6月、梅雨の真っただ中、雨に濡れた雀の子が、居間のすぐ前の犬走に立っていました。体は小刻みに震え、目を閉じ、寒さに耐えているように見えました。その小さな子雀のすぐそばに、一回り大きい雀の子が寄り添うように立っていました。兄弟のようです。
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二羽の親鳥が餌を運んでくると、大きい方の子は大きな声で鳴き、餌をねだりに親鳥のところへかけていきます。しかし、小さい方の子は、反応はしますが鳴くことも出来ず、その場に立っているのが精一杯といった様子でした。体はフラフラ揺れています。大きい子雀は、親鳥に餌をもらうと、またすぐに小さい子雀のところへきて一緒に立っています。まるで、励ましているかのようです。
「どうすればこの子雀を助けることが出来るだろう。せめて2時間雨が止み日に当たることが出来れば羽が乾くのに・・・」
私は、コンクリート敷きの犬走に、ご飯粒を水で洗い一粒ずつ食べやすいようにして置くことにしました。親鳥が近くで餌を見つけることができれば、大きい子と小さい子に均等にご飯をあげることが出来る。小さい子も食べたら少し元気になるかもしれない、と思ったからです。
思った通り、親鳥は二羽の子供たちに均等に餌を与え始めました。
その間も、私は、厚い雲の上の太陽に向かって、雨を止め太陽の光を地上に届けてくれるよう祈りました。
するとどうでしょう、2時間後、日の光が庭に差したではありませんか。
「もしかして、チョーノーリョク~~!!」

30分もすると濡れていた子雀の羽はすっかり乾き、兄弟と一緒に元気に鳴いて親鳥に餌をもらっていました。
夕方の天気予報によると、梅雨の晴れ間は明日までで、あさってからまた雨が降る・・とのことでした。
「そうだったのか・・・」

予報通り、翌日も晴れて厳しい暑さとなりました。
どこから聞きつけてきたのか、庭にはあの家族の他にもたくさんの雀がやってきて、ご飯の争奪戦が始まりました。雀にも個性があります。日陰で親鳥を大声で呼んで食べるものや、親鳥が呼ぶとかけていって餌をもらうものがいます。
あの子雀兄弟は、親のところへかけて行き、ご飯をもらっていました。親鳥は早く飛べるようになって欲しいので、子雀たちを、なるべく走らせ、木の枝に飛び移らせながら餌をあげていました。一週間もすると50センチくらいしか飛べなかった体の小さい方の雀の子も、2メートル3メートルと飛距離を伸ばしていきました。そして、その雀一家は庭に来なくなりました。
きっとあの子雀が飛べるようになったので、餌の豊富なところへ行ったのだろうと思いました。

庭は相変わらずスプーン一杯のご飯を奪い合い、大騒ぎです。
あの一家が庭を後にして6日後、朝、庭にスプーン一杯のご飯を置くと、あの家族がやってきました。親鳥が物置の屋根に餌を運ぶと、子雀たちは、近くの木の枝を上手く使って、軽々と屋根まで行きます。4メートル離れた向かいの塀にも飛んでいけるようになりました。翌日も姿を見せてくれました。私は、雨に濡れて震えていた子雀が親の後をついて飛べるようになったとホッとしました。

忘れもしません、6月28日、朝、起きる寸前に夢を見ました。厚い雲の間から日の光が庭に差し込むと、庭から一斉に美しい鳥たちが、たとえようもないほどの美しい羽をした鳥たちがたくさん、たくさん、空に向かって飛び立ちました。それは本当に美しい光景でした。それからすぐに目が覚めました。
目が覚めたら、雀たちがお礼を言ったのかもしれないと思いました。それからもう雀たちは庭には来ない、と思いました。試しに、庭にスプーン一杯のご飯を置きましたが、3日経ってもそのままでした。子雀たちは完全に巣立ったのです。

