打ち合わせを約5分ほどしました。

約束の時間の10分前に電話をいただき、引き取っていただきました。その際、火葬証明書を発行していただくことにしました。

6月22日には郵送で合同火葬証明書が届きました。

料金
猫、1.9キログラム、引き取り合同火葬・・・15,400円
合同火葬証明書(後日郵送で受け取り)・・・1,100円

以上がペット霊園でかかった費用です。

「ペット葬儀110番」の対応について
電話での対応は事務的で、必要なことを明確に手短に伝えていました。冷たそうに見えても、ペットをなくしたばかりの飼い主にはとても親切で温かい配慮だと思いました。日時を指定して引き取りに来てもらいましたが予定の時間には来てくれました。これもありがたいことです。あまり遅いとお別れが悲しくなります。

最後に「もうお別れはすみましたか?」と聞かれ、「だいじょうぶです。」というと亡骸は車に乗せられました。そのまますっと行くのかと思ったら、角を曲がって家が見えなくなるまで車はゆっくり走りました。飼い主にもペットとの別れをさせてもらえ、ペットにも今まで住んでいた家とお別れをさせてくれているんだなと思いました。

安心して預けることができると確信しました。

ソラが息を引き取った後にしたこと
ソラが息をひきとってから4時間後に、何度も息をしていないか確かめてから「ペット葬儀110番」に連絡をしました。
ソラ塀の上
7時間後、みんなで体中撫でて確認して息をしていないことを確かめました。体もさらに硬直が進んでいました。
遺体は、死後少しずつ腐敗が始まるそうです。腐敗が進まないよう氷などで冷やすとよいそうですが、まだぬくもりの残る体に、いきなり氷をあてるには抵抗がありました。
皆で触って納得して、頭とお腹に氷の袋を置いて、さらにはこの上にバスタオルをのせて冷気が逃げないようにしました。
翌日、葬儀屋さんが迎えに来るまで冷やしました。

詳しくは「ペット葬儀110番」のホームページをご覧ください。ペットが亡くなってからやることを詳しく書いてありました。

ソラの葬儀を済ませて・・・
ソラは本当に家族思いです。今を生きることの大切さを教えてもらいました。明日のことを心配して先回りしないように、いつもやっているように、自分の死を大げさに悲しまないように、いつまでも思い出に浸らないように・・・
そんなことを教えてくれました。
庭が好き

私は、昨年、家のペンキ塗りをしたときに体調を崩して、食事はおかゆや雑炊ばかりでした。そんな中での看病でしたから、「空の看病ができなくなっては大変、よほど自己管理をしっかりしなければ・・・」と思い詰めました。
その気持ちは日々の生活までギスギスさせてしまい、ペンパルからの手紙も封印し体調を整えることばかり考えました。やがて微熱が出はじめ頭痛はひどくなり目眩までおきました。3月27日には、食事を作っている時、あと5ミリで指を切り落としそうになるほどぼんやりしていました。

ソラの体力はすでに落ち、歩くのも難儀そうでしたが、今日という日を楽しんでいました。

「今」を楽しむことをソラを見て気づきました。起きてもいない明日を不安に思うことや、こうあるべきがいかに無駄であるか、気づけました。
幸い5月の半ばから私は少しずつ食べられるようになり力もわいてきました。今一緒にいられる時間を大切にしようと思えるようになりました。
庭で
変わらないこと、自分を幸せにすること、今を楽しむこと、家族を大切な友を愛すること、・・・看病しながらソラの心と会話をし続け、教わりました。

私たち家族は2008年2月、一匹の小さな野良猫を拾いました。猫は種を超え大きな体の人間と対等にいろんなことを切磋琢磨していくうち、たくさんの愛を家族に残す大きな存在となっていました。


スポンサーリンク