バラの花を立派に咲かせるための大事な作業が、この寒い冬の間にあります。不要な枝の剪定や休眠中だからできる土を掘り起こして与える寒肥、植え替え作業などです。
栽培場所・・・茨城県北部
栽培場所の気温・・・ー4℃〜+34℃(冬ー7℃や夏+36℃を記録するときもあります)
冬の間にやるべき作業、剪定・つるバラの誘引・害虫退治
冬の間にやるべき作業は、大まかに言うと大苗の植え付け、寒肥、剪定、植え替え、ツルバラの誘因などです。剪定作業中に虫がついていないか病気になっていないかなどのチェックも行います。
今回は、剪定とツルバラの誘引作業、害虫退治について書きます。
1、剪定
剪定の定期・・・冬、12月~2月終わりごろまで
バラの剪定は品種によっても剪定する枝の太さは違ってきますが、大体は鉛筆より細い枝にはいい花がさかないから切ると言います。
寒い地域では2月に厳しい寒さが予想される場合、それ以前に剪定するときは少し高い位置で剪定し、寒さが緩む前に再度剪定をすると良い芽が冷害に遭わすに済みます。
2005年2月25日、1月に剪定した後暖かい日が続いて芽が伸び出した頃に雪が降りました。幸い伸び出した芽は傷んでいませんでしたが、用心して長めに切って2月終わりごろに再度ハサミを入れています。
剪定中に害虫や被害箇所を取り除く
カイガラムシ
カイガラムシです。葉の付け根や結んだ紐の裏などに潜んでいます。使い古しの歯ブラシなどでこすり落とします。
テッポウムシ
実はサマンサがテッポウムシの被害に遭っていました。さし木しておいてよかったですぅ~~~
根元がこんな風になっていたらテッポウムシを見つけ出し処分します。被害に遭った部分は腐らないように消毒をして植えなおします。
私の場合、消毒なしで深く植え直して、接木より上の部分からの発根を促します。結構上手くいきます。
被害部分が大きすぎる場合、あきらめるしかないでしょう・・・
あるんです、一本に3か所の被害・・・
カミキリムシに食べられた枝はないか、あったら切ります。
枝の皮などをカミキリムシが食べます。太くていい枝でも風などで簡単に折れますので切っておきます。切ったところに芽があったら、新しいいい枝が伸びます。
チュウレンバチの産卵跡も取り除きます。
毛虫の卵やサナギがないか点検する(イガラのサナギは枝と同じ色になって見つけにくくなっています)
マイマイガの卵、ツルバラの高いところに産卵されることがあります。
イガラのさなぎ。枝先や支柱の下側、バラの根元付近に産卵されています。
シャクトリムシは取り除く
同化しています。
枝になり切っています。
剪定作業
ハイブリットティーローズ、サマンサの場合
サマンサの花
樹高150センチくらいまで伸びました。
しっかり育った枝を残して大まかにカットしました。
60センチ前後でいい芽の上で切ります。冬は思い切っり切っても枯れません。品種にもよりますが、30センチでも大丈夫なものもあります。
フロリバンダローズ良い枝だけを残して切りました。
ブライダルピンクの場合
ブライダルピンク春の花
剪定前
大体は40センチ前後でいい芽の上で切りますが、寒波がきたらよい芽が枯れるかもしれないので60センチくらいで切りました。
イングリッシュローズは120センチから180センチで枝がアーチ状になるものが多く、剪定は80センチくらいのところでいい芽の上で切ります。
アブラハムダービーの場合
アブラハムダービーの花
アブラハムダービー、2メートルくらいになりました。
いい枝だけ残し切りました。去年さし木苗を植えたものです。
ミニバラやさし木したばかりの小さい苗
マザーズデイの場合
マザーズデイの花
マザーズデイとオレンジマザーズデイは大きく育ってくれませんでした。
葉をむしっただけのような感じで、先端を軽く切りました。
ツルバラの剪定について
つるバラは新しいシュートにたくさん花をつけるものが多いです。3年くらいたった枝は切って新しい枝に切り替えます。
例外もあります。
下にある写真のピエールは、植えた直後に太いシュートを60センチの高さに誘因しました。その後伸びたシュートは曲げられなくなって、下側に誘引した枝は15年以上古い枝でしたがよく咲きました。
「剪定はこうあるべき」は無いので、好きなように咲かせるといいと思います。
ピエールドウロンサールは2株でこんなに大きな壁面を覆います。
新しいシュートが出にくい品種がありますから、よく調べて自分のバラに合った剪定をします。一般的には、3年以上の古い枝は地際から切り、新しいツルにスイッチさせるようにします。
ツルの途中から新しい太い枝が出ているものはそのまま良い枝を残してもいいです。
ツルバラの誘引作業
ツルバラは誘引作業があります。厳しく考えず、咲かせたいところに枝を持ってくる様にするといいです。シュートはなるべく水平にすると水平になった部分の芽から花をつけます。
