最初にリナリアを見たのは道路の安全帯です。色とりどりの無数の小花が風にそよぐ様は、なんとも言えない夢のような世界でした。しかし、その可憐な姿からは想像出来ないほど丈夫な草花です。
リナリア(姫金魚草)
ノースポールと同じく丈夫で手のかからない花といえばリナリア。姫金魚草(ヒメキンギョソウ)とも呼ばれ、花の形は大きい金魚草に似ています。花色も豊富で、どんな植物とも合わせやすいリナリアの育て方を書きます。
リナリア(姫金魚草)の育て方
分類・・・一年草の園芸種。秋蒔きで越年する。
花期・・・3月~5月
草丈・・・60~80センチ
耐寒性・・・強い
特徴・・・非常に丈夫で花色も豊富。重たい雨で倒れてしまうので支柱をするか、倒れても節からたくさん芽を出して花が咲くので、どちらでもいいです。
名前の由来・・・金魚草に似た花で小さいから「姫金魚草」となった。
大型の金魚草。これもこぼれ種で芽を出します。
金魚草の名前の由来・・・金魚の姿に似ているから又は金魚の口に似ているからその名がついたそうです。英名はスナップドラゴン(Snapdragon)、蜜を吸いにきた虫をドラゴンが食べているように見えるから、だそうです。
栽培場所・・・茨城県北部
栽培場所の気温と気候・・・-4℃~+34℃。夏ムシムシして、冬は乾燥して雪も少ない。
入手方法
秋に種を買って植えるか、ポット苗を買う。
ポット苗は花の咲いている状態で売られているので、花壇をデザインする時、イメージがわきやすくていいですね。
補足・・リナリアにはいくつか種類があって、小さいグッピー系や宿根系のものがあります。宿根系は育て方や花期が若干違うようです。私が育てているものは草丈が80センチくらいになる、秋に種まきをするタイプです。
種蒔き
9月下旬から10月。
用土
種まき用の土を使うと簡単です。
また、赤玉土小粒6:腐葉土3:ピートモス1を混ぜて、石灰を、土1リットルに対し小さじ1杯を目安に、2週間前までに混ぜておきます。
種まきの仕方
2センチ角のセルトレイやポット、または平鉢に蒔きます。種を蒔く前に用土を水で湿らせておきます。
種は細かいので、均等に蒔くようにハガキなどを半分に折って、そこに種を乗せて、ハガキを持っている手を軽くトントンとたたきながらすこしずつ種を鉢に落としていきます。セルトレイやポットは種3粒ぐらい入れます。
種に土は1ミリくらいかけるつもりで薄く掛けます。発芽まで新聞紙などを濡らしてかけておきます。
土が乾いたら鉢底から吸水できるものはして、できないものは蓮口をつけたジョウロなどでそっと水をやります。
芽が出たら日向に移します。土の表面が乾いてから蓮口をつけたジョウロで水をそっとやります。
セルトレイやポットに植えたものは、芽が2センチくらいになったら大きくて元気の良い苗2つ残して間引きます。平鉢も元気のいい苗を残します。水肥を規定より薄くして与えます。
背丈10センチくらいになったらさらに一本に間引きます。水肥を規定にして与えます。
平鉢は、ポットに1本ずつ移し日陰で管理します。根が活着した頃、約1週間くらいしたら水肥を規定より薄くして与えます。
リナリアは群生しても素晴らしいのでそのまま育ててもいいです。蒸れに弱いので株が弱ってきたら、根元をハサミで切って間引きます。
私の場合
プランターに、赤玉土小粒6腐葉土4を混ぜたものに種を蒔きました。種一袋全部、沢山ありましたが全部まきました。芽は蒔いたぶん出ました。10センチくらいの時、2〜3株ずつ花壇やプランターに移植しました。
春になって混みすぎたので、ただ抜いて移植をしましたが、花が咲き始めた株の、根を痛めつけながらの移植は失敗しました。
1999年4月初めのころ。忘れな草やノースポールと一緒に咲いています。
定植に適した場所と花壇の用意
