夏本番、植物だって猛暑はキツイ!!・・・、と申しましても、私、夏は園芸お休みモード、南国育ちなのに夏にも弱くなってしまって、植物たちは、寒さ暑さに強い植物だけが生き残るサバイバルな庭になりなした。
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7月のバラ二番花
そんな厳し過ぎる庭で生き残っているバラたちを、少しでも快適に過ごせるようお手伝いできたらという感じでお手入れをしています。
特に厳しい暑さや風に備えた対策をまとめました。
栽培場所・・・茨城県北部
栽培場所の気温と気候・・・ー4℃〜+34℃。夏蒸し暑く冬乾燥しています。1月半ばから3月初めにかけて少し雪が降ります。
【無農薬栽培のバラ】真夏のやるべき仕事
夏枯れの大きな原因
1、水切れ
2、ポットの中の土の温度が上がりすぎる
3、根の障害
枯れないための対策
1、水切れ対策
徹底した水やり
猛暑が続くときは、鉢が小さいと特に乾きやすく、うっかりすると枯らしてしまいます。また、ブレンドされた土を初めて使う時も注意が必要です。土の渇き具合が分かりにくいことがあって、うっかり水切れをしてしまうことがあります。

水を与えてもぐったりする新芽、気温35度。
鉢バラは、朝晩の水やりはたっぷりとやります。水は基本朝か夕方ですが、しおれるくらい鉢土が乾燥していたら昼間でも水やりをします。昼の水やりは、日陰に移動してやると安全です。
庭のバラは、私は基本水やりなしですが、今年のように連日30度を超す乾燥した晴天が続いたときは、日が傾く夕方に、シャワーをかけます。夜まで水滴が残ると黒点病になりやすいといいます。だいたい午後4時過ぎに水やりをします。
鉢増しをする
激しく水切れする鉢は、鉢土が足りないことがあります。二回り大きな鉢に、植え土と同じ土で根鉢を崩さず植え替えします。

さし木した苗が大きくなったアブラハムダービー、朝晩の水やりだけではすぐに水切れを起こしてしまいます。二回り大きな鉢に鉢増しを行います。

苗はなるべく垂直になるように植えます。根は傷つけてないので置き場所は今までと同じ場所でいいです。
この鉢替えは、株を大きくするためもあります。春に新苗を買って植えた大きく育った株もた大きな鉢に植えると、大きな株に成長します。いきなり大きすぎる鉢に植えるのではなく、少しずつ大きくするのがポイントです。
庭植えのバラの足元に刈り取った草や木の枝などでマルチングをすると土の温度が急激に上がるのを防げます。
2、ビニールポットの土の温度が上がらないための工夫
大きな鉢に植替え
さし木した苗をビニールポットのままで置いてある場合、特に黒のビニールポットは最悪です。なるべく暑くなる前に鉢に2周りくらい大きな鉢に植え替えます。

黒のビニールポットのままだと地温が上がりすぎて枯れることがあります。同じ場所に置いていて、白いほうは枯れずに夏越しできることが多いです。
鉢は駄温鉢、厚めの素焼き鉢、白のプラ鉢などに植えます。

サマンサのさし木苗が大きくなったので、ビニールポットから5号鉢に植えました。
素焼き鉢風の鉢です。内側にニスみたいなのが塗られていて、乾きにくい鉢です。プラ鉢の感覚で使いました。
その他には、鉢を二重にする方法がありますが、私は鉢がないので、鉢を日陰に置いたりしています。
風通し
レンガなどで鉢の下に隙間をあけ、風通しをよくすると鉢土の温度が上がりにくくなります。また夏にもなると株が茂り、ますます風通しが悪くなります。鉢と鉢の間隔をあけます。
家の裏に一時避難
鉢替えができなかった小さい苗は一時的に家の裏などに置きます。家の裏は、夕方2時間くらい日が当たります。
ちなみに、黒のビニールポットを冬の育苗用に使うのは、鉢土の温度が少しでも上がるように黒く、白いものを夏の育苗用に使うのは、夏の直射日光の影響を少しでも少なくするために白になっているそうです。
3、根の障害で株に元気がない場合の対処方法
コガネムシの幼虫がいる場合
コガネムシな鉢土に産卵し、その幼虫は鉢内の根を食べてしまいます。最悪の場合、植物はは枯れてしまいます。
水やりしてもすぐしおれる、鉢土が均一の粒になって植えた土とは色が微妙に違う、鉢土がムクムク動くなどの変化があればコガネムシの幼虫がいるかもしれません。
株を鉢から抜いて土の中にコガネムシの幼虫がいたら、新しい土に植え替えます。1~2週間くらい日陰に置きます。
コガネムシの幼虫のいた土は黒いビニール袋に入れて3日くらい日向に出しておくと使えます。駄音鉢に入れて熱湯消毒をしてもいいです。卵ごと取り除くことができます。
春に鉢の株もとにネットを張っておくこともコガネムシ対策になります。