野生の動物たちに餌を与えてはいけないと言います。確かに、私も、過剰な行為は良くないことと思います。しかし、目の前で、消え入りそうな命に祈らずにはいられませんでした。
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二羽の親鳥が餌を運んでくると、大きい方の子は大きな声で鳴き、餌をねだりに親鳥のところへかけていきます。しかし、小さい方の子は、反応はしますが鳴くことも出来ず、その場に立っているのが精一杯といった様子でした。体はフラフラ揺れています。大きい子雀は、親鳥に餌をもらうと、またすぐに小さい子雀のところへきて一緒に立っています。まるで、励ましているかのようです。
「どうすればこの子雀を助けることが出来るだろう。せめて2時間雨が止み日に当たることが出来れば羽が乾くのに・・・」
私は、コンクリート敷きの犬走に、ご飯粒を水で洗い一粒ずつ食べやすいようにして置くことにしました。親鳥が近くで餌を見つけることができれば、大きい子と小さい子に均等にご飯をあげることが出来る。小さい子も食べたら少し元気になるかもしれない、と思ったからです。
思った通り、親鳥は二羽の子供たちに均等に餌を与え始めました。
その間も、私は、厚い雲の上の太陽に向かって、雨を止め太陽の光を地上に届けてくれるよう祈りました。
するとどうでしょう、2時間後、日の光が庭に差したではありませんか。
「もしかして、チョーノーリョク~~!!」

30分もすると濡れていた子雀の羽はすっかり乾き、兄弟と一緒に元気に鳴いて親鳥に餌をもらっていました。
夕方の天気予報によると、梅雨の晴れ間は明日までで、あさってからまた雨が降る・・とのことでした。
「そうだったのか・・・」

予報通り、翌日も晴れて厳しい暑さとなりました。
どこから聞きつけてきたのか、庭にはあの家族の他にもたくさんの雀がやってきて、ご飯の争奪戦が始まりました。雀にも個性があります。日陰で親鳥を大声で呼んで食べるものや、親鳥が呼ぶとかけていって餌をもらうものがいます。
あの子雀兄弟は、親のところへかけて行き、ご飯をもらっていました。親鳥は早く飛べるようになって欲しいので、子雀たちを、なるべく走らせ、木の枝に飛び移らせながら餌をあげていました。一週間もすると50センチくらいしか飛べなかった体の小さい方の雀の子も、2メートル3メートルと飛距離を伸ばしていきました。そして、その雀一家は庭に来なくなりました。
きっとあの子雀が飛べるようになったので、餌の豊富なところへ行ったのだろうと思いました。

庭は相変わらずスプーン一杯のご飯を奪い合い、大騒ぎです。
あの一家が庭を後にして6日後、朝、庭にスプーン一杯のご飯を置くと、あの家族がやってきました。親鳥が物置の屋根に餌を運ぶと、子雀たちは、近くの木の枝を上手く使って、軽々と屋根まで行きます。4メートル離れた向かいの塀にも飛んでいけるようになりました。翌日も姿を見せてくれました。私は、雨に濡れて震えていた子雀が親の後をついて飛べるようになったとホッとしました。

忘れもしません、6月28日、朝、起きる寸前に夢を見ました。厚い雲の間から日の光が庭に差し込むと、庭から一斉に美しい鳥たちが、たとえようもないほどの美しい羽をした鳥たちがたくさん、たくさん、空に向かって飛び立ちました。それは本当に美しい光景でした。それからすぐに目が覚めました。
目が覚めたら、雀たちがお礼を言ったのかもしれないと思いました。それからもう雀たちは庭には来ない、と思いました。試しに、庭にスプーン一杯のご飯を置きましたが、3日経ってもそのままでした。子雀たちは完全に巣立ったのです。

野生の動物たちに餌を与えてはいけないと言います。確かに、私も、過剰な行為は良くないことと思います。しかし、目の前で、消え入りそうな命に祈らずにはいられませんでした。
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