ミヤコワスレ(都忘れ)は、古くから日本にあり親しまれてきた植物です。性質強健で、関東以南のほとんどの地域で育てることができます。
ミヤコワスレの育て方のポイントを書きます。
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ミヤコワスレの育て方増やし方
20040505ミヤコワスレ_色

原産地・・・日本。箱根以南の本州、四国、九州。菊科、シオン属の植物。
和名・・・ミヤマヨメナ(深山嫁菜)
草丈・・・園芸種は花も含めて20~30センチ。品種によっては70センチくらいになるものもある。
特徴・・・花径3センチくらいの花を上を向いて咲かせる。園芸種は主に株分けで増やせる。切り花にもなる花もちよい。鉢花として日陰を彩る花として利用できる。
花期・・・4月
花色・・・青、ピンク、薄紫、白。

栽培場所・・・茨城県北部
栽培場所の気温と気候・・・ー4℃〜+34℃。夏蒸し暑く海からの霧でジメジメしている。冬乾燥している、雪は1月半ばから3月初めにかけて少し降る年もあります。
 
苗の入手方法
園芸店などでポット苗で購入できます。 通販などでも入手できます。近所でももらえます。

良い苗を選ぶ
ポット苗は葉が濃い緑色のものを選びます。葉が黄色っぽいものや葉が小さいもの、また鉢土が緑色になっているものは購入を避けます。土が緑色のものは水はけが悪いことがあります。葉が黄色いものは、肥料が少なかったか、ハダニが付いているかもしれません。立派に見えても株がぐらぐらしているものは避けます。根腐れか、土の中にコガネムシの幼虫がいることがあります。

花が咲いている株は、背丈が高くたくさん咲いているよりも、背が低く株もとにたくさん蕾があるほうが、植え付け後に長く花を楽しめます。
 
植え付ける時期
春は霜の心配がなくなった4月から5月初めごろと、秋は暑さが和らいだ9月半ば過ぎから10月ごろが良いです。
5月終わり頃になると暑くなり、やがて夏が来るとしっかりと活着していない株は、暑さで弱ってしまいます。秋遅くになると霜で根が浮いてしまいます。

植え付ける場所
半日影が最も良いです。庭植えで日向に植えたいときは、暑い夏の間風通しを確保しつつ遮光が必要です。鉢植えも半日影で育てます。

我が家では、午後の日差しが2時間ほど当たる場所に植えています。
20060426ミヤコワスレ5_切取色
チューリップが最盛期を迎えるころから花が咲き始めます。愛犬の後ろ、チューリップの足元に茂っているのがミヤコワスレです。

土、用土について
庭植えは、腐葉土をたっぷり混ぜ、水はけと保水を確保します。

鉢は
、草花用培養土などに植え付けます。用土が乾きにくいときは鹿沼土小粒を、乾きすぎるときは赤玉土小粒を1〜2割混ぜます。
鉢は、9センチビニールポット苗を買ったら6号鉢を目安に用意します。鉢底のごろ土も用意します。

私の場合、水やりができないほど体調を崩すときがあります。それで、鉢土は乾きにくい赤玉土を使っています。腐葉土を多めにして水はけを保ちつつ水持ちがいいように・・・。つまり、2~3日水やりしなくても最悪枯れない方法で育てています。6号鉢よりプランターで数株まとめて管理すると楽なので、そのようにしています。
自分の水やりタイミングで鉢土を作るのもうまく育てるコツだと思います。

肥料
庭植えは、植え付け時に、マグアンプKか草花用緩効性化成肥料を規定量より少なく混ぜます。花が咲いた後と、秋にも草花用緩効性化成肥料を株元に混ぜます。

鉢植えは、マグアンプKは鉢土に混ぜて植えます。土にマグアンプKを混ぜたときは、草花用化成肥料は一月後でも構いません。混ぜていない時は、草花用緩効性化成肥料を、植え付け後に鉢の縁に沿って5〜10粒置きます。花後と秋にも同じように鉢の縁に置きます。

水やり
庭植えは植えた時にたっぷりと与え、後は土の表面が乾いたら植え付け1ヶ月間くらい水をやります。その後、暑い夏、乾いたら水やりをします。ほぼ毎日株の上からシャワーをたっぷり浴びせます。秋になって涼しくなったら晴天の日が一週間くらい続いたら水やりをし、それ以外は必要ありません。次の年から夏以外は水やりをしなくても育ちます。

鉢植えは、鉢の表面が乾いたらたっぷり水やりをします。夏は乾きやすいので朝晩やります。それでも乾く時には、鉢の置き場所を一時的に涼しいところに変えたりくふうします。