花壇も鉢植えの管理も、日当たりと水はけの良い場所がいいです。
よく日の当たる場所は、株が大きくがっちりして分枝も多いです。1999年4月初めのころ。愛猫ムーです。鉢花用に作った白鳥がお気に入りで、いつもはまっていました。
花壇の用意
植え付ける2週間前までに石灰で中和しておき、植え付ける1週間前に腐葉土と肥料を入れて耕しておきます。水はけの悪い場所は、腐葉土を多めに入れたり、バーミキュライトをプラスして改良しておくと良く育ちます。肥料は、窒素リン酸カリが同等に入っているものを、規定より少なめに入れます。
上の写真でもお分かりのように、地質はあまり気にしなくてもよく育ちます。肥料も施しすぎはあまりよくありません。しかし、蒸れには弱いので、水はけと風通しはよくするような土作りをします。
鉢植え
草花用培養土を使うと簡単です。肥料の有無を確認します。草花用培養土だけでは水やりが大変な時は、赤玉土小粒を2〜3割混ぜると水やりが楽です。
自分でブレンドする場合、植え付ける2週間前までに、赤玉土小粒6腐葉土3酸度調節されたピートモスとバーミキュライトを合わせて1に、用土1リットルに対し石灰小さじ1杯を目安に混ぜておきます。植え付ける1週間前に草花用化成肥料を規定より少なめに、又は、窒素リン酸カリが同等に含まれたものを規定より少なめに混ぜておきます。
定植
花壇は、草丈20センチくらいになったら定植できます。11月までに済ませておくと安心です。霜が降りるところは早めに植えて根張りを良くしておきます。植えるのが遅くなってしまったら、株の周りに腐葉土を厚めに敷いて寒さよけをします。
鉢は、用土が無肥料の場合、定植した時に粒状の草花用緩効性化成肥料を鉢の縁におきます。霜や雪が降る時は日の当たる軒下におきます。春、暖かくなったら、日当たりのいい場所で鑑賞できます。
鉢は好きなところに移動できるのもいいところです。
肥料
花壇は、春、はじめの花が咲く頃に草花用化成肥料を株元にパラパラとまきます。私は元肥を入れたところは肥料をやっていません。
鉢は、肥料が入っていない用土を使用したとき、鉢に定植したとき、鉢のへりに草花用緩効性化成肥料を規定より少なめに置きます。春、株が勢いよく伸びるころに草花用緩効性化成肥料を鉢の縁に規定量より少なめにおきます。
肥料の入った草花用培養土の場合、肥料が何日間効くか確認して、肥料が切れるころに草花用緩効性化成肥料を鉢のへりに規定より少なめに施します。
3月のリナリア。これで一株です。草花用緩効性化成肥料「グリーン育ち」を与えました。ゼラニウムのために。
4月には光を求めて前へ前へと伸びました。
5月のリナリアです。たった一株です。もともと植えてあったゼラニュウムは、リナリアに負けて枯れてしまいました。ゼラニウムも蒸れと日陰に弱いです。
水やり
庭植えは、移植した苗が活着する2週間くらいは水を切らさないように土の表面が乾いたらたっぷりやりますが、後は水やりは必要ありません。
鉢植えは、鉢の表面が乾いたらたっぷりやります。蒸れに弱いので過湿にしないようにします。
花が咲いている間の手入れ
3月、花の少ないまだ肌寒い頃から日当たりのいいところでは花が咲きます。
茎が伸びると倒れやすくなります。支柱を立ててもいいですが、倒れた茎は切って脇芽を出します。
倒れたリナリアの茎
手前の中心当たりを切りました。脇芽でも立派な花を次々咲かせます。
切った後に勢いよく花茎を伸ばして花を咲かせます。
最終的には前面に植えたアネモネを飲み込む勢いです。
広い場所があるときは倒れたままにしておくこともあります。すると脇から花芽が出て40センチくらいでこんもり咲いてくれます。
転んだ白のリナリア
種の採取
花穂が上に伸びながら咲くリナリアは、下の方から種ができます。種を取りたい時は、茶色く変色したものを袋に取ります。秋に種蒔きとなります。