ツルバラの枝が一番柔らかい時季は気温が下がって休眠に入った頃だそうです。それでも硬い枝は硬いです。私は大事なツルを何本も折っています。硬い品種は途中で仮止めをして根本から折れない様にしてから曲げるといいです。低いフェンスなどは柔らかい枝で細い枝にも花を咲かせるカクテルや、イングリッシュローズなどをツルバラのように仕立てるといいです。
冬の誘引
イングリッシュローズ・コンスタンススプライ。3メートルくらい枝を伸ばします。短く剪定してHTローズのように咲かせても、このように誘引してつるバラのようにも咲かせることができます。一期咲き。
夏の花
6月、花はこんな風に咲きます
冬の誘引
つるバラ・ピエールドウロンサールは南側の道路に面したところです。
夏の花
6月、こんな風に咲きました。手前のピエールドウロンサールは、2本シュートを折りカミキリムシに2本食べられて3年目なのにこんな寂しい状態。でも復活したんです。
あきらめちゃもったいないですね。
アルキミストとコンスタンススプライ
アルキミストは一期咲きですが、花びらがたくさんあって豪華なアプリコットの花です。シュートの芽の全部から新枝を出し花を咲かせます。シュートは太く硬いです。低い位置に誘引するのはむずかしいです。
カクテルの枝はしなやかでしかも四季咲きなのでどこで切っても花が咲きます。足元に光が当たらなくなって、上の方だけ枝が盛んに伸びるようになりました。古いツルを残し上の部分だけを剪定しています。
黄色い花のイングリッシュローズ・グラハムトーマス。低いアーチを足元から覆うように花を咲かせます。右側の白い房咲きの花は野バラです。野のどこにでも生えている野バラ。樹勢が強く放任すると手に負えなくなります。毎年新しい枝だけ残して切ります。枝はしなやかです。一期咲き。秋の赤い実がかわいいです。
少しくらいの日当たりの悪さは気にしないエスタディ。枝がしなやかに伸びる修景用のバラで足元を隠すのもありですね。低いフェンスなどに誘引してもいいです。
とにかくバラは丈夫!!
バラ作りの本などを読むと、「自分にはムリ」と思いますが、土に植えておけば必ず一輪以上は花が咲きます。テッポウムシにやられても何年かは咲いています。テッポウムシにかじられた跡に土をかぶせてしまえば、さし木のように根を出してまた復活したりします。バラはとっても丈夫な植物だと思います。一年を通して庭に木があって、剪定や水やりなどの作業を通して木と対話をしながら花を咲かせるという作業もまた楽しいことの一つです。
「一本から始めるバラ作り」お勧めです。
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栽培場所・・・茨城県北部
栽培場所の気温・・・ー4℃〜+34℃(冬ー7℃や夏+36℃を記録するときもあります)
冬の間にやるべき作業、剪定・つるバラの誘引・害虫退治
冬の間にやるべき作業は、大まかに言うと大苗の植え付け、寒肥、剪定、植え替え、ツルバラの誘因などです。剪定作業中に虫がついていないか病気になっていないかなどのチェックも行います。
今回は、剪定とツルバラの誘引作業、害虫退治について書きます。
1、剪定
剪定の定期・・・冬、12月~2月終わりごろまで
バラの剪定は品種によっても剪定する枝の太さは違ってきますが、大体は鉛筆より細い枝にはいい花がさかないから切ると言います。
寒い地域では2月に厳しい寒さが予想される場合、それ以前に剪定するときは少し高い位置で剪定し、寒さが緩む前に再度剪定をすると良い芽が冷害に遭わすに済みます。
2005年2月25日、1月に剪定した後暖かい日が続いて芽が伸び出した頃に雪が降りました。幸い伸び出した芽は傷んでいませんでしたが、用心して長めに切って2月終わりごろに再度ハサミを入れています。
剪定中に害虫や被害箇所を取り除く
カイガラムシ
カイガラムシです。葉の付け根や結んだ紐の裏などに潜んでいます。使い古しの歯ブラシなどでこすり落とします。
テッポウムシ
実はサマンサがテッポウムシの被害に遭っていました。さし木しておいてよかったですぅ~~~
根元がこんな風になっていたらテッポウムシを見つけ出し処分します。被害に遭った部分は腐らないように消毒をして植えなおします。
私の場合、消毒なしで深く植え直して、接木より上の部分からの発根を促します。結構上手くいきます。
被害部分が大きすぎる場合、あきらめるしかないでしょう・・・
あるんです、一本に3か所の被害・・・
カミキリムシに食べられた枝はないか、あったら切ります。
枝の皮などをカミキリムシが食べます。太くていい枝でも風などで簡単に折れますので切っておきます。切ったところに芽があったら、新しいいい枝が伸びます。
チュウレンバチの産卵跡も取り除きます。
毛虫の卵やサナギがないか点検する(イガラのサナギは枝と同じ色になって見つけにくくなっています)
マイマイガの卵、ツルバラの高いところに産卵されることがあります。
イガラのさなぎ。枝先や支柱の下側、バラの根元付近に産卵されています。