4月に台所の三角コーナーなどに使う網で覆った鉢。針金をU字型に曲げ差し込んでネットを抑えておく。
根腐れかもしれない場合
根が腐る原因はひとつではないです。水はけの悪い土に植えた植物は鉢中が湿ったままで雑菌などが増え根が腐ります。また、肥料が多過ぎても肥料焼けを起こし根腐れを起こします。暑すぎると根が焼けて枯れることもあります。植物の大きさに対して大きすぎる鉢も、土が乾かず根腐れを起こすことがあります。
鉢の表面が乾かない、株が大きくならない、緑色のコケやぬるっとしたものがあったら根腐れかもしれません。その場合は土を落として、腐った黒い根は切り落とし一回り小さい鉢に植え替えます。2週間は日陰の涼しい場所で管理します。
風対策
台風や低気圧からの風は、せっかく伸びたバラに枝を折ったり、とげで傷つけたりします。そこで私がやっている風対策を書きます。
枝がそよぐ風はバラの成長に欠かせない
適度な風は木を強くし成長を促します。それから、カビが原因のうどん粉病・黒点病などの病気の発生が少なくなります。
少し強い風は・・
風速6〜10メートルの風は枝が折れたり、棘で葉を切り裂いたり枝を傷つけたりします。

風速6メートルの風
傷ついた場所から病原菌が侵入したりします。また見た目もよくないです。
支柱を立てて枝を固定したり、また、全体を縛って置いたりしています。風がおさまったらすぐに解きます。

バラ同士を3~4鉢集めてまとめて縛っておくこともします。特にシュートは大事にします。
庭バラのシュートもきっちりと固定します。シュートの付け根は弱いです。折れたら来年の花が減ります。
台風、または台風並みの強風
台風、または低気圧など天気の変わり目に起きる強い風は、電線がピューピュー鳴ったり、ゴーと唸るような音がします。予報がはっきりしているので対策が可能です。支柱を立て固定したり、安全な場所に鉢を移動させたりします。バラの枝をぐるぐるに縛って、鉢を倒しておく方法もあります。
我が家はいつも玄関に鉢を移動します。

不織布、お米が入っていた袋、むしろなど空気を通す素材のもので巻いて枝を固定し、むしろなどを敷いた上に倒しておきます。

地面に支柱を差し、鉢の株をタイトに縛っておきます。
鉢を庭の地面に直接置いて支柱などで固定していた場合、台風が過ぎたら必ず鉢は元の位置に戻します。そのまましておくと根が伸びて、植え替えまで鉢を動かせなくなります。
積乱雲から発生する急激に発達する突風など鉢を移動させる暇がない時は、鉢を横に倒してなるべく衝撃を少なくします。また少し時間があれば鉢3~4個をまとめてぐるぐる巻きにして縛っておくのもいい方法です。
庭のバラは、支柱を立て、株全体をきつめに枝が暴れないようにぐるぐる巻きにします。シュートの支柱が風でゆがんだりしないよう固定しなおします。シュートはしっかりと支柱に縛っておきます。風が過ぎたら緩めます。
台風の後の大事な仕事
潮のにおいがするくらい海が近いところでは、庭木全体をシャワーをして海水を洗い流します。
縛っていた縄はほどいて、折れた枝などは早めに切り取って整理します。
肥料
真夏に行う肥料は8月中旬を目安に行っています。咲き続けた株に再び元気になってもらい秋のバラを立派に咲かせるためです。
庭植えは株元から30センチくらい離してぐるりと円を描くように深さ5センチくらい掘って、バラ用の有機肥料を一掴み(50〜100グラムくらい)穴に入れ、ミニシャベルなどで軽く土に馴染ませてから掘り上げた土を被せます。
隣に植物があって円を描くように掘れないときは、空いているところを掘って入れて土を被せたり、腐葉土で隠したりします。ナメクジに見つかると食べられてしまうので隠しています。
鉢は鉢の縁3か所ぐらいに規定量置きます。
秋の花のための蕾の摘み取りと大事な剪定
真夏の蕾の摘み取り
真夏の花はサイクルが早く小さい花が咲いては散ります。株を弱らせないために蕾は小豆大で摘み取るとよいです。