種を採取しない自然発芽を待つ場合
種は切り取らずそのままにしておきます。
愛犬の後ろ側にサワサワとしているのがリナリアの種ができた状態です。このままにして茶色く変色してきたら中の種も黒く発芽の準備ができています。草を抜いて、発芽してほしいところに逆さに振ると種がワッとひろがります。これで種まき完了です。
秋に発芽を見つけたら、小さいうちにポットに移植して育て、11月までに大きくできるようなら定植します。苗が小さいときは、春まで軒下の日当たりで管理して霜の心配が無くなってから定植します。
春に発芽を見つけたら、小さいうちにポット移植してある程度大きくしてから庭に定植します。
花を咲かせてもいい場所ならそのままにします。
こぼれ種で発芽したリナリア4月4日の様子。本当はもっとたくさん芽を出していましたが、大きくなるので抜きました。
4月21日には、上の写真の左側1株でこんなに咲きます。犬走側に倒れたものを何度か剪定しています。
背が高くなるリナリアは、花壇の後方に植えるといいです。
丈夫なリナリアならではの簡単種まき術です。
病害虫
寒い時は心配ないですが、4月になると新芽にアブラムシが付きます。牛乳を溶かして掛けるか、薬剤で退治します。4月にはガの幼虫が新芽を食べます。捕殺するか、薬剤散布で守ります。
暖かくなってくる4月から5月にかけてうどん粉病になることがあります。風通し良くして育てます。
一株で横40センチ縦80センチくらいになります。株が茂り込み合ってきたらアレンジなどに沢山とって風通しを良くするようにします。
濃い色同士のアレンジ。迫力あります。
ノースポールやシランを一緒にいけた野の花の花束のようなアレンジ。
庭の変遷を記憶する花
リナリアを植えたのは30年くらい前です。こぼれ種で今でも春になると花を咲かせています。
「風にそよぐ感じが好き」な私は、リナリアの咲き姿に惚れて、一時期庭はリナリアオンリーでした。
バラやパンジーが庭いっぱいになった時、リナリアは消えたかのように見えましたが、種は庭のどこかで出番を待っていたようです。
鉢やブロックのへりから小さな芽を出し、小さな花はミツバチを呼び、しっかり受粉をして命をつなげてきました。
かれんで華奢で、でも賢い花です。
強靭なリナリアと控えめな草花との共存
リナリアは一見華奢で可憐な感じに見えますが、実はビックリするほど強靭です。他の植物を圧倒する強さがあります。
一株直径40センチ四方はリナリアの茎でビッチリ風の通る隙間もないくらいです。
肥料分を必要とする草花と一緒に植えるとリナリアが全部吸い取ってしまうのではというくらいすごい勢いで伸びます。
道路の安全帯に群生していた理由がわかります。
2020年、体の調子が悪すぎて、手入れのできない荒れていく庭を見るのは辛い時もあって、写真はいつも光を通して撮っていました。
ホントはこんな感じ。こぼれ種で芽を出したリナリアをそのままにして、水なし、肥料なしで咲かせました。種もできるがままです。
おかげで今年も庭でリナリアが咲きました。
春の庭で、必ずどこかに芽を出しているリナリア。色も豊富で、どの色の花が咲いても他の植物の邪魔をせず、存在感もあって不思議な花です。
花は、やっぱり希望かな・・・
丈夫なノースポールやリナリアなど、上手に取り入れて花いっぱいの庭にしたいですね。
ノースポールの育て方は「庭に春よ呼ぶ秋蒔きの丈夫な花ノースポールの育て方」で見ることができます。
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リナリア(姫金魚草)
ノースポールと同じく丈夫で手のかからない花といえばリナリア。姫金魚草(ヒメキンギョソウ)とも呼ばれ、花の形は大きい金魚草に似ています。花色も豊富で、どんな植物とも合わせやすいリナリアの育て方を書きます。