植え替え
植え替えの定期は春4〜5月、秋涼しくなってきた9月半ばから10月。
植え替え時に根を傷つけないように、庭植えは株より大きく掘り、鉢植えは土をそっとほぐすように落とします。

庭植えは、4〜5年植え替えなしで、たくさん増えてたくさん咲きます。良く増えるので株が込み合い、やがて貧弱になります。花数も減ります。株分けして植え直します。同じ場所に植えるときは、腐葉土をたっぷりすき込んで土をふかふかにします。

鉢植えは、株が増えて根詰まりを起こし、水や肥料を吸収しにくくなり、ひどい時は枯れてしまいます。1〜2年で株分けをして植え替えます。用土は、植え付け時のもので行います。

花の咲いている間の手入れ
花は頂点から咲き始めます。咲き終わると花芯だけ残り茶色く変色します。咲き終わった花を、すぐ下の蕾の上で切ると、次々きれいな花をひと月くらい見ることができます。

20140426ミヤコワスレ
花の下には蕾がスタンバイ。

咲いている間に10日間に一回くらいの割で水肥をあたえると花は小さくならずに咲きます。

鉢植えは、水切れを起こすと花茎が短くなります。

花が終わったら花茎は短く切ります。そのままにすると茎が枯れます。問題はありませんが、見た目がいまいちです。

病害虫
病気
見たことはありませんが、茎に白い糸のようなものがつく白絹病というのがあるそうです。同じ場所に何年も植えておくとなるそうです。発生したら根治は難しいので、病気の株を抜いて捨てるほうが良いそうです。風通しを良くして育てると発生は防げるそうです。

害虫
乾燥するとハダニがでます。ハダニは葉の裏について植物の汁を吸って弱らせます。ひどい時は枯れてしまいます。葉が黄色っぽくなったらハダニかもしれません。ハダニは水が苦手です。水で溺死するといわれます。水を葉の裏からしっかりかけます。
20210921ハダニの後 (1)
7月、草取りの時に一株抜いてしまいました。株は弱ってしまい、その株にハダニが付きました。水やりをまめにしました。涼しくなってきたころに新しい葉が出ました。黄色いのがハダニが付いた葉です。元の緑色の葉には戻りません。新しい葉が出たら切り取ります。

日照りが続き水不足になって給水制限が出された年に、ハダニで1割にまで減ってしまいました。残ったわずかの株で復活しました。一株でも残っていればまた増やせます。春か秋を待って株分けをしましょう!

アブラムシ・・・花や蕾にアブラムシがつくことがあるそうです。ついた蕾は切って捨てるか、牛乳を水で3倍にを溶かしてかけるか、薬剤散布をします。

増やし方
ミヤコワスレは良く増えるので株分けで増やせます。時期は春と秋です。
根を痛めないように土を大きめに掘って、株を半分から3っつくらいに分けます。繋がっている株はハサミで切って分ます。大きめに穴を掘って植えます。
20050516ミヤコワスレ3_色
こんな感じになったら株分けをします。
そのままにすると花付きも悪くなり、内部が蒸れて葉が茶色く変色し枯れてしまします。

20210921春に植え替えた株
今年春に株分けをしたものです。これからどんどんふえます。

清楚で丈夫な日本の花
実は、我が家のミヤコワスレは30年前、借家の大家さんに「好きなだけ持ってていいよ」と言われ、プランターいっぱいに植えてもらった花。株いっぱいに咲くと圧巻です。花が終わると草は地上10センチくらいで邪魔になりません。
20210921花後の株
9月の様子。今年は暑すぎたのでくたびれています。

日陰を美しく飾る花の一つミヤコワスレは、育てやすくあまり手をかけなくても咲いてくれます。切り花にも使える花もちのいい植物です。日陰に強い植物を地植えにし、ミヤコワスレを鉢植えにすれば花が咲いている間日陰に置くこともできます。
20040505シダ_色
シダ類は春の芽吹きはとても美しいです。家の裏に数株あります。邪魔な時は引っこ抜くだけ。

20040504スズラン
地下茎で増えるスズランは鉢に植えてギャザリングするのもいいですね。春の芽吹き、清楚な白い花はうっとりする美しさ。香りも素晴らしいスズランは日当たりを好みますが、冬は地上部が枯れるので、夏の間日が当たる場所を選んで植えています。数年に一度地上部が枯れた秋に植え替えます。株全体に毒があるので手袋などして作業します。

スズランやヤブラン、手のかからないシダなどと一緒に日陰を演出してみては如何でしょうか。
 

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