小豆ほどの大きさの蕾
花を見てもいいです。自分のバラですから、蕾を取ってドライにするのもいいですね。

自家製のドライフラワー
株はゆっくり成長して、そのうち大きな株に育ちます。
秋花に向けての剪定作業
ハイブリッドティローズなど、蕾の上がってくるのが遅いバラは、8月終わりぐらいから9月10日まで剪定を終えます。
剪定の目安は、株の高さの3分の2くらいの高さですが、品種によっても切り取ると芽が出てこないのもありました。
フロリバンダローズ、四季咲きのイングリッシュローズ、ミニバラは9月上旬を目安にして、極端に細い枝は切って、夏に伸びた枝の先、良い芽の上で切るくらいにします。

イングリッシュローズ・アブラハムダービー
暑い時期の作業なので、たいてい私のバラは、ハイブリッドティローズのホワイトクリスマスやラスティングピースは咲かずに終わっていました。
その代わり、アイスバーグや四季咲きのイングリッシュローズ、フンショウロウは12月まで咲いていました。

アイスバーグ

ワイフオブバース
秋のバラは蕾の上がってくるのがゆっくりなので、秋に揃えて咲かせるのは個々のバラの蕾の上がってくるサイクルを知って、剪定時期を決めます。
真夏の病害虫対策
害虫
チュウレンバチ、いつでもいます。枝の裏表をチェックして産卵された部分を切捨てます。

暑い時期は朝早くから活動しています。気がつくと産卵されていることが多く、間に合いません。幼虫に葉を食害される前に切り取ります。
アブラムシ、新芽が盛んに発生している株はアブラムシもよく見かけます。

蕾の下のほうに1匹見えます。放っておくと爆発的に増えます。
植物の汁を吸って株を弱らせます、病気も媒介します。小さい虫ですが脅威です。見た目も悪いです。捕殺に努めます。

飛び跳ねるワタアブラムシ、枝ごと切って袋に入れてごみに出しています。
シャクトリムシ、意外と多い尺取虫、蕾や花なんでも食べます。色が似ていて見つけにくいですが、花や葉の様子が違う時はよ~くみて探してみます。

ヒメヒマワリを食害する尺取虫。4センチくらい、終齢虫かも。孵化直後の虫は小さくて見分けが難しいです。食欲旺盛で、なんでも食べるのでバラと言わず庭の植物はすべて点検が必要です。

蕾がこんな風にかじられた跡があれば、虫がいます。
ルリツヤノミハムシ、花には必ず2~5匹います。袋で捕まえてつぶします。取り続けるとその後の被害が少なくなります。
バラゾウムシは、蕾の出てくるサイクルをよく見ているような感じです。春にしっかり対策を講じていれば、その後は少ないように思います。
スリップが花を汚します。一度庭の花を汚したら毎年花が咲く度見るようになります。もったいなくても花や蕾は切り取って処分します。散ってしまった花びらも拾ってゴミに出します。根気強くやっていくと減っていきます。
コガネムシが庭の植物を食害します。柿の葉や、多肉植物の葉など食べています。コガネムシの一番困ったところは、地中に幼虫を産み付けることです。鉢などは網で覆います。コガネムシがが大量に発生した年は、冬に庭中の鉢を点検のために植え替えします。植え替えた土は熱湯消毒すると安心です。