リナリア(姫金魚草)の育て方
分類・・・一年草の園芸種。秋蒔きで越年する。
花期・・・3月~5月
草丈・・・60~80センチ
耐寒性・・・強い
特徴・・・非常に丈夫で花色も豊富。重たい雨で倒れてしまうので支柱をするか、倒れても節からたくさん芽を出して花が咲くので、どちらでもいいです。
名前の由来・・・金魚草に似た花で小さいから「姫金魚草」となった。
大型の金魚草。これもこぼれ種で芽を出します。
金魚草の名前の由来・・・金魚の姿に似ているから又は金魚の口に似ているからその名がついたそうです。英名はスナップドラゴン(Snapdragon)、蜜を吸いにきた虫をドラゴンが食べているように見えるから、だそうです。
栽培場所・・・茨城県北部
栽培場所の気温と気候・・・-4℃~+34℃。夏ムシムシして、冬は乾燥して雪も少ない。
入手方法
秋に種を買って植えるか、ポット苗を買う。
ポット苗は花の咲いている状態で売られているので、花壇をデザインする時、イメージがわきやすくていいですね。
リナリア 姫金魚草 高性混合
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補足・・リナリアにはいくつか種類があって、小さいグッピー系や宿根系のものがあります。宿根系は育て方や花期が若干違うようです。私が育てているものは草丈が80センチくらいになる、秋に種まきをするタイプです。
種蒔き
9月下旬から10月。
用土
種まき用の土を使うと簡単です。
種まき用培養土 細粒
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こまかいタネがまける土ピートバン
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また、赤玉土小粒6:腐葉土3:ピートモス1を混ぜて、石灰を、土1リットルに対し小さじ1杯を目安に、2週間前までに混ぜておきます。
種まきの仕方
2センチ角のセルトレイやポット、または平鉢に蒔きます。種を蒔く前に用土を水で湿らせておきます。
種は細かいので、均等に蒔くようにハガキなどを半分に折って、そこに種を乗せて、ハガキを持っている手を軽くトントンとたたきながらすこしずつ種を鉢に落としていきます。セルトレイやポットは種3粒ぐらい入れます。
種に土は1ミリくらいかけるつもりで薄く掛けます。発芽まで新聞紙などを濡らしてかけておきます。
土が乾いたら鉢底から吸水できるものはして、できないものは蓮口をつけたジョウロなどでそっと水をやります。
芽が出たら日向に移します。土の表面が乾いてから蓮口をつけたジョウロで水をそっとやります。
セルトレイやポットに植えたものは、芽が2センチくらいになったら大きくて元気の良い苗2つ残して間引きます。平鉢も元気のいい苗を残します。水肥を規定より薄くして与えます。
背丈10センチくらいになったらさらに一本に間引きます。水肥を規定にして与えます。
平鉢は、ポットに1本ずつ移し日陰で管理します。根が活着した頃、約1週間くらいしたら水肥を規定より薄くして与えます。
リナリアは群生しても素晴らしいのでそのまま育ててもいいです。蒸れに弱いので株が弱ってきたら、根元をハサミで切って間引きます。
私の場合
プランターに、赤玉土小粒6腐葉土4を混ぜたものに種を蒔きました。種一袋全部、沢山ありましたが全部まきました。芽は蒔いたぶん出ました。10センチくらいの時、2〜3株ずつ花壇やプランターに移植しました。
春になって混みすぎたので、ただ抜いて移植をしましたが、花が咲き始めた株の、根を痛めつけながらの移植は失敗しました。