シャクトリムシは取り除く
同化しています。
枝になり切っています。
剪定作業
ハイブリットティーローズ、サマンサの場合
サマンサの花
樹高150センチくらいまで伸びました。
しっかり育った枝を残して大まかにカットしました。
60センチ前後でいい芽の上で切ります。冬は思い切っり切っても枯れません。品種にもよりますが、30センチでも大丈夫なものもあります。
フロリバンダローズ良い枝だけを残して切りました。
ブライダルピンクの場合
ブライダルピンク春の花
剪定前
大体は40センチ前後でいい芽の上で切りますが、寒波がきたらよい芽が枯れるかもしれないので60センチくらいで切りました。
イングリッシュローズは120センチから180センチで枝がアーチ状になるものが多く、剪定は80センチくらいのところでいい芽の上で切ります。
アブラハムダービーの場合
アブラハムダービーの花
アブラハムダービー、2メートルくらいになりました。
いい枝だけ残し切りました。去年さし木苗を植えたものです。
ミニバラやさし木したばかりの小さい苗
マザーズデイの場合
マザーズデイの花
マザーズデイとオレンジマザーズデイは大きく育ってくれませんでした。
葉をむしっただけのような感じで、先端を軽く切りました。
ツルバラの剪定について
つるバラは新しいシュートにたくさん花をつけるものが多いです。3年くらいたった枝は切って新しい枝に切り替えます。
例外もあります。
下にある写真のピエールは、植えた直後に太いシュートを60センチの高さに誘因しました。その後伸びたシュートは曲げられなくなって、下側に誘引した枝は15年以上古い枝でしたがよく咲きました。
「剪定はこうあるべき」は無いので、好きなように咲かせるといいと思います。
ピエールドウロンサールは2株でこんなに大きな壁面を覆います。
新しいシュートが出にくい品種がありますから、よく調べて自分のバラに合った剪定をします。一般的には、3年以上の古い枝は地際から切り、新しいツルにスイッチさせるようにします。
ツルの途中から新しい太い枝が出ているものはそのまま良い枝を残してもいいです。
ツルバラの誘引作業
ツルバラは誘引作業があります。厳しく考えず、咲かせたいところに枝を持ってくる様にするといいです。シュートはなるべく水平にすると水平になった部分の芽から花をつけます。
ツルバラの枝が一番柔らかい時季は気温が下がって休眠に入った頃だそうです。それでも硬い枝は硬いです。私は大事なツルを何本も折っています。硬い品種は途中で仮止めをして根本から折れない様にしてから曲げるといいです。低いフェンスなどは柔らかい枝で細い枝にも花を咲かせるカクテルや、イングリッシュローズなどをツルバラのように仕立てるといいです。
冬の誘引
イングリッシュローズ・コンスタンススプライ。3メートルくらい枝を伸ばします。短く剪定してHTローズのように咲かせても、このように誘引してつるバラのようにも咲かせることができます。一期咲き。
夏の花
6月、花はこんな風に咲きます
冬の誘引
つるバラ・ピエールドウロンサールは南側の道路に面したところです。
夏の花
6月、こんな風に咲きました。手前のピエールドウロンサールは、2本シュートを折りカミキリムシに2本食べられて3年目なのにこんな寂しい状態。でも復活したんです。
あきらめちゃもったいないですね。
アルキミストとコンスタンススプライ
アルキミストは一期咲きですが、花びらがたくさんあって豪華なアプリコットの花です。シュートの芽の全部から新枝を出し花を咲かせます。シュートは太く硬いです。低い位置に誘引するのはむずかしいです。
カクテルの枝はしなやかでしかも四季咲きなのでどこで切っても花が咲きます。足元に光が当たらなくなって、上の方だけ枝が盛んに伸びるようになりました。古いツルを残し上の部分だけを剪定しています。
黄色い花のイングリッシュローズ・グラハムトーマス。低いアーチを足元から覆うように花を咲かせます。右側の白い房咲きの花は野バラです。野のどこにでも生えている野バラ。樹勢が強く放任すると手に負えなくなります。毎年新しい枝だけ残して切ります。枝はしなやかです。一期咲き。秋の赤い実がかわいいです。
少しくらいの日当たりの悪さは気にしないエスタディ。枝がしなやかに伸びる修景用のバラで足元を隠すのもありですね。低いフェンスなどに誘引してもいいです。
とにかくバラは丈夫!!
バラ作りの本などを読むと、「自分にはムリ」と思いますが、土に植えておけば必ず一輪以上は花が咲きます。テッポウムシにやられても何年かは咲いています。テッポウムシにかじられた跡に土をかぶせてしまえば、さし木のように根を出してまた復活したりします。バラはとっても丈夫な植物だと思います。一年を通して庭に木があって、剪定や水やりなどの作業を通して木と対話をしながら花を咲かせるという作業もまた楽しいことの一つです。
「一本から始めるバラ作り」お勧めです。