昨日蕾だったサマンサ、咲くのをとても楽しみにしていたのに食べられてしまいました。

お腹いっぱいになって花の上でやすむコガネムシ。

サマンサとアレキサンドラの花二つとも食べられて、コガネがそれぞれの花で休んでいました。油断大敵です。
カイガラムシ、木の汁を吸って弱らせます。歯ブラシでこすり落とします。

白いのがカイガラムシ。孵化したては動き回るカイガラムシ、歯ブラシでこすり落とすときは下に新聞紙などを敷いて落としたカイガラムシは包んで捨てるといいです。
ハマキガ、葉をたたんで中で葉を食害します。

丸で囲んだところにいます。7月中旬から再び盛んに発生が見られます。

葉からムシを取り出そうとすると体をくねらせて逃げますので、葉ごと切り取って、少量なら足で踏みつぶします。たくさんあるときは、ビニール袋に入れて炎天下に置くと退治できます。
ゴマダラカミキリムシ、今年はゴマダラカミキリの姿をまだ見ていません・・・なんて言っていたら食べられていました。しかも産卵されているかもしれない穴があります。

新芽の柔らかい部分を食害します。

丸で囲んだところが産卵されたかもしれない穴です。下のほうは網をまいていたので大丈夫だとは思いますが・・・
もう来ないでほしいです。
今年は虫が多いですね、暑いからですかね・・・
病気
黒点病・・・なんといっても黒点病が痛いです。葉が全落ちします。黒点病の葉を摘み取ると葉がなくなってしまうので摘み取りをやめました。どちらも変わりなく全落ちの年は全落ちします。
夏に雨や霧の多い年は黒点病が多く、アイスバーグが真っ先に黒点病になりました。それからヘリテージコテージローズと次々に葉が落ちていきます。
軒下に置いたバラは黒点病で落ちる葉が少ないです。
黒点病対策としては、雨に当てないこと、水やりは株もとに静かに行うことがいいのではないかと思います。黒点病になりにくいバラを植えるなどが黒点病を少なくしていく方法です。(とても消極的・・・)
うどん粉病・・・真夏はうどん粉病は見かけません。気温が下がり始め乾燥したころ、注意してみると防げます。庭のバラで一番かかりやすいのはマザーズデイです。マザーズデイを観察してるとそろそろうどん粉病の季節がわかります。
発生したばかりの時は水で洗いながら手でこすると治ります。たくさん出ているときは、水1リットルに台所洗剤小さじ1砂糖こさじ1くらいを混ぜて、掛けながら手で落とすといいです。
残った液体はアブラムシなどにかけながら手でつぶして洗うように落とすときれいに退治できます。
その他の病気は見ませんが、まれに根頭がんしゅ病を見ることがあります。根元の接ぎ口などから菌が入り、ごつごつしたようなこぶができます。コブができると株は弱ります。
根元を観察し、コブができていたら、ほかの株とは離します。コブを切り落とし、切り口には薬剤を塗り、新しい土で植えます。植え替えた後はしばらく日陰で管理します。ハサミやナイフは必ず消毒をします。
伝染病です。他のバラに感染させないためにも土は処分します。
私はがんしゅ病にかかったバラは処分し、土は熱湯消毒をしたのち5年間太陽にさらした後、ほかの植物に使いました。
その他の病気については、「水切れ?病気?それとも害虫?バラの症状別診断と対処法」を参照にしてください。
秋に咲くバラは一味違う
夏を乗り切れたら、ご褒美に美しい秋バラが待っています。