1999年4月初めのころ。忘れな草やノースポールと一緒に咲いています。
定植に適した場所と花壇の用意
花壇も鉢植えの管理も、日当たりと水はけの良い場所がいいです。
よく日の当たる場所は、株が大きくがっちりして分枝も多いです。1999年4月初めのころ。愛猫ムーです。鉢花用に作った白鳥がお気に入りで、いつもはまっていました。
花壇の用意
植え付ける2週間前までに石灰で中和しておき、植え付ける1週間前に腐葉土と肥料を入れて耕しておきます。水はけの悪い場所は、腐葉土を多めに入れたり、バーミキュライトをプラスして改良しておくと良く育ちます。肥料は、窒素リン酸カリが同等に入っているものを、規定より少なめに入れます。
上の写真でもお分かりのように、地質はあまり気にしなくてもよく育ちます。肥料も施しすぎはあまりよくありません。しかし、蒸れには弱いので、水はけと風通しはよくするような土作りをします。
鉢植え
草花用培養土を使うと簡単です。肥料の有無を確認します。草花用培養土だけでは水やりが大変な時は、赤玉土小粒を2〜3割混ぜると水やりが楽です。
自分でブレンドする場合、植え付ける2週間前までに、赤玉土小粒6腐葉土3酸度調節されたピートモスとバーミキュライトを合わせて1に、用土1リットルに対し石灰小さじ1杯を目安に混ぜておきます。植え付ける1週間前に草花用化成肥料を規定より少なめに、又は、窒素リン酸カリが同等に含まれたものを規定より少なめに混ぜておきます。
IBのチカラ グリーン育ち
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定植
花壇は、草丈20センチくらいになったら定植できます。11月までに済ませておくと安心です。霜が降りるところは早めに植えて根張りを良くしておきます。植えるのが遅くなってしまったら、株の周りに腐葉土を厚めに敷いて寒さよけをします。
鉢は、用土が無肥料の場合、定植した時に粒状の草花用緩効性化成肥料を鉢の縁におきます。霜や雪が降る時は日の当たる軒下におきます。春、暖かくなったら、日当たりのいい場所で鑑賞できます。
鉢は好きなところに移動できるのもいいところです。
肥料
花壇は、春、はじめの花が咲く頃に草花用化成肥料を株元にパラパラとまきます。私は元肥を入れたところは肥料をやっていません。
鉢は、肥料が入っていない用土を使用したとき、鉢に定植したとき、鉢のへりに草花用緩効性化成肥料を規定より少なめに置きます。春、株が勢いよく伸びるころに草花用緩効性化成肥料を鉢の縁に規定量より少なめにおきます。
肥料の入った草花用培養土の場合、肥料が何日間効くか確認して、肥料が切れるころに草花用緩効性化成肥料を鉢のへりに規定より少なめに施します。
3月のリナリア。これで一株です。草花用緩効性化成肥料「グリーン育ち」を与えました。ゼラニウムのために。
4月には光を求めて前へ前へと伸びました。
5月のリナリアです。たった一株です。もともと植えてあったゼラニュウムは、リナリアに負けて枯れてしまいました。ゼラニウムも蒸れと日陰に弱いです。
水やり
庭植えは、移植した苗が活着する2週間くらいは水を切らさないように土の表面が乾いたらたっぷりやりますが、後は水やりは必要ありません。
鉢植えは、鉢の表面が乾いたらたっぷりやります。蒸れに弱いので過湿にしないようにします。
花が咲いている間の手入れ
3月、花の少ないまだ肌寒い頃から日当たりのいいところでは花が咲きます。
茎が伸びると倒れやすくなります。支柱を立ててもいいですが、倒れた茎は切って脇芽を出します。
倒れたリナリアの茎
手前の中心当たりを切りました。脇芽でも立派な花を次々咲かせます。
切った後に勢いよく花茎を伸ばして花を咲かせます。
最終的には前面に植えたアネモネを飲み込む勢いです。