イングリッシュローズ・パットオースチン、より深い色に変化します。

HT・ラスティングピース、夏はすっきりとしたオレンジ色の花ですが、秋は濃い色で咲きます。

イングリッシュローズ・ヘリテージ。深みのある色でうっとりさせてくれます。

秋の花を集めたアレンジ、ワイフオブバース・粉粧楼・スカーレットオベーション・菊・シシトウ

メアリーローズ・ヘリテージ・チャールズレニーマッキントッシュ
秋の花は初夏に見せる花とはまた一味違う色や風情を、それぞれの花が見せてくれます。黒点病で葉がすっかり落ちてしまっていても花はとてもきれいです。
涼しいので花も長持ちします。病害虫との戦いに明け暮れた春や夏と違い、時間に余裕がある感じです。「咲いてくれて本当にうれしい」と、つくづく思います。
秋バラは秋バラの魅力が満載です!!
バラの記事一覧>>カテゴリ: バラ【花もちがよく丈夫な品種の数々】
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7月のバラ二番花
そんな厳し過ぎる庭で生き残っているバラたちを、少しでも快適に過ごせるようお手伝いできたらという感じでお手入れをしています。
特に厳しい暑さや風に備えた対策をまとめました。
栽培場所・・・茨城県北部
栽培場所の気温と気候・・・ー4℃〜+34℃。夏蒸し暑く冬乾燥しています。1月半ばから3月初めにかけて少し雪が降ります。
【無農薬栽培のバラ】真夏のやるべき仕事
夏枯れの大きな原因
1、水切れ
2、ポットの中の土の温度が上がりすぎる
3、根の障害
枯れないための対策
1、水切れ対策
徹底した水やり
猛暑が続くときは、鉢が小さいと特に乾きやすく、うっかりすると枯らしてしまいます。また、ブレンドされた土を初めて使う時も注意が必要です。土の渇き具合が分かりにくいことがあって、うっかり水切れをしてしまうことがあります。

水を与えてもぐったりする新芽、気温35度。
鉢バラは、朝晩の水やりはたっぷりとやります。水は基本朝か夕方ですが、しおれるくらい鉢土が乾燥していたら昼間でも水やりをします。昼の水やりは、日陰に移動してやると安全です。
庭のバラは、私は基本水やりなしですが、今年のように連日30度を超す乾燥した晴天が続いたときは、日が傾く夕方に、シャワーをかけます。夜まで水滴が残ると黒点病になりやすいといいます。だいたい午後4時過ぎに水やりをします。
鉢増しをする
激しく水切れする鉢は、鉢土が足りないことがあります。二回り大きな鉢に、植え土と同じ土で根鉢を崩さず植え替えします。

さし木した苗が大きくなったアブラハムダービー、朝晩の水やりだけではすぐに水切れを起こしてしまいます。二回り大きな鉢に鉢増しを行います。

苗はなるべく垂直になるように植えます。根は傷つけてないので置き場所は今までと同じ場所でいいです。
この鉢替えは、株を大きくするためもあります。春に新苗を買って植えた大きく育った株もた大きな鉢に植えると、大きな株に成長します。いきなり大きすぎる鉢に植えるのではなく、少しずつ大きくするのがポイントです。
庭植えのバラの足元に刈り取った草や木の枝などでマルチングをすると土の温度が急激に上がるのを防げます。
2、ビニールポットの土の温度が上がらないための工夫
大きな鉢に植替え
さし木した苗をビニールポットのままで置いてある場合、特に黒のビニールポットは最悪です。なるべく暑くなる前に鉢に2周りくらい大きな鉢に植え替えます。

黒のビニールポットのままだと地温が上がりすぎて枯れることがあります。同じ場所に置いていて、白いほうは枯れずに夏越しできることが多いです。
鉢は駄温鉢、厚めの素焼き鉢、白のプラ鉢などに植えます。

サマンサのさし木苗が大きくなったので、ビニールポットから5号鉢に植えました。
素焼き鉢風の鉢です。内側にニスみたいなのが塗られていて、乾きにくい鉢です。プラ鉢の感覚で使いました。
その他には、鉢を二重にする方法がありますが、私は鉢がないので、鉢を日陰に置いたりしています。
風通し
レンガなどで鉢の下に隙間をあけ、風通しをよくすると鉢土の温度が上がりにくくなります。また夏にもなると株が茂り、ますます風通しが悪くなります。鉢と鉢の間隔をあけます。
家の裏に一時避難
鉢替えができなかった小さい苗は一時的に家の裏などに置きます。家の裏は、夕方2時間くらい日が当たります。
ちなみに、黒のビニールポットを冬の育苗用に使うのは、鉢土の温度が少しでも上がるように黒く、白いものを夏の育苗用に使うのは、夏の直射日光の影響を少しでも少なくするために白になっているそうです。
3、根の障害で株に元気がない場合の対処方法
コガネムシの幼虫がいる場合
コガネムシな鉢土に産卵し、その幼虫は鉢内の根を食べてしまいます。最悪の場合、植物はは枯れてしまいます。
水やりしてもすぐしおれる、鉢土が均一の粒になって植えた土とは色が微妙に違う、鉢土がムクムク動くなどの変化があればコガネムシの幼虫がいるかもしれません。
株を鉢から抜いて土の中にコガネムシの幼虫がいたら、新しい土に植え替えます。1~2週間くらい日陰に置きます。
コガネムシの幼虫のいた土は黒いビニール袋に入れて3日くらい日向に出しておくと使えます。駄音鉢に入れて熱湯消毒をしてもいいです。卵ごと取り除くことができます。
春に鉢の株もとにネットを張っておくこともコガネムシ対策になります。

4月に台所の三角コーナーなどに使う網で覆った鉢。針金をU字型に曲げ差し込んでネットを抑えておく。
根腐れかもしれない場合
根が腐る原因はひとつではないです。水はけの悪い土に植えた植物は鉢中が湿ったままで雑菌などが増え根が腐ります。また、肥料が多過ぎても肥料焼けを起こし根腐れを起こします。暑すぎると根が焼けて枯れることもあります。植物の大きさに対して大きすぎる鉢も、土が乾かず根腐れを起こすことがあります。
鉢の表面が乾かない、株が大きくならない、緑色のコケやぬるっとしたものがあったら根腐れかもしれません。その場合は土を落として、腐った黒い根は切り落とし一回り小さい鉢に植え替えます。2週間は日陰の涼しい場所で管理します。
風対策
台風や低気圧からの風は、せっかく伸びたバラに枝を折ったり、とげで傷つけたりします。そこで私がやっている風対策を書きます。
枝がそよぐ風はバラの成長に欠かせない
適度な風は木を強くし成長を促します。それから、カビが原因のうどん粉病・黒点病などの病気の発生が少なくなります。
少し強い風は・・
風速6〜10メートルの風は枝が折れたり、棘で葉を切り裂いたり枝を傷つけたりします。

風速6メートルの風
傷ついた場所から病原菌が侵入したりします。また見た目もよくないです。
支柱を立てて枝を固定したり、また、全体を縛って置いたりしています。風がおさまったらすぐに解きます。

バラ同士を3~4鉢集めてまとめて縛っておくこともします。特にシュートは大事にします。
庭バラのシュートもきっちりと固定します。シュートの付け根は弱いです。折れたら来年の花が減ります。
台風、または台風並みの強風
台風、または低気圧など天気の変わり目に起きる強い風は、電線がピューピュー鳴ったり、ゴーと唸るような音がします。予報がはっきりしているので対策が可能です。支柱を立て固定したり、安全な場所に鉢を移動させたりします。バラの枝をぐるぐるに縛って、鉢を倒しておく方法もあります。
我が家はいつも玄関に鉢を移動します。

不織布、お米が入っていた袋、むしろなど空気を通す素材のもので巻いて枝を固定し、むしろなどを敷いた上に倒しておきます。

地面に支柱を差し、鉢の株をタイトに縛っておきます。
鉢を庭の地面に直接置いて支柱などで固定していた場合、台風が過ぎたら必ず鉢は元の位置に戻します。そのまましておくと根が伸びて、植え替えまで鉢を動かせなくなります。
積乱雲から発生する急激に発達する突風など鉢を移動させる暇がない時は、鉢を横に倒してなるべく衝撃を少なくします。また少し時間があれば鉢3~4個をまとめてぐるぐる巻きにして縛っておくのもいい方法です。
庭のバラは、支柱を立て、株全体をきつめに枝が暴れないようにぐるぐる巻きにします。シュートの支柱が風でゆがんだりしないよう固定しなおします。シュートはしっかりと支柱に縛っておきます。風が過ぎたら緩めます。
台風の後の大事な仕事
潮のにおいがするくらい海が近いところでは、庭木全体をシャワーをして海水を洗い流します。
縛っていた縄はほどいて、折れた枝などは早めに切り取って整理します。
肥料
真夏に行う肥料は8月中旬を目安に行っています。咲き続けた株に再び元気になってもらい秋のバラを立派に咲かせるためです。
庭植えは株元から30センチくらい離してぐるりと円を描くように深さ5センチくらい掘って、バラ用の有機肥料を一掴み(50〜100グラムくらい)穴に入れ、ミニシャベルなどで軽く土に馴染ませてから掘り上げた土を被せます。
隣に植物があって円を描くように掘れないときは、空いているところを掘って入れて土を被せたり、腐葉土で隠したりします。ナメクジに見つかると食べられてしまうので隠しています。
鉢は鉢の縁3か所ぐらいに規定量置きます。
秋の花のための蕾の摘み取りと大事な剪定
真夏の蕾の摘み取り
真夏の花はサイクルが早く小さい花が咲いては散ります。株を弱らせないために蕾は小豆大で摘み取るとよいです。