広い場所があるときは倒れたままにしておくこともあります。すると脇から花芽が出て40センチくらいでこんもり咲いてくれます。
転んだ白のリナリア
種の採取
花穂が上に伸びながら咲くリナリアは、下の方から種ができます。種を取りたい時は、茶色く変色したものを袋に取ります。秋に種蒔きとなります。
種を採取しない自然発芽を待つ場合
種は切り取らずそのままにしておきます。
愛犬の後ろ側にサワサワとしているのがリナリアの種ができた状態です。このままにして茶色く変色してきたら中の種も黒く発芽の準備ができています。草を抜いて、発芽してほしいところに逆さに振ると種がワッとひろがります。これで種まき完了です。
秋に発芽を見つけたら、小さいうちにポットに移植して育て、11月までに大きくできるようなら定植します。苗が小さいときは、春まで軒下の日当たりで管理して霜の心配が無くなってから定植します。
春に発芽を見つけたら、小さいうちにポット移植してある程度大きくしてから庭に定植します。
花を咲かせてもいい場所ならそのままにします。
こぼれ種で発芽したリナリア4月4日の様子。本当はもっとたくさん芽を出していましたが、大きくなるので抜きました。
4月21日には、上の写真の左側1株でこんなに咲きます。犬走側に倒れたものを何度か剪定しています。
背が高くなるリナリアは、花壇の後方に植えるといいです。
丈夫なリナリアならではの簡単種まき術です。
病害虫
寒い時は心配ないですが、4月になると新芽にアブラムシが付きます。牛乳を溶かして掛けるか、薬剤で退治します。4月にはガの幼虫が新芽を食べます。捕殺するか、薬剤散布で守ります。
暖かくなってくる4月から5月にかけてうどん粉病になることがあります。風通し良くして育てます。
一株で横40センチ縦80センチくらいになります。株が茂り込み合ってきたらアレンジなどに沢山とって風通しを良くするようにします。
濃い色同士のアレンジ。迫力あります。
ノースポールやシランを一緒にいけた野の花の花束のようなアレンジ。
庭の変遷を記憶する花
リナリアを植えたのは30年くらい前です。こぼれ種で今でも春になると花を咲かせています。
「風にそよぐ感じが好き」な私は、リナリアの咲き姿に惚れて、一時期庭はリナリアオンリーでした。
バラやパンジーが庭いっぱいになった時、リナリアは消えたかのように見えましたが、種は庭のどこかで出番を待っていたようです。
鉢やブロックのへりから小さな芽を出し、小さな花はミツバチを呼び、しっかり受粉をして命をつなげてきました。
かれんで華奢で、でも賢い花です。
強靭なリナリアと控えめな草花との共存
リナリアは一見華奢で可憐な感じに見えますが、実はビックリするほど強靭です。他の植物を圧倒する強さがあります。
一株直径40センチ四方はリナリアの茎でビッチリ風の通る隙間もないくらいです。
肥料分を必要とする草花と一緒に植えるとリナリアが全部吸い取ってしまうのではというくらいすごい勢いで伸びます。
道路の安全帯に群生していた理由がわかります。
2020年、体の調子が悪すぎて、手入れのできない荒れていく庭を見るのは辛い時もあって、写真はいつも光を通して撮っていました。
ホントはこんな感じ。こぼれ種で芽を出したリナリアをそのままにして、水なし、肥料なしで咲かせました。種もできるがままです。
おかげで今年も庭でリナリアが咲きました。
春の庭で、必ずどこかに芽を出しているリナリア。色も豊富で、どの色の花が咲いても他の植物の邪魔をせず、存在感もあって不思議な花です。
花は、やっぱり希望かな・・・
丈夫なノースポールやリナリアなど、上手に取り入れて花いっぱいの庭にしたいですね。
ノースポールの育て方は「庭に春よ呼ぶ秋蒔きの丈夫な花ノースポールの育て方」で見ることができます。