小豆ほどの大きさの蕾
花を見てもいいです。自分のバラですから、蕾を取ってドライにするのもいいですね。

自家製のドライフラワー
株はゆっくり成長して、そのうち大きな株に育ちます。
秋花に向けての剪定作業
ハイブリッドティローズなど、蕾の上がってくるのが遅いバラは、8月終わりぐらいから9月10日まで剪定を終えます。
剪定の目安は、株の高さの3分の2くらいの高さですが、品種によっても切り取ると芽が出てこないのもありました。
フロリバンダローズ、四季咲きのイングリッシュローズ、ミニバラは9月上旬を目安にして、極端に細い枝は切って、夏に伸びた枝の先、良い芽の上で切るくらいにします。

イングリッシュローズ・アブラハムダービー
暑い時期の作業なので、たいてい私のバラは、ハイブリッドティローズのホワイトクリスマスやラスティングピースは咲かずに終わっていました。
その代わり、アイスバーグや四季咲きのイングリッシュローズ、フンショウロウは12月まで咲いていました。

アイスバーグ

ワイフオブバース
秋のバラは蕾の上がってくるのがゆっくりなので、秋に揃えて咲かせるのは個々のバラの蕾の上がってくるサイクルを知って、剪定時期を決めます。
真夏の病害虫対策
害虫
チュウレンバチ、いつでもいます。枝の裏表をチェックして産卵された部分を切捨てます。

暑い時期は朝早くから活動しています。気がつくと産卵されていることが多く、間に合いません。幼虫に葉を食害される前に切り取ります。
アブラムシ、新芽が盛んに発生している株はアブラムシもよく見かけます。

蕾の下のほうに1匹見えます。放っておくと爆発的に増えます。
植物の汁を吸って株を弱らせます、病気も媒介します。小さい虫ですが脅威です。見た目も悪いです。捕殺に努めます。

飛び跳ねるワタアブラムシ、枝ごと切って袋に入れてごみに出しています。
シャクトリムシ、意外と多い尺取虫、蕾や花なんでも食べます。色が似ていて見つけにくいですが、花や葉の様子が違う時はよ~くみて探してみます。

ヒメヒマワリを食害する尺取虫。4センチくらい、終齢虫かも。孵化直後の虫は小さくて見分けが難しいです。食欲旺盛で、なんでも食べるのでバラと言わず庭の植物はすべて点検が必要です。

蕾がこんな風にかじられた跡があれば、虫がいます。
ルリツヤノミハムシ、花には必ず2~5匹います。袋で捕まえてつぶします。取り続けるとその後の被害が少なくなります。
バラゾウムシは、蕾の出てくるサイクルをよく見ているような感じです。春にしっかり対策を講じていれば、その後は少ないように思います。
スリップが花を汚します。一度庭の花を汚したら毎年花が咲く度見るようになります。もったいなくても花や蕾は切り取って処分します。散ってしまった花びらも拾ってゴミに出します。根気強くやっていくと減っていきます。
コガネムシが庭の植物を食害します。柿の葉や、多肉植物の葉など食べています。コガネムシの一番困ったところは、地中に幼虫を産み付けることです。鉢などは網で覆います。コガネムシがが大量に発生した年は、冬に庭中の鉢を点検のために植え替えします。植え替えた土は熱湯消毒すると安心です。

昨日蕾だったサマンサ、咲くのをとても楽しみにしていたのに食べられてしまいました。

お腹いっぱいになって花の上でやすむコガネムシ。

サマンサとアレキサンドラの花二つとも食べられて、コガネがそれぞれの花で休んでいました。油断大敵です。
カイガラムシ、木の汁を吸って弱らせます。歯ブラシでこすり落とします。

白いのがカイガラムシ。孵化したては動き回るカイガラムシ、歯ブラシでこすり落とすときは下に新聞紙などを敷いて落としたカイガラムシは包んで捨てるといいです。
ハマキガ、葉をたたんで中で葉を食害します。

丸で囲んだところにいます。7月中旬から再び盛んに発生が見られます。

葉からムシを取り出そうとすると体をくねらせて逃げますので、葉ごと切り取って、少量なら足で踏みつぶします。たくさんあるときは、ビニール袋に入れて炎天下に置くと退治できます。
ゴマダラカミキリムシ、今年はゴマダラカミキリの姿をまだ見ていません・・・なんて言っていたら食べられていました。しかも産卵されているかもしれない穴があります。

新芽の柔らかい部分を食害します。

丸で囲んだところが産卵されたかもしれない穴です。下のほうは網をまいていたので大丈夫だとは思いますが・・・
もう来ないでほしいです。
今年は虫が多いですね、暑いからですかね・・・
病気
黒点病・・・なんといっても黒点病が痛いです。葉が全落ちします。黒点病の葉を摘み取ると葉がなくなってしまうので摘み取りをやめました。どちらも変わりなく全落ちの年は全落ちします。
夏に雨や霧の多い年は黒点病が多く、アイスバーグが真っ先に黒点病になりました。それからヘリテージコテージローズと次々に葉が落ちていきます。
軒下に置いたバラは黒点病で落ちる葉が少ないです。
黒点病対策としては、雨に当てないこと、水やりは株もとに静かに行うことがいいのではないかと思います。黒点病になりにくいバラを植えるなどが黒点病を少なくしていく方法です。(とても消極的・・・)
うどん粉病・・・真夏はうどん粉病は見かけません。気温が下がり始め乾燥したころ、注意してみると防げます。庭のバラで一番かかりやすいのはマザーズデイです。マザーズデイを観察してるとそろそろうどん粉病の季節がわかります。
発生したばかりの時は水で洗いながら手でこすると治ります。たくさん出ているときは、水1リットルに台所洗剤小さじ1砂糖こさじ1くらいを混ぜて、掛けながら手で落とすといいです。
残った液体はアブラムシなどにかけながら手でつぶして洗うように落とすときれいに退治できます。
その他の病気は見ませんが、まれに根頭がんしゅ病を見ることがあります。根元の接ぎ口などから菌が入り、ごつごつしたようなこぶができます。コブができると株は弱ります。
根元を観察し、コブができていたら、ほかの株とは離します。コブを切り落とし、切り口には薬剤を塗り、新しい土で植えます。植え替えた後はしばらく日陰で管理します。ハサミやナイフは必ず消毒をします。
伝染病です。他のバラに感染させないためにも土は処分します。
私はがんしゅ病にかかったバラは処分し、土は熱湯消毒をしたのち5年間太陽にさらした後、ほかの植物に使いました。
その他の病気については、「水切れ?病気?それとも害虫?バラの症状別診断と対処法」を参照にしてください。
秋に咲くバラは一味違う
夏を乗り切れたら、ご褒美に美しい秋バラが待っています。

イングリッシュローズ・パットオースチン、より深い色に変化します。

HT・ラスティングピース、夏はすっきりとしたオレンジ色の花ですが、秋は濃い色で咲きます。

イングリッシュローズ・ヘリテージ。深みのある色でうっとりさせてくれます。

秋の花を集めたアレンジ、ワイフオブバース・粉粧楼・スカーレットオベーション・菊・シシトウ

メアリーローズ・ヘリテージ・チャールズレニーマッキントッシュ
秋の花は初夏に見せる花とはまた一味違う色や風情を、それぞれの花が見せてくれます。黒点病で葉がすっかり落ちてしまっていても花はとてもきれいです。
涼しいので花も長持ちします。病害虫との戦いに明け暮れた春や夏と違い、時間に余裕がある感じです。「咲いてくれて本当にうれしい」と、つくづく思います。
秋バラは秋バラの魅力が満載です!